飲食店に求められていることの変化【昔と今】

昭和から平成、令和と時代が変化するにつれて、日本人の価値観や文化も変化し、飲食店に求められていることも大きく変化しています。消費者が異常にわがままになり、お金は持っておらず、要求は大きくなっていた時代があり、令和になった今は古い時代の感覚を持ったお客は淘汰されつつあります。

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昔の飲食店に求められていたこと

昭和時代、平成初期は、飲食店といえばデパートの食堂、今で言うフードコートのようなスタイルで、中産階級が大勢で記念日にデパートでワイワイガヤガヤ食事を満喫する活気あふれる環境がありました。これは今のイオンモールのフードコートにも通じる所がありますが、注文形式や食事のスタイル、マナーは変化してイマドキの食券制、事前注文制、セルフサービス、セルフ下げ膳などが導入されています。

昔は飯のうまさも求められていましたが、明るさや活気の方が重視され、外で食べるカレーライス、とんかつ、オムライス、ラーメンは特別な時間を過ごすダブル主演のような存在でした。このため、店員や店主の個性、やり方が強い立場にありお客を満足させるようなサービスも一般的でした。

活気と特別な食事は少しずつ、当たり前になっていって、お店の活気ある店員の善意とやりがいと体力気力で無償提供されていた接客サービスは減っていきます。特に不景気の連続でお金はあまり払わないのにサービスだけは今まで通りを求めてくる世間知らずな客のせいでアルバイト労働者、サービス業の人間を下に見ようとする層まで出てきます。

みんなでお金がない時代に突入し、飲食店も競争が激しくなると今度は経費削減、人員削減、価格への転嫁が始まり、どこでもおいしくて満足に食べられることが重視されていきます。最初はマクドナルドのようなファーストフードスタイルは敬遠されていましたが、今はそこら辺の田舎の個人店やレストランよりもマクドナルドの方が行きやすいし、おいしいという評価にもなっています。

フードコート的な場所は「元気があって特別な時に楽しむ食事」から「早くて安くてそこそこうまい飯を食べる場所」に変わりました。

飲食店に過剰サービスを求めるのは昔の懐かしさを感じたいから

昭和の頃の、両親と一緒に食べに行った特別な食事の機会、独特の外食の雰囲気を再び味わいたいというノスタルジーを求める人が出てくるのはよく分かります。しかし、時代の変化は思っているよりも早く、世代交代や事業継承も起きている中で何でもかんでも昔ながらというようにはいきません。

昔のスタイルを感じたい人、懐かしいあの頃を思い出したい人も多いのは事実ですし、気持ちは分かります。それをどこでもいつでも求めるのが常識外れなだけで、今でも大衆食堂スタイルの場所は残っています。自分の希望を叶えられるようにお店を選べるようになるのがお客、お店双方にとって良いことです。

今の飲食店に求められていること

令和になった今、飲食店に求められていることはシンプルです。

  • 安く普通のおいしい食事ができること(お金を節約したい)|ファミレス・居酒屋
  • 安全で衛生的な食料があること(健康でいたい)|ファミレス・個人店
  • 早く食事ができること(時間がない)|駅前店・牛丼チェーン店等
  • ゆっくり座って食事をしたい(休みたい)|カフェ・個人店
  • 誰にも邪魔されずにストレスフリーで食事したい(気力を満たしたい)|カフェ・個人店
  • 特別扱いされたい(承認欲求等が満たされていない)|本格フレンチ・イタリアン・料亭

令和の人々は低収入と重税に苦しめられていて、時間もお金もない中で、日々おいしい食事くらいは安く楽しみたいと考えています。お昼のランチだけが1日の楽しみである人、金曜の晩飯や晩酌だけが楽しみである人もいて、食事に対する重要度が上がっています。

安くてうまい飯が食べたい

まじめに働いていて、日々の仕事をこなしていれば、最低限の暮らしができるのが理想的ですが、令和になった今は重税と物価高騰でお給料をたくさん支払うだけの体力が、企業側にもなく、日本人みんなで貧乏になっていっている最中です。

社会情勢は割愛するとして、お金がないけど、おいしい食事くらいは楽しみたいと考えている人は多く「安くてうまい飯」を求めます。できれば肉が食べたい、みそ汁も飲みたい、自分時間を満喫したいと考える人が多いです。

こういう層は、その時点でいろいろと余裕がないので、自分が食事をするのに何が必要か、その価格に見合ったサービスになっているか等、他者を気遣ったり、常識を思い出したりする余裕すらない場合も多いです。こういう「安くておいしくて自分を満足させてくれる食事」を求めるような超わがままな人は以下のようなクチコミを残す事が多いです。

