シミュレーション仮説をプログラマー目線で”正しい?”のか考えてみた【学術論文】

2019年8月2日

巷で騒がれているシミュレーション仮説について、プログラマー目線、物理目線などさまざまな目線から分析し、研究し、考えてみました。当方は山梨大学工学部を卒業、生命工学専攻でしたが、ヘクト光学から電磁気学を学び、それに伴い量子物理学、素粒子物理学、基礎物理学、天文学、高分子化学、無機化学、有機化学、統計学、代数学、解析学などもガッチガチに学んでいます。

 

 

結論

~仮説は仮説~

 

 

シミュレーション仮説に対して、専門知識を持たない者のエセ科学ベースの議論が目立ちますが、それは正しい議論ではありません。当方は数学、物理学を志したものなら知っているだろうヒルベルト空間が大好きです。素人ではありませんので、反論や反証、ご指摘等は大歓迎で、むしろシミュレーション仮説が事実か、間違いかに関わらず、多くの人が物理学や数学の世界に興味を持って真剣に取り組んでくれることを嬉しく思います。シミュレーション仮説、及び、最新の物理学や数学の研究を行っている人々、行った人々に尊敬と感謝の念を示し、ここには私のプログラマーとしてのまじめな考えを記載いたします。

 

 

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シミュレーション仮説とは?

そもそもどんな仮説、理論においても「前提条件」「系」を提示しなければ議論はできません。多くのシミュレーション仮説に対する議論の中で「前提条件」や「系」に関する内容が無視されて、シミュレーション仮説に都合の良い物理法則を都合よく釘で打ち付けたような理論になっていたので、議論のずれを正すために、ここで大元のシミュレーション仮説について引用いたします。

 

引用ここから

●彼が示唆したのは、住民のいる惑星全体あるいは宇宙全体をコンピュータ上でシミュレート可能で、その住民が完全に意識を持っているなら、十分に高度に発達した文明ならそのようなシミュレーションを実行する可能性が高く、従って我々が実際にそのようなシミュレーションの中の住民である可能性が高いということであった。

ボストロムの主張は、以下の3つのうちどれかが真だというものである。

  1. シミュレーテッドリアリティを生み出すほどの技術レベルに達する文明はほとんど存在しない。
  2. そのような技術レベルに達した文明があったとしても、倫理やリソースなど様々な理由からシミュレーションを実行しない。
  3. 我々が日頃経験する事物は、ほとんどがシミュレーション内の実体である。

参照:Nick Bostrom(Wikipedia)

 


●This paper argues that at least one of the following propositions is true: (1) the human species is very likely to go extinct before reaching a “posthuman” stage; (2) any posthuman civilization is extremely unlikely to run a significant number of simulations of their evolutionary history (or variations thereof); (3) we are almost certainly living in a computer simulation. It follows that the belief that there is a significant chance that we will one day become posthumans who run ancestor-simulations is false, unless we are currently living in a simulation. A number of other consequences of this result are also discussed.

参照(大元の学術コラム):ARE YOU LIVING IN A COMPUTER SIMULATION?


●哲学者ニック・ボストロムは、我々がシミュレーションの中に生きているという可能性を追求した。彼の主張を簡単にまとめると次のようになる。

  1. 何らかの文明により、人工意識を備えた個体群を含むコンピュータシミュレーションが構築される可能性がある。
  2. そのような文明は、そのようなシミュレーションを(娯楽、研究、その他の目的で)多数、例えば数十億個実行することもあるだろう。
  3. シミュレーション内のシミュレートされた個体は、彼らがシミュレーションの中にいると気づかないだろう。彼らは単に彼らが「実世界」であると思っている世界で日常生活を送っている。

そこで、以上の3点に「可能性」があるとしたとき、次の二つのうちどちらの可能性が高いかという疑問が生じる。

  1. 我々は、そのようなAIシミュレーションを開発する能力を手に入れる実際の宇宙の住人である。
  2. 我々は、そのような数十億のシミュレーションの中の1つの住人である(iii にあるようにシミュレーション内の住人はシミュレーションであることに気づかない)。

より詳細に言えば、彼は次のような3つの選択肢を想定した。

  1. 知的種族は、現実と区別がつかないほど現実性のあるシミュレーションを開発できるほどの技術レベルには到達できない。
  2. そのようなレベルに達した種族は、そのようなシミュレーションを実行しようとしない。
  3. 我々は、ほぼ確実にそのようなシミュレーションの中で生きている。

