【成功】GENE CAFEの温度が上がりきらない時に試した事と原因切り分けメモ【画像で解説】
家庭用コーヒー焙煎機「GENE CAFE」を10年ほど?使用して、設定温度を230℃にしても、温度がなかなか上がりきらず170℃~205℃くらいまでしか上がらない現象に悩まされる。ヒーター、パワーPCB、センサー類を買い替えてパーツ交換しても、改善が見られなかったので、いったん原因の切り分けをし、ここにメモとして残しておくことにしました。
Gene Cafeの温度が上がらない(通電&加熱はされている)
今、起きている問題は以下の通りです。
- 230℃付近まで温度が上がらない
- 温度上昇が遅い(15分動かして130℃)
劣化が疑われたパーツは以下の通りで
- ダンパーイン温度センサー
- ダンパーアウト温度センサー
- ヒーター
- パワーPCB
これらのパーツは交換し、通電も問題なし、加熱そのものはできている状態です。長年、たぶん9年か、10年か使用してきているので、寿命???の可能性があるとしても必要な箇所のパーツ交換をしたので、あとはどこが問題なのか謎…という段階で手詰まり状態になった。
結論&解決策
もし、同じようにGene Cafeの温度上昇が遅い、温度が上がりきらない、温度が上がらないと悩んでいる方は以下を試されたし。
- 吸気ファンの分解清掃
- チャフチャンバーの分解清掃
- 焙煎はうまくいくのに温度表示低めになっている=ダンパーアウト温度センサー交換
- ファンとチャンバーの分解清掃したのに温度が上がらない=ヒーター&パワーPCB交換
- ヒーターを交換する場合はパワーPCBもダンパーイン側温度センサーも交換しちゃっていいと思う(どっちにしても経年劣化の可能性)
今回、私は先にヒーター交換、温度センサー交換、パワーPCB交換、チャフチャンバー清掃、吸気ファン清掃という順番で作業をしてしまった。どちらにしても、パーツ類は新しくなったので、また10年使えると思えば安いものである。
パーツ類はWINWIN本舗で購入したものを使用しています。
パーツページ
http://www.winwinhonpo.com/cgis/goodslist.cgi?this_num_genre=&genre_id=00000017
原因の切り分けメモ
原因の切り分け、可能性として原因になってそうなことを以下にメモ。
- ヒーター接続部分のわずかなスキマ
- ダンパーアウトセンサーの位置ズレ
- 排気チャフチャンバー周辺
- 吸気ファンの劣化・動作不良
通電していて、加熱もできる状態で、パーツ交換もしているので、ヒーター、パワーPCB周辺にはもう疑う所がない。
改善なし|排気・チャフチャンバーの徹底清掃
チャフチャンバー、チャフコレクターの分解清掃をしました。ネジ止めを外して…。
こんなんなってましたし、網目の方もなかなかの状態になっていました。確かに目詰まりは起きていたので、ステンレスたわしでゴシゴシ掃除して網目の目詰まり、排気環境を改善。結果的に、温度上昇には関係ありませんでした。
改善なし|ヒーター連結部分のスキマにシリコンボンド
耐熱シリコンボンドを、ヒーター連結部のスキマになってそうな場所に塗り、シールしました。
しかし、改善はなく、温度上昇には関係ありませんでした。むしろ温度は下がりました。200℃までは上がっていた温度が、30分動かしても170℃までしか上がらなくなった。
改善なし|ダンパーアウト温度センサーの位置調整
ダンパーアウトは、チャフコレクターに近いところにある温度センサーです。このセンサーの表面が真っ黒になってたので、焦げ付きでセンサーの感度が悪くなっているのかと思い、焦げ付きを除去。
その後、センサーの挿入の深さを変更してみた。この作業とヒーター連結部のシリコンボンドシーリングを同時にやった。
最初は中くらいの位置にあった(200℃までは上がる)
調整後、ギリギリまで上げてみた(170℃までしか上がらない)
調整後、結構下まで下げてみた(吸気ファンの改善により温度問題は改善した。)
ダンパーアウトの部分のセンサーはおそらく今の位置であれば問題はないと思われる。
改善あり|吸気ファンの清掃と環境改善
吸気がうまくいっていなくても、温度上昇が悪くなるという話をどこかで見かけたので、分解してファンを一応チェックすることにした。
すると、中身はこんな感じになっていた…(原因これやん…。)
きれいにすると風通しのよいファンになった。
なお、下部から見えるフィルターネットのようなものは清掃後外しました。このフィルターネットがあると奥が見えないのと、吸気効率を落とすため。
試運転を行うと、温度上昇と排気量に明確な変化があり、1分程度で130℃に到達、排気の勢い、動作音(高音がのった感じに)の変化があり、およそ今まで通り、当初の勢いの温度上昇10分程度で230℃到達を取り戻しました。
問題の原因と起きていたことの予想
最初にヒーターを交換した時、温度上昇が改善されたのは事実。
