「マカフィー(McAfee)」って実際どうなの?セキュリティエンジニアが解説
ウイルス対策セキュリティソフト「マカフィー(McAfee)」は実際ちゃんと使えるのか、役に立つのか、現場でセキュリティエンジニアとして働く当職が解説しました。ビジネス向けというよりは個人・フリーランス向けの内容です。あっても良いですが、コスパを考えると無料期間が終わったら消してしまっても良いかと思います。
結論
パソコンの用途によって使い分けが必要です。多くの場合、新品で購入したパソコンに最初から入っているセキュリティソフトとしてマカフィー(McAfee)にふれると思いますが、パソコン操作に不慣れな最初のうちは頼っておき、慣れてきて、必要なくなったらアンインストールしても問題はないでしょう。
セキュリティソフトがなくても問題ないパソコンの使い方は次の通りです。
- Windowsのパソコンでワード・エクセル・パワポを使うだけ
- edgeやChromeでYouTubeやSNSを見るだけ
- 公式ストアから購入してかんたんなゲームで遊ぶだけ
- 簡易的にメールチェックを行うだけ
これら基本的な使い方しかしないのであればマカフィー(McAfee)を常に入れておく必要はないです。Windows DefenderやWindowsセキュリティでも十分カバーできる使い方です。仕事に使う場合は話が別で、マカフィー(McAfee)かそれ以上のセキュリティソフトを入れておいたほうが無難です。
後述もしますが、以下のようなケースではマカフィー(McAfee)が役立つと考えられます。
- 家族全員のパソコンとスマホが合計3台以上ある
- PC・スマホ全てのセキュリティを設定したい
- ある程度PC操作ができる
まずはマカフィーを1台インストールし「+他のデバイスを保護する」というような操作パネルから、適切な端末などを選んで、電話番号、または、メールアドレスで自身の端末にDLリンクを共有する形になります。
少し面倒な設定があるので、操作を行う場合は、登録コードのメモ、PINコードのメモ、電話のセキュリティを許可するかしないか等など細かく面倒な設定を超えてようやくスキャンページにたどり着けて設定が完了します。覚悟の上で設定を行ってください。
※最初にインストールしたPC、支払いを行ったクレジットカードや支払い方法に準拠して、追加の端末保護の期間も、支払いをすれば延長されます。
「マカフィー(McAfee)」の詳細・要求スペック
マカフィー(McAfee)リブセーフの要求スペックは以下の通りです。
- 必要HDD容量:1.3GB
- メモリRAM:2GB
- ライセンス期間:3年
- 価格:16,785円
価格もHDD容量も、メモリも比較的ごっそりかかる感じですが、一般的なパソコンに無料で最初から入っていることが多い…というマイナス印象がどうしてもあります。
マカフィーリブセーフもちゃんと使っていれば、利用者の母数も多く、パソコンに慣れていない使い始めの人の起こしやすい侵害から防御できるだけの実績件数はあるようですが、ある程度エンジニアとして使い慣れている方が遭遇するリスクに対して、どこまでカバーできるかは不明な点があります。
価格は若干高いですが、家族であれば無制限にパソコンにインストールできるという強みがあるので、家族が4人、5人いるとか、家族は3人だけど、それぞれにパソコンが1台ずつ、スマホが1台ずつの合計6端末ある、というような場合にはマカフィー(McAfee)が頼りになります。
買う前のチェック事項
パソコンを何に使うか、何が起こりそうかをよく考えてセキュリティソフトを入れるか、入れないか、パソコンを分けるか分けないか考えましょう。
仕事で使う場合
仕事に使う場合は、仕事専用のパソコンを用意し、そのパソコンではセキュリティソフトは購入し、操作者の教育もきちんと施し、危険な行動を取らないように気をつけながら使用しましょう。特に取引先からのZIPファイルや不明なexeファイルの受け取りには十分警戒し、短縮URLをクリックするのも基本避けましょう。
仕事用にセキュリティソフトを入れたい場合は、マカフィー(McAfee)だと少し信頼が下がります。どうしてか、初期設定、デフォルトの状態で入っていたものをそのまま使っていたり、セキュリティにお金をかけずにいると話すと警戒する方が基本多いです。
パソコンを買うと「最初から入っている事でよく知られているマカフィー(McAfee)を使っています」というのは、取引先に説明しにくいというメタな事情もあります。信頼されるためにはある程度価格のする、ちょっと動作の重いソフトの方が良い(そういうソフトでも動く環境があることの提示になる)かもしれません。
個人のプライベート用の場合
個人でゲームもあだるてぃな用途もネットサーフィンも含めて色々行う予定の場合には、むしろセキュリティソフトは入れておいたほうが良いかもしれません。たいていはWindows Defenderでも防御してくれますが、検知能力、ユーザー自身による許可など、リスクが多少あります。
例えば、セキュリティ機能が遊びたいゲームをブロックしてしまうケースがありますが、それだと遊べないので、そのゲームを許可して遊ぶはずです。この時、そのゲームにマルウェアやスパイウェアが入れられてしまっていて、多くのプレイヤーが知らずにセキュリティ侵害されていた…なんてケースがちょいちょいあります。
海外のマイナーなゲームを遊ぶ、オンラインマルチゲームを遊ぶ、マインクラフトにMODを入れて遊ぶ場合など、セキュリティソフトがあったほうが安心です。入れてなくて、Windows Defenderで守りきれなくて侵害が起きても、自己責任です。
一般の方が起こすセキュリティ事案は、たいてい、自身で入れている、自身で許可している、自身で実行している事が多いので、それを比較的強力に防いでくれるセキュリティソフトはちょっぴり安心できます。