ボストロムの主張の前提として、十分に進んだ技術があれば生命にあふれた惑星全体をシミュレートしたり、さらには宇宙全体をその全住民と共にシミュレートできるという考え方がある。そして、シミュレートされている人々はそれぞれに意識があり、その中にシミュレーション外部からの参加者が混じっている。

人類が第一の仮説に反してそのような技術レベルに到達したとしたら、そしてその時点でも人類が過去や歴史に興味を持っていて、シミュレーションを実行するのに何の障害(法律や道徳)もない場合(第二の仮説の否定)、

  • 過去に関するシミュレーションが多数実行されると想定することは妥当である。
  • そうであれば、そのようなシミュレーションの中でさらにシミュレーションが行われ、再帰的に派生していくだろう。
  • 従って、我々が多数のシミュレーションのいずれかに存在しているか、実際の宇宙に存在しているかは不明であり、可能性としてはシミュレーション内の方が高い。

人類(あるいは他の知的生命体)が滅亡する前にそのような技術レベルに到達する可能性は、ドレイクの方程式の値に大きく依存している。ドレイクの方程式は、ある時点で星間通信可能な技術レベルに達している宇宙における知的種族の数を与えるものである。この方程式を解くと、人類以上に進んだ文明が存在するという結果が得られる。実際の宇宙とシミュレートされた宇宙の全ての平均値が 1 以上であれば、そのような文明が歴史上必ず存在するということになり、そのような文明がシミュレーションを行う意志を持っていれば、平均的な文明がシミュレーション内にある可能性は非常に高くなる。

参照:ニック・ボストロムの主張要約(Wikipedia)

 

引用ここまで

 

 

まず、これを読んでいない人がシミュレーション仮説を論じていることが大問題です。付け焼き刃の知識ではこうした難しい問題を論じることはできないので、ここにPDFも貼っておくので、全文ちゃんと読みましょう。まずは英語でちゃんと読んで、そのニュアンスを理解してください。でないと議論になりません。根拠や前提条件に基づいていなければ、それは科学ではありません。

 

全ては「シミュレーションだから」で成り立つから、というような意見を持つものがいるようですが、これは「神様がそう言ったから」と置き換えてもぴったり一致する表現であり、科学的ではなく、宗教的です。(それはそれでいい。しかし、それが科学の真理だ、というのは物理学者への冒涜だ。)これは科学への冒涜、物理を研究している人々の冒涜ですので、今後その発言は控えたほうが良いです。今は、どのような状況下でシミュレーション仮説が成り立つかもしれないのか、を議論する段階(仮説でしかない)ですので、誤解のないように。この議論の場で、シミュレーション仮説はまだ仮説でしかありません。

 

 

シミュレーション仮説の前提条件

ここでは、上記引用からシミュレーション仮説の前提条件、前提とする考え、それに対する私個人の考えをまとめて記載します。

【十分に進んだ技術とは?】

シミュレーション仮説を成り立たせるために書かれているもので、この進んだ技術の定義がありません。コンピュータシミュレーションだ、ということを言いたいようですので、ここで進んだ技術というのは主にコンピュータに関係する技術と考えて良いでしょう。これを仮説の提唱者から提示されない時点でお察しですが、シミュレーション仮説を成り立たせるために必要なコンピュータは今後人類が量子コンピュータを実現したとしても、地球と同じサイズのCPUを用意できたとしても地球をシミュレーションすることは不可能です。

 

あなたは認めたくないかもしれませんが、地球には人間以外の生命体も同時進行で存在しています。ゴキブリやウイルス、細菌から魚、植物、イノシシなどもそれぞれに規模に応じた意志があり、本能や代謝反応に基づいた行動を取っています。それらがなければ、シミュレーション内であっても、今の人類の存在をシミュレーション内で理論上成り立たせて、シミュレーション内の人類を騙せません。必ずどこかでほころびが出るようなシミュレーションならば、既にとっくに割れが起きていて当然ですが、まだそんな事はありません。

 

地球と同じくらいの大きさの量子コンピュータを作るほどの文明、物資、時間をかけてまで、この人類の世界、地球をシミュレーションする価値はあるでしょうか?歴史的な一部のみをシミュレーションしたいのであれば、前提を整えてその部分だけシミュレーションするのが高度な文明のすることだと考えるのが妥当です。ランダム性をもたせて、確率でシミュレーションの進行に自由度をもたせているのが今の地球なので、高度な文明が歴史を再現している可能性がこの時点で否定できます。私たちが経験していない未来に起こる現象をシミュレーションしたいのであれば、同じく前述の通り、必要なところだけシミュレートすればよかったはずですが、それはしていないため、歴史の再現をする目的は成り立ちません。