記事:https://genussmittel.biz/genecafe-heater-exchange-howto
このため、ヒーターは消耗品と考えて、定期的に交換するのが無難かと思われる。けれど、今回の吸気ファンの詰まりが原因で温度が上がらなかっただけなのであれば、ここまでで交換したヒーター、パワーPCBはまだ全然現役で、動くかもしれないという可能性があり、破損パーツではなく、一時的なバックアップ用パーツとして生かせると思う。
複合的に、いくつかの問題が重なった可能性が高いが、吸気、排気のバランスが悪くて温度上昇に問題が出た、というのは間違いなさそうである。そんな所で?という疑問が残るので、Gene Cafeの仕組みについて少し考えてみる。
Gene Cafeは熱風を珈琲に当てて焙煎するもので、吸気ファン → ヒーター → 温度センサーの順に空気が流れていく。この時
- 初期:吸気のまだ冷たい風をセンサーが感じ取る&温度を上げる
- 中期:吸気の風を指定温度に温めるために緩やかに調整する
- 後期:ヒーターを維持して温度を2℃~3℃の誤差範囲で抑える
こんな感じで、動いていると思われる。外気は低温で、それを踏まえた上でヒーターの温度が上がり、一度ダンパーイン温度センサーでその温度を計測する。その後、ダンパーアウト温度センサーの温度を見て、温度差のバランスを取る感じだと思われる。
このため、ヒーター直後の温度と、コーヒー豆を温めたあとの温度で、大きな差があり、ダンパーアウト温度センサー(コーヒー豆に温風があたったあとのセンサー)が低い温度の場合は、安全策をとって低い方の温度にあわせるようにできているんじゃないかと思う。
このため、吸気効率が上がったことで、ヒーター直後のコーヒー豆に当たる前の温度と、コーヒー豆にあたったあとの温度差が少なくなり、温度上昇がスムーズになったということではないかと思う。吸気が増えたら冷えちゃいそうな気もするけれど、それはダンパーアウト温度センサー(チャフチャンバー側)の方も同じである。
吸気効率が上がり、ダンパーイン&アウト温度センサーの温度差が減って、両方を同じ温度で維持しようとして、ヒーターの温度を存分にあげれるようになった、というところではないかなと思う。
シリコンボンドで温度が下がったのは
シリコンボンドでスキマを埋めて温度が下がったのは、それまでは吸気ファンの詰まりにより低下していた吸気効率を、ヒーターのスキマの空間が代わりに吸気元としていた可能性がある。そのため、結果的にどうがんばってもファンで温風を送るレベルにまではならなくとも、熱気でなんとか、気合いで一定の温度は保てていた…といった所だろう。
温度をあげようと密封したことで温度が下がるのは、ある意味で安全策がきちんと働いているからだと思われる。
まとめ
分かりやすくまとめると、最初の頃は
- 吸気(ダンパーイン温度センサ):風が冷たいで、ヒーターさん温めてや
- 排気(ダンパーアウト温度センサ):風が冷たいで、ヒーターさん温め足りないで
中盤になるにつれて
- 吸気(ダンパーイン温度センサ):温まってきたで、でも、ヒーターさんもっと温めてええで
- 排気(ダンパーアウト温度センサ):温まったで、温度の差はあんまないで、安全やで
最終的には
- 吸気(ダンパーイン温度センサ):今、指示では230℃やけど、231℃あるで
- 排気(ダンパーアウト温度センサ):こっちの温度では228℃やで、スレスレちょうどいいで
という感じでやり取りしているのではないかと思われる。
温度上昇がおかしくなっていた時は
- 吸気(ダンパーイン温度センサ):風が冷たいで、ヒーターさん温めてや
- 排気(ダンパーアウト温度センサ):あんま風来ないけど、ちょっと温かいかな
という状況から、中盤になるにつれて
- 吸気(ダンパーイン温度センサ):こっち100℃あるで、でもあんま風はこんな
- 排気(ダンパーアウト温度センサ):こっち60℃やで、風あんま来てないで、実際の温度60℃なんちゃう?
- ヒーター:じゃあ、65℃くらい目指しときやすか~
という状態になるため、常温のコーヒー豆を温めるために時間もかかり、温風の量も足りずに温度は上がりにくくなり
- 吸気(ダンパーイン温度センサ):こっち130℃やけど、指示では230℃なんだけど…
- 排気(ダンパーアウト温度センサ):こっちの温度100℃やで、温度差どないしたん?危なくない?
- ヒーター:じゃあ、とりあえず、あいだとって、115℃あたり目指しときますかね
みたいな感じになって、ヒーターの温度がダンパーアウトの方の温度センサーを重視している(安全策のため)ために、両者の温度センサーの温度が離れすぎてると、温度が上がりにくい現象が起こると考えられる。
これが、吸気効率が上がって、吸気温度と排気温度の差が少なくなると、「予定通りだね、ダイヤルで指定した温度にガンガン上げていって大丈夫だね!」という状態になるので、温度上昇が安定するのではないかな…と思います。