アスタキサンチンとは【構造と化学的性質】

目のアイケア

アスタキサンチン(astaxanthin)は、化学式C40H52O4、モル質量596.84 g/molの赤い粉末状の物質で、基本的な摂取量では人体に害はなく、目の見えの改善や目疲れの予防などの他、さまざまな疾病の予防にも期待されている成分の一つです。

 

アスタキサンチンとは

アスタキサンチン(astaxanthin)は、化学式C40H52O4、モル質量596.84 g/molの赤い粉末状の物質で、IUPAC名は3,3′-ジヒドロキシ-β,β-カロテン-4,4′-ジオン、フラミンゴのピンク色の元になっている物質で、ルテインと並んで人の目の見えの改善や目疲れ予防などにも期待されています。

 

食材としては赤色の

  • 桜エビ
  • キンメダイ

などで主に魚介類に多く含まれています。多くても100gの食材中40mg程度なので、十分量の摂取も過剰摂取も難しい物質です。藻類のヘマトコッカスは、0.2~2%の高濃度アスタキサンチンを有しているため、アスタキサンチンの生産にはヘマトコッカスが欠かせません。

 

アスタキサンチンは細胞膜リン脂質などに関与でき、抗酸化作用を働かせることも分かっています。

 

アスタキサンチンの安全性とリスク

The no-observed adverse-effect-levels (NOAEL) of the astaxanthin-rich biomass for male and female rats were determined as 14,161 and 17,076 mg/kg body weight/day, or 465 and 557 mg astaxanthin/kg/day, respectively, the highest dose tested.

出典:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0278691508002895

ラットに対して行われた実験での急性毒性は見受けられなかったとの報告がありますが、

1日465~557mg/kg

が無毒性量であろうと考えられています。性別によって許容量に差があるようですが、過剰に摂取しなければ問題はありません。体重50kgの人の場合は

1日23,250~27,850mg

が1日の無毒性量です。数字で見れば23~27gなので少なめに思えますが、この量を桜えびで摂取しようとすると、10kgほどの桜えびを食べる必要があります。

 

通常それほどの量は食べられないため、甲殻類アレルギーの方はそもそも別の事情で気をつける必要があります。アスタキサンチンは摂取しないといけない栄養ではなく、摂取できれば多少メリットがあるかもしれない…程度のものなので、摂取しなくても問題ありません。

 

出典・参考

Astaxanthin: A Review of its Chemistry and Applications

https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/10408690590957188

Astaxanthin from Microbial Sources

https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3109/07388559109040622

Astaxanthin: Sources, Extraction, Stability, Biological Activities and Its Commercial Applications—A Review

https://www.mdpi.com/1660-3397/12/1/128

Safety assessment of astaxanthin-rich microalgae biomass: Acute and subchronic toxicity studies in rats

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0278691508002895

Preliminary Clinical Evaluation of Toxicity and Efficacy of A New Astaxanthin-rich Haematococcus pluvialis Extract

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcbn/44/3/44_08-238/_article/-char/ja/

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Posted by TELEMEDIC