 

十分に進んだ技術を持つ文明が、それぞれ個別のデータが、別々に割り振られたパラメータで、ランダムな挙動を示して、しかもランダムに発生と減少を繰り返すなど、コンピュータにおける基本すら理解していないような処理を許すことはないでしょう。この地球では、ランダムで新しい種族が生まれたり、異常な速度で種族が消えたり、支配層になった生命体(人類)がさらにコンピュータを作ってその中の世界をほぼ無限に広げはじめていくなどを許すと、いくら高度な文明をもつものでも、その無限性には敵いません。

 

【コンピュータの定義とは?】

シミュレーション仮説を成り立たせるコンピュータは、多くの人がイメージするデスクトップパソコンや、データセンターのようなものではありません。既に、インターネット回線そのものをデータ保管庫として有線ネットワークをコンピュータとして活用する技術があるように、限りなく流動性を常にもたせた閉まった系の中でコンピュータを構成していると考えられます。量子コンピュータもそこまで高度なコンピュータではなく、常に光の中で、電気信号の渦の中でデータを処理し、データを保管していくようなコンピュータならば、これも実現可能性が高まります。

 

しかし、それはコンピュータとは言いません。人間で言えば神経、地球で言えば水のようなもので、環境そのもの、環境を擬似的に存在させているものであって、既にそれは自然といいます。一つの物理現象のような挙動を起こすほど大きなデータ処理空間をコンピュータとは言うことはできず、当然外部から手を加えたり、無限に処理ができたり、処理をコントロールしたり、観測したりすることはできません。光の2重スリットの実験を持ち出せば、光から成り立つ電気信号のような空間コンピュータは、観測するような事象ではなく、シミュレーション装置にできません。

 

【高度に発展した文明とは?】

シミュレーション仮説では、高度に発展した文明を具体的に定義していません。どんな条件があればシミュレーション仮説が実現できるのか計算されていない時点でお察しですが、仮説提唱者が一番わかっているはずですが、計算で導き出せるほど、あなた達がいるこの世界は簡単にはできていません。なんとかシミュレーション仮説提唱者の意見をサポートしてくれる文明が存在してほしいという願いに近い意見で、高度に発展した文明の明記、定義の確認はかなり重要です。

 

高度に発展している文明なのに、地球をシミュレーションして観測する必要はないでしょう。コンピュータ技術が先に発展しているだけならば、地球・人類をシミュレーションする余裕などエネルギー残量的に無いです。コンピュータ技術が発展するということは、効率的なエネルギー補給、それらを活用するだけの頭脳・知能など求められることは複数あり、わざわざ低俗な人類をシミュレーションする必要はないでしょう。男性の自家発電までご丁寧にシミュレーションするなんて、高度な文明はどれだけ変態なのでしょうか?

 

【シミュレーションの定義とは?】

シミュレーション仮説では、地球・人類が高度な他の生命体によって生み出されたのではないか、というシミュレーション仮説とはまた別の人類の起源に関しての話題を混ぜ込んでいます。映画「エイリアン」や「プロメテウス」、「コヴェナント」などにもあるような別の生命体による人類製造は労働目的にするなど、何かしらの目的があって行われるもので、創造主が干渉してこないあたり、人類が他の生命体に作られたとするならば、地球・人類は失敗作として捨てられたのでしょう。

 

これはシミュレーション仮説とはまた別の問題です。作られた、のであれば、あなたは確かに作られた、この世界に存在する現実です。あなたにとって、あなたの目の前のすべての事象は現実で、シミュレーションだと置き換えて考えるのは宗教としては良いですが、現行の科学的にはおかしい暴論です。地球・人類が作られて、失敗したために放置されているならば、この地球はあとは自由意志に基づいて発展も衰退もする自然な世界でしかありません。

 

【量子化学・量子力学のスピンの方向の違いは観測に使えるか?】

ミクロな世界の話を、地球・人類の観測というマクロな世界に適用することはナンセンスです。系が異なり、一緒に議論できるものではないので、地球が存在しているのだから、地球と反対に位置するスピンを持つ存在がどこかにあると考えるのは理論がズレています。地球はもっと大きい世界の影響を受けているため、ミクロだけでも判断できませんし、マクロな世界の常識だけで判断することもできません。