  • 待たされた。
  • 入口にクモの巣があった。
  • 駐車場の出口が不便だった。
  • トイレが汚かった。
  • お店が混んでいた。
  • コップや食器が汚い。
  • セルフサービスの水がくさい。
  • おつりの硬貨が汚い。
  • レシートが濡れていた。
  • 割り箸が変な割れ方した。
  • スタッフが汗をかいていて不快だった。
  • 自分の料理の提供を優先してくれなかった。
  • 食事の量が少なかった。

食事が安いというのは、常識的に考えれば他のサービスを切り詰めて、食事の原価とスタッフの人件費、水道光熱費、家賃だけでスレスレになるようにしているからで、繰り返しになりますが、サービスの部分を削っているから安いんです。それなのに、最低限の部分で求めることが多くなってしまって勘違いしている人は、その食事が安い理由を考える余裕もないんです。仕事ができない人ほどこういうわがままな性質を持ちます。

駅前の牛丼屋の客層の逆転現象

「安くてうまい飯」の代表とも言える「牛丼」や「そば」、「うどん」に関しては、客層に一定の変化があります。企業努力の賜物とも言える部分もありますが、お客側に以下のような慣れと割り切りがあるので、客層が良くなっています。

  • 飯が食えれば何でもいい
  • サービスはどうでもいいから飯をくれ
  • セルフサービスのほうがいい
  • 迷惑客にはなりたくない
  • 安い飯が食えなくなると困る

安くてうまい飯で、かつ、提供も早く、安くすれば変な客もたくさん来るだろうと思いきや、急いでいる人や時間に制約がある人が多いため、とにかく腹に何か入れられればいいというスタンスでいるため、細かいことを気にしている場合ではないんです。結果的に、時間のなさが客のクレーマー気質やモラハラ気質を抑え込み、サービスが最低限であっても、早く安く食べれたからという理由で高評価になりやすいです。

牛丼、そば、うどんは、そもそも味はそこまで期待されていないというのもありますが、安く食べれる場所がなくなるのは困るというのもあり、自然と客層が洗練されていて、社会的に苦い思いを我慢してきていそうな層であることも合わさって、客層が良いです。

お金がなくて時間がある人より、お金も時間もない人のほうが客層としては良くなるという現象が起こります。お金はなくても時間がある人は少ない小銭で得た体験を特別なものにしたがるためムダに長いレビューを残したり、多くの要求をしたりします。

安全で健康的な食事をとりたい

外食に品質を求めるのは当然のことではありますが、その品質や安全性があって当たり前だと思っている人が多いのは義務教育の敗北とも言える事態です。安い食事ということは、その最低限の安全性の担保も含めての金額で、接客サービスにいろいろ求めてしまうのはお門違いなわけです。

お金を払うんだから、サービスしろという感覚は昭和の時代の人々ですら持ち合わせていません。昭和の頃は店も客もたばこを店内でふかしながら調理して、お店の大将が誰よりも最強でした。特別な時間でもある外食の時間を、そんなことでふいにするわけにはいかないので、普段は厳しい一家の大黒柱も外食の時は基本おおらかで見栄っ張りで周囲に恥ずかしい思いをさせないように大判振舞をすることも多かったです。

食中毒やお腹を下すような料理を出すのは当然NGですが、やたらめったら衛生的にしろとか、安全性をどうこうしろとかいう過剰な要求をするのもNGです。お店の運営方法ややり方に文句を言いまくるのではなく、変なお店には二度と行かないだけでいいんです。

安全で健康的な食事を強く求める人ほど、自分で調理をしたことがない人が多く、特に1食1000円前後程度の食事で最上級の食品安全を求めるケースも多く、世間知らずや現場知らず、社会人経験不足を露呈させる要因にもなります。

食品衛生の観点からは、営業許可を得るためには監査に通るように洗い場や調理場などをなんやかんやする必要があるので安全性については当然といえば当然ですが、少ないお金を出して食べるだけの人は、営業開始に至るまでの資金と資金回収、コスト、利益については想像の範囲を出ません。

この金額ならこれくらいの品質だろうという感覚が分からないのと、料理ができない人はその料理を作るまでの時間的・衛生的コストが分からないので、「安くてうまくて安全で健康的な料理を提供しろ」という考え方になってきます。

不衛生で高い料理を出してしまう店も多い

長年やっている居酒屋やお祭り屋台などがその典型で、厨房や調理場は油やホコリが清掃されていなくて汚くて、加熱していれば食べれるだろうという感覚で料理を提供している所も多いです。お祭り屋台なんかは手を洗わず、屋外でほこりも被りながら、髪の毛も縛らず、お金のやりとりも調理も同じ手で行うので交差汚染ポイントがたくさんあります。

それでもお祭りという雰囲気でそれらを押し切って、業務スーパーの安い肉や焼きそばを焼いて提供しているだけで1000円という所もあります。これは居酒屋でもカフェでもレストランチェーンでもありがちで、特定の需要、客層が重なると多少高くても衛生面は後回しになるケースです。

早く食事を取りたい(早く腹を満たしたい)

