【実力を見る】オンライン学習での課題の出し方|探求式の出題が大切【小中学校式は時代とオンライン形式に合わない】

BeStチョイス,テレワーク概論

新しい生活様式の一つ「オンライン学習」で最もその変化を邪魔しているのが「生徒への課題の出し方と評価方法の古さ」です。探求式にしつつ、点数も付けやすいように、当職がSecurity Academyでとっているやり方を一部紹介します。中学生以降であれば、この方法で十分実力を見れるはずです。

 

問題発見・探求式の出題にすること

ありがちな例:ここにりんご3個とみかん10個がある。りんごは1個300円、みかんは1個80円である。全部合わせていくらになるか。

この形式の出題は計算練習になるだけで、実質的な問題解決ではない。現場では役に立たない。機械でもできる上に、問題が発生してから、問題を解けるまでにデータを出されないと計算できないので、人を教育するものではなく、機械を教育する感覚に近い。

 

マシな例:私たちは健康のために毎日フルーツも食べる必要があります。1週間でフルーツ購入に当てられる予算を2000円とした場合、あなたは、どんなフルーツを入手しますか?

こういう形式の問題のことを探求式と言います。限られた条件を指定し、ここでいうフルーツの入手場所、数量、フルーツの種類などのさまざまな条件は生徒に全部丸投げします。これは本人に考えさせるためであり、意欲の評価もしやすいです。提出される内容を見れば気持ちがあるかどうか、誰かの答えを写しただけかどうかすぐに分かります。

 

評価する時は

  • 5W1Hの充実度
  • 記載されたデータ数

から評価すればいいので簡単です。

 

マシな例【回答例】

1週間7日、予算は2000円なので、1日に使える金額は2000円÷7日で、約285円です。フルーツの金額がいくらなのか分からなかったため、母の買い物についていって金額を確かめた所、キウイ1個100円、パイナップル1個600円、リンゴ1個300円、バナナ5本300円と思っていたよりも高いと感じました。近所のスーパーマーケットしか確認していませんが、母の話では、朝市や直売所に行けばもう少し安いとのことでしたが、めんどくさいのと、時間がないので、近所のスーパーマーケットでなんとか予算内の買い物を済ませようと考えました。

最初はバナナならば食べやすいと思い、バナナ5本の袋を3つ買えば1日2本はバナナを食べられると思いましたが、母にバナナはすぐに悪くなるから、まとめ買いはしてほしくないと言われました。また、リンゴは皮をむかないといけないので、論外、キウイも同じく食べにくいので論外としました。ここで候補に上がったのがすぐに食べられて、保存もできるみかんですが、時期的にみかんがなかったので何かしら調理をしないと食べられないフルーツしかありません。

ここで母からの提案により、ドライフルーツをフルーツと認定することにして、バナナは10本だけ買うことにしました。この時点で予算のうち、600円を消費し、残りはおおよそ1300円とちょっととなりました。ドライフルーツの金額が想像以上に高く、ドライマンゴー1袋400円、プルーン1袋500円を購入した所で予算が残り300円ほどになりました。消費税のせいで100円以上持っていかれているのが納得いきませんが、残り買うことができるのはほとんどないため、これにて1週間分のフルーツ、予算2000円チャレンジを終了とします。

まぁ、だいたいはこういう回答が返ってくると思います。生活力、親との連携や家庭環境もこれでだいたい見れてきます。ドライフルーツの発見、保存期間、キッチンは危ないのと母の領域であることから極力使わないようにしたいなどの現実的な話も入っていればもちろん加点評価です。トマトがフルーツに入るかどうか、などの意見を述べて書いてあっても加点評価です。

 

大切なのは、1つの出題で、複数の答えが出てくる上に、生徒はこの問題を解くのに時間を掛けるという点、提出されてくるタイミングがバラバラになりやすいので、採点の負担が分散されるということです。また、既に述べたとおり、家庭環境や生活レベル、発見の数、積極性、カンニングの程度、友達との協力なども見れるので、勉強以外の子どもの様子も分かります。教員の負担は少し減らして、生徒とはじっくり向き合えます。

 

オンライン授業のときには、こういう課題を出すことを前提にして、講義を録画しておき、配信すればいいだけです。こうした現実的な計算の中にも方程式や数学的な感覚が入れ込めるので、授業負担は減らしつつ、生徒の実力を見れます。※計算練習なんてオンライン授業でやる必要ないですよね。自習で十分クリアできるはずです。

 

おすすめの出題形式

おすすめな例

(1)あなたが好きな食べ物はなんですか?

(2)2000円の予算で、その食べ物を1週間、毎日食べるために、あなたはどう工夫しますか?

(3)予算が1000円で(2)と同じ量の、あなたが好きな食べ物を用意するために、どんな工夫をしますか?

全て自由に考えて答えてください。回答形式自由

前回の問題では、フルーツと限定しました。これはあまりよくありません。フルーツはみんな食べれるだろうという押しつけ価値観と、指定が入っているために生徒のやる気を削いでいる可能性があります。生徒によっては予算5000円で1週間毎日プラモデルを作れるということにしてくれないか、と問題形式の変更を求められるかもしれないんです。この生徒の自主性は尊重すべきで、数字と購入する物品についてはぶっちゃけなんでも良いんです。そこは大事じゃないんです。

 

上記の形式にすれば、図を書いたり、写真を貼ったり、Googleドキュメントで作ったり、動画を撮影したり、友達との共同で課題を出したりする子も出てくるでしょう。より自由度が高い問題は、実は解決するのが難しく、生徒の目線をよく見れます。なぜ計算する必要があるのか、という日本人の学生によく起こりやすい反発、反抗心を早めに打ち消せます。

 

欲しい物を一定期間入手するためには、計算が必須なのである、ということと、事前に計算してから買うことで、長期間、供給をまかなえるかもしれないということをその身を持って教えられるんです。

 

解決するだけの出題はNG

計算や課題を固定されたやり方に従って解くだけのやり方は対面学習でも、オンライン学習でもあまり役に立たないです。計算力や処理力は付きますが、本来大事なことはそこではありません。

 

限られた環境下で、求めているものを手に入れたり、必要な問題を発見して解決するスキルが必要なんです。が、小中学校のやり方は、ただ同じ計算問題や課題を生徒に出して、先生の持っている回答と一致してればOKという、マークシートでいいじゃんっていうものと、機械がやっても同じじゃんっていうのと、カンニングしてもばれないじゃん、っていう問題があります。そして、丸付けの負担が多く、先生は生徒のことを何も理解できないままになるので、先生と生徒に間に信頼は生まれません。

 

信頼の生まれていない関係において、指導、学ぶ、なんてのが成立するわけがないんです。人間関係舐め過ぎです。子どもを舐め過ぎです。そういう教師と子どもの関係で教師が上として扱うのは、奴隷を扱う時のそれと非常に似ています。良くないやり方なんですよ。

 

特にオンライン学習では「生徒自身の主体性・積極性」が求められるスタイルです。教育上先進国でないとこのオンライン形式は基本的に実現しません。今の教育現場では無理くりなんとかどちらかが我慢して成り立っていますが、意味がありません。生徒の主体性を活かせるような出題をしましょう。

 

こうした出題形式では「先生だったらどうするか」を先生が生徒に伝えたいことも含めて、回答例を出すようにしましょう。先生という立場の「人」の考え方が分かるので、人間関係が構築され、それが時に信頼にも繋がり、生徒にとっては新しい感覚が生まれるかもしれません。