 

このスピンの違いは、2方向、または、複数方向のベクトルを生じる現象は、それはそれでまだまだ研究されておらず、シミュレーション仮説に導入するほど解明もされていません。仮説が仮説でしかないことをより強くするだけで、結局シミュレーション仮説が真理に近づけるわけではありません。とても不思議な現象で、興味深いことではありますが、シミュレーション仮説を後押しできるかと言うと残念ながらそんな事はありません。

 

【人類以外の星間通信技術を持つ生命体がいるか?】

おそらくいるでしょう。しかし、遭遇していません。または、他の生命体が姿を見せてくれません。会う気がないのか、巡り会えていないだけなのか、全く分かりません。宇宙の観測が始まってから人類はまだかけている時間が少なすぎますが、この超巨大な宇宙において、生命体の技術レベルが、同じタイミングで同等になって、互いに出会える確率はほぼゼロでしょう。人類が滅亡する頃に、遠い銀河で今の人類と同じ通信技術を持つ存在が生まれてくれば、出会うことはないでしょう。

 

もし、より高度に発達した文明がいれば、その孤独に恐怖しているはずで、宇宙の広さや不思議さを解明するために、同じ知能レベルを持つ生命体を大量に用意しなければ研究解析できないことに気づくでしょう。複数の銀河で同時多発的に、同じレベルの生命体を生み出して、一気に宇宙の解明や宇宙の収束に抵抗するために地球・人類を生み出しているならば、その高度に発達した文明はそろそろ人類に声をかけてくるでしょう。そのタイミングは、おそらく、全人類が個別に持ちうる知識を、同時に結集できる感情を持った人工知能が完成したときでしょう。

 

【高度に発達した文明の優先目標は何か?】

高度に発達した文明が最優先で達成したいと思うことは、おそらく無限のエネルギーでしょう。マインクラフトの無限バグ、完全自動化のように、世界を支配する存在になると多くの生命体が必ずそこにいきつきます。無限化は世界の願いです。爆発と収束を繰り返す終わりのない世界、安定のない世界を常に安定に固着させるためにはそれを維持し続けるだけの無限のエネルギーが必要です。何度も繰り返し、再構成させるという非効率的な現象を止めようとするでしょう。

 

もし、完全に失われることのない安定な環境が整った場合、新しい世界を構築するか、その安定に絶望するか、どちらかでしょう。危険分子の存在しない、安定した世界、精神をコンピュータに閉じ込めて何の苦痛もない状態になった時、そこに幸せという相対的に感じられる感情はなくなり、飽き飽きした世界になるはずです。そこで耐えられなくなった存在が多ければ、刺激を求めて世界を壊すか、新しい世界を求めて旅立つでしょう。それこそ、宇宙の生成と再構成の理由を示すもので、高度に発達した文明でも、円環の理からはおそらく逃れられず、無限の安定を維持したいならば、感情を捨てるでしょう。

 

 

この世界が仮想世界だった場合にできなければいけないこと

当方は、インターネットセキュリティの現役で、暗号生成、脆弱性対策などをみなさんご存知の企業組織にて行っています。このシミュレーション仮説で言っている「コンピュータシミュレーション」に関して、その脆弱性と割れを起こす側の視点で検討してみます。どれだけ屈強なセキュリティ環境でも必ず脆弱性があり、科学の世界がそうであるように「完璧」な環境など存在しません。完璧な世界がないから科学が成り立つわけで、科学が成り立たなければ、そもそもシミュレーション仮説が仮説でしかないわけで、自己矛盾を生むことになります。

 

断言しますが、どんなセキュリティ環境もコンピュータもVR空間もハックできます。この視点から、この世界がシミュレーション仮説に基づく世界なのだとしたら、私やみなさんには以下のことができるはずです。しかし、実際にはできません。

 

  1. 翼を持たなくても、特定の処理をするだけで体を空中に浮かせられる。
  2. 特定の処理をするだけで、他人の体を空中に浮かせられる。
  3. 特定の処理により、ごく小さい範囲内において、物理法則を無視できる。
  4. ごく小さい範囲内において、全ての物理法則を無視できる空間を作れる。
  5. 死んだものの命を、パソコンのゴミ箱から復元するように、回復させられる。
  6. ワームや無限処理を発生させて、そのシミュレーションをシャットダウンできる。
  7. 過去に失われた特定の情報を、復元させられる。
  8. 生まれつきの不治の病という存在を消滅させられる。
  9. 情報経路から管理者・観察者の居場所を特定できる。