駅前の牛丼屋、駅ナカの蕎麦屋などは味は二の次で良いので、とにかく早く飯が食べれて、腹が満たせればそれでいいという需要もあります。たいていは味はそこそこ、清潔感もそこそこで、注文から1分と待たずに料理が出てくるくらい早いこともあります。

盛り付けも後回しでいい、そこそこの味で腹にたまるものを出してくれればいいという希望があるのに加えて、決済が早いというのも重要です。次の電車の時間までのほんの少しの時間に食べたいというお客も多いので、食券制、前払い制で、かつ、小銭のやり取りが発生しにくい金額設定だとより喜ばれます。

とにかくムダな時間が発生するのを抑えて、注文、提供、決済どれもスピーディーに滞りなく終わらせられるのが好まれます。

ゆっくり座って食事をしたい

忙しいことに慣れている人や、立ち食いが普通になっている人にとっては食べる時の姿勢や状況はどうでもいいかもしれませんが、人間社会に生息する生き物としては他の獣に襲われる心配をせずに、ゆっくりと座って食事を楽しみたいという希望を強く持つお客さんも多いです。

怪我か日頃の運動不足か、身体が固くてお座敷よりも足が伸ばせるテーブル席やカウンター席を好む人もいますが、手荷物を置いて食べたいというこだわりがある人もいます。ゆったりと広い座席のほうがいいという人がいるのは当たり前のことで、こういう人は日頃からお店選びをしているケースが多いです。

あまり混雑しておらず、スペースがある時間帯に、ゆっくりと好きな席に座って食事を楽しみたいというこだわりが強く、混雑時にはむやみにお店に入らないで、しっかりとお店が空いてくるのを待つこともあります。お店に入る前に空いているかどうかで判断するため、お店にとってはそこまで厄介なクレーマーになることはないでしょう。

その代わり、クチコミやクレーマー客、迷惑客の有無を気にすることは多く、お客同士変な絡み方をするような人がいるという情報を知るとお店に来なくなってしまうこともあります。静かに消えていってしまうタイプのお客です。

誰にも邪魔されずに食事をしたい

イマドキ増えているスタイルで、モバイルオーダーにも好意的、個室があれば個室を求め、スタッフとの雑談はなく最低限のコミュニケーションだけを求め、決済も比較的スムーズ、とにかくお店が落ち着いていて、静かで、客層がよいお店を選ぼうとするパターンが多いです。

時には陰キャとも言われるタイプの人間ですが、お店としては良客の部類に入る人間です。座席と座席の間についたてがあったり、隣の席との間隔が広いことなど設備に関して求めることが多く、レストランよりも広々としたカフェを求め、時にはテイクアウトを選んで自分の車で食べる方がマシという考えの人もいます。

店員との会話などはあまり求めず、誰にも邪魔されずに食べれればそれでいいというスタンスなので、行きつけのお店をあまり作らないことも多いです。コミュ障ではない場合でも、人と会うのに疲れている場合もあり、気力が削られるのを避ける傾向にあります。人との接触を避けているように見えたら、むやみに接客しないのも大切です。

特別扱いされたい

飲食店やサービス業にあれもこれも求めてくるタイプに多いのが、世間知らずでお金や才能はないのに自己評価がムダに高く、普段は周りから特別扱いしてもらえないでヤキモキしている心理状態であるケースです。

モバイルオーダーに嫌悪感を抱き、自分のリソースを少しでも割いてサービスを受けることを嫌い、もらえるものは何でももらっておく性質が強く、それでいてサービスに対してはお金を支払わずタダで何でもしてもらいたいという常識外れな言動も多いです。

無茶な要求をしてくる人、居酒屋やファミレスなど庶民向けの飲食店でサービスに文句を付ける人などは自分が特別扱いされたいなど、承認欲求が満たされていない人です。安い飲食店で実現されるはずもないのに無理に要望を通そうとするのもこうした層に共通する点です。

特別なサービスを受けたい場合は、一般大衆チェーン店ではなく、それ相応のフレンチやイタリアン、ホテルの最上階のレストランを予約して、事前に色々打ち合わせをするものですが、それも何もなく、ただのファミレスに行って特別扱いを求めるのでカスハラとなります。

年齢・年代でお客の需要が大きく異なる

若い客は過剰な接客やサービスはあまり求めていないことが多く、本当に必要最低限の食事ができればOKというケースが多いです。若い客はイマドキのモバイルオーダーや店頭でのスマホ注文も違和感なくこなし、時代にあった食べ方ができます。その反面、食べ物にこだわりがない人も多いため、味のおいしさよりも量を求める傾向にあります。

年配の客は過去の華々しい時代を知っているので、求める要求が大きくなりがちです。いろいろなお店を知っている分、比較できるお店が多いこともあり、カスハラのような言い方をすることも多いです。年配のお客はアナログな接客を好む傾向にあります。お料理は、量よりも味と見た目の質を求める事が多いです。

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Posted by 管理人