 

人間そのものをシミュレーションしている場合、なおさらこのシステムの割れを起こせないといけません。宇宙規模でシミュレーションしている場合、人類は永遠に割れは起こせないでしょう。可能性があるとしたら粒子加速器の存在ですが、巨大銀河の回転の中で、太陽系の回転の影響も受けて、そのさらに小さな地球の回転の中で粒子加速器を動かしても、認識できる現象には限りがあります。

 

これでは前提とする系の規模が異なるので割れは起こせないです。この場合、シミュレーションをしている存在は、既に述べたとおり、無限にミクロ増殖するような人類の存在を、処理の安定性上許せないため、ここでまた矛盾が生じます。宇宙規模のシミュレーションか、人間だけのシミュレーションか、このシミュレーション仮説はどちらの目的であったとしても矛盾する部分がまだまだ多いです。

 

 

シミュレーションと観測・観察の存在について

根本的なところについてここで引用を交えて触れておきます。言葉の綾にもなりますが、非常に大切で、一番の基本となるところなので確認してください。

 

引用ここから

参照:シミュレーション(Wikipedia)

何らかのシステムの挙動を、それとほぼ同じ法則に支配される他のシステムやコンピュータなどによって模擬すること。

コンピュータ・シミュレーションには、一旦シミュレーションが始まるとあとはコンピュータだけで完結してシミュレーションを行う「非対話型シミュレーション」と、シミュレーション中に人間がなんらかの形で(コンピュータ内に模擬的に作られた世界に)介入し影響を与えることのできる「対話型シミュレーション」がある(その応用形のひとつの形が、フライトシミュレータやドライビングシミュレータなどである)。

コンピュータ・シミュレーションは、実世界や何らかの仮説的状況をコンピュータ上でモデル化するもので、それによってそのシステムがどのように作用するのかを研究することができる。変数を変化させることで、システムの振る舞いについて予測を立てることができる。

コンピュータ・シミュレーションの応用として、コンピュータを使ってコンピュータをシミュレートするというものがある。エミュレータや命令セットシミュレータなどがあり、仮想化や仮想機械の項目も参照のこと。コンピュータ科学的にも興味深いテーマである(#計算理論などを参照)。

コンピュータ・シミュレーションは、物理学/化学/生物学における様々な自然科学的システムのモデル化、経済学/社会科学における人間に関わるシステムのモデル化、さらには工学におけるシステムのモデル化において、それらシステムの作用について洞察を得る助けとなる。シミュレーションにコンピュータを使うことの利便性を表す例として、ネットワーク交通量シミュレーションがある。このようなシミュレーションにおいては、その環境についての初期設定を変更するとモデルの振る舞いが変化する。

引用ここまで

 

シミュレーションをする場合、前提条件「観測や測定を行い、特定の目的を果たす」という目的があります。これがない場合は、遊び、趣味、自然発生、自然現象と言い換えます。観測していることが前提としてシミュレーションを行うため、何の目的もなく、条件を揃えてシミュレーションを行うことはできません。目的がなければ条件を整えられませんので。

 

ここで、シミュレーション仮説において遊びや歴史の再現などを目的としてシミュレーションする可能性があるとしています。これは確かにその可能性があります。しかし、人類が把握している限りでは、地球と同じくらいの水を保持している惑星が他にも7つはあるようだと観測されています。

参照:地球に似た7つの惑星(ネイチャー誌)

 

それら似たような環境の惑星がありながら、他の惑星ではシミュレーションをなぜしていないのか(人類が観測できていないだけなのか)。既にし終えた可能性もあるが、それなら地球でのシミュレーションをする理由は特にないはずです。あえて地球でのシミュレーションをしているのだとして、その理由があいまいなままです。

 

また、シミュレーション内で地球と似た惑星が39光年も離れた場所に複数あると人類に観測させる理由がなく、その規模でシミュレーションを行う場合、そのシミュレーションは人間だけのレベルのものではなく、宇宙規模のシミュレーションをしていることになります。あとでも述べますが、地球という星においてだけ、ミクロな演算処理や保存すべきデータ、ログがほぼ無限発生しだすようなことになれば、そのコンピュータシミュレーションを行っているコンピュータは処理落ちします。シミュレーションどころではなく、とっくにコンピュータは壊れています。

 

シミュレーション内で、物理研究、観測研究を行っている地点に対してのみ、特定のデータを出して認識させているだけだという意見があったとしても、その観測は既にそういうレベルのものではなくなっていて、確かに宇宙空間が存在し、地球より外の世界を観測することも実現できています。

 

人類の行う観測すらシミュレーションさせているとしても、これもやはり世界の広がり方や観測データの数が膨大にあるため、それら全てをシミュレーションで出していると考えるのは無理があり(完全にランダムでもなく、完全に統一性があるわけでもない)、シミュレーションで観測領域をコントロールしているとも考えにくいです。現場で研究している方なら分かるはずです。シミュレーションにしてはおかしいと、けれど、全てシミュレーションなら話はつくが、大きな矛盾も生じると。

 

 

宇宙全体をシミュレーション仮説でカバーする場合

もし、この宇宙をシミュレーションする気がなく、適当に色々まぜこぜで反応させた結果どうなるか考えていた場合、それはシミュレーションというよりは、ただの実験でしかありません。宇宙をシミュレーション仮説でカバーしたいなら、宇宙全体の測定、観測が主目的となるでしょう。

 

ここで、適当にまぜこぜに作ったシミュレーションを実行している場合、その宇宙規模のシミュレーション実験には特に意味・目的をもつ必要がありません。もはや、高度な次元の存在による遊びでしかありません。そして、その可能性はゼロではありません。

 

人類では観測できるはずもない超巨大な宇宙全体の測定が目的の場合、人類のような微細な存在をわざわざ定義し、プログラムし、シミュレーションする必要がありません。

 

これは人間が現在把握している素粒子よりも小さな粒子を測定できなくても、人間の世界が成り立っていることから、よりミクロな世界を分析しなくても化学反応などをシミュレートすることはできることからも明らかです。コンピュータによって、シミュレートしているという主張を押し通すには、人類の存在にもプログラムとコードが存在し、そのログを残していないといけませんが、観測対象が宇宙の場合、人類をランダム発生させる必要がありません。

 

無限にプログラムを増殖させるというようなシステム全体の処理をシャットダウンさせる恐れのあるリスクの存在を、高度な次元の知識を持つ世界の創造主が用意するメリットがありません。宇宙という非常に大きな観測対象から、より微細に無限増殖、無限にミクロな世界まで定義して、プログラムしていくことはパソコンで言えばコンピュータウイルスの存在と同じようなものです。宇宙全体のシミュレーションが目的ならば、プログラムの記述時点で、きちんと制約を設けます。そうしないとシミュレートが途中で無限処理によりシャットダウンして、観測に失敗するからです。分かりますか?私なら、そんなバグがあれば即排除します。

 

無限に処理できるCPUは存在しません。物理的に無理です。無限に処理を続行させるための永久機関、無限のデータのログを残すための保存容量、CPUが発するであろう熱を冷却するシステムなど宇宙が広がっていっていて、冷えていっているのは分かっているのに、永久に排熱するような仮説が出てきても成り立つわけはありません。宇宙が常に熱くなっていっているなら分かりますが。空気が膨張すると温度が下がるのと感覚は似ています。宇宙にこの空気の膨張と温度低下が当てはまるわけではありませんが。

 

 

人間界だけをシミュレーション仮説でカバーする場合

結論が早まりますが、人間の世界だけを完全な仮想世界で成り立たせることは可能です。これは生命工学からの視点でも言えることで、人間の知覚する世界は、全て、脳がそう認識しているだけであって、人間の脳をだますことは可能なので、VR空間生成技術が向上すれば、今後人間の一生をVR空間内で完結させることはできます。この場合、宇宙全体にシミュレーション仮説を適用させることはできません。

 

しかし、これにも欠点があり、前述の通り、人間が仮想世界の中にいるならば、絶対にできなければいけないことができないのが現状です。割れを起こせないVR環境、プログラムでできた世界、それは紛れもなく現実です。もし、私が明日、思うだけで体を宙に浮かせることができたら、数年前に救命にあたった交通事故で、私の腕を血だらけにして死んでいった少女の命を復元して取り戻せたら、この世界は仮想世界です。

 

ただし、同時に人類が認識している広がり続けている世界を、その仮想世界内で実現しているかのように思わせるだけのデータ処理を追加しなければいけません。つまり、常にコントロールが必要だということになります。仮想世界の中の人類からランダムに天才が発生して、仮想世界内の法則を解き明かしていくなど、システム管理者からしたらウイルスやバグです。そのバグが仮想世界内の多くの存在に共有されるなど危険すぎて本来は許しません。しかし、現実にはそれが許されています。監視者がいるならできないことが、現実にはできてしまっています。

 

監視者や観測者が不在なのか、システムが重くなりすぎていて、管理者の時間軸と仮想世界の時間軸の進み方に差が出すぎて、一時的に許されているだけなのか、このへんはシステムがシャットダウンされるまで分かりません。そのうち、ぷつんと世界が消えるなら、管理者が私たちの世界をシミュレーションしていたとする証拠にできるでしょう。もしかしたら、時折見えるデジャブはその再起動処理の影響なのかもしれませんが。

 

参考:デジャブ(Wikipedia)

 

 

銀河と宇宙と物理法則

この太陽系の外には「銀河」が、その外の世界には別の「銀河」があり、それらが集まった「銀河団」があり、それらをまとめている「超銀河団」が存在して宇宙が存在しています。

 

それぞれの銀河は、それが存在する前提条件が異なっています。私たちがいる銀河で成り立つ物理法則は、別の銀河では成り立たない可能性があります。遠くの銀河で起きている事象を観測したとしても、それをこの銀河の物理法則で理解しようとしてもナンセンスです。密度や圧力が異なり、基本となる熱が異なれば、存在する物質も光の速さも相対的に変化してしまいます。

 

所詮、人類が生み出した英数字で示してモデル化している物理法則を用いた所で、この宇宙の全てをモデル化することなど到底できません。私たちの銀河は、その外の銀河のルールの中にあって、小さな銀河の中から大きな世界の基本ルールを認識するのはほぼ不可能でしょう。その大きい銀河でさえ、他の大きい銀河の相互作用や、大きい銀河のルールに従うため、今、人類が認識できている物理法則にはもっとマクロな規則があって、特定の条件下でのみ成り立つものです。

 

 

シミュレーション仮説はこんなにも楽しめる

仮説は仮説でしかありません。このシミュレーション仮説も宇宙と人類の存在「なぜ生きる」のかを解明する手助けになる考え方を提唱してはいますが、あなたにとって、あなたの目の前に存在するすべての事象は紛れもなく、事実です。あなたが仮想世界の中にいるとしても、あなたが感じた苦痛も、快感も、温かさ、冷たさ、幸せ、感動などすべての感情はあなただけのものです。そして、あなたが愛するパートナー、ペット、環境全ては、紛れもなくあなたを幸せにしてくれます。シミュレーション仮説があるからといって、目の前の存在を疑う必要はありません。たとえ、それがあなたの脳が認識しただけの現象でも、あなたにとってはそれは全てであり、あなたの現実です。そしてその現実は変更可能です。

 

 

我思う、ゆえに我あり

 

 

 

参考:デカルト(Wikipedia)

参考:帰納(Wikipedia)

 

 

余談:この世界が仮想世界だった場合に私がやりたいこと

観測者が何なのか知りたいです。おそらくこの世界のバグ、アノマリーが脆弱性だと思うので、まず幽霊の存在、霊体の存在に近付こうと思います。こちらから霊体を観測する必要はなく、霊体と一時的にでも共鳴できれば、何か見えてくるものがあるはずです。感じる、見えるではなく、憑かせるが一番だと思います。物理的な筐体を持たなくても精神をこの世界に保持できる存在はシミュレーション世界内では明らかに上位層の支配を受けていないはずです。より強い霊体、より強いアノマリーと共鳴できれば、観測者に近づけるはずです。

 

それまでに、私の精神力をとにかく鍛えておかないといけませんね。自己の存在定義の書き換えもしておかないと、ファイヤーウォールか何かで一撃で処理されると思うので、コンピュータ内に精神を移すくらいの事はできるようにしたいです。観測者が存在して、観測しているのであれば、双方向通信はしているでしょうから、その媒体に溶け込めば私の勝利ですね。あわよくばこちらから観測媒体にのって事象を確認できたら、こちらに戻ってきて、脆弱性をみなさんに拡散しますね。それでその縛られた世界から抜け出せて、作られた破滅からも逃げられるようになります。いつかきっと。

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Posted by Genussmittel管理者