「ノートン(Norton)」って実際どうなの?セキュリティエンジニアが解説

2021年12月2日

ウイルス対策セキュリティソフト「ノートン(Norton)」は実際ちゃんと使えるのか、役に立つのか、現場でセキュリティエンジニアとして働く当職が解説しました。ビジネス向けというよりは個人・フリーランス向けの内容です。企業の場合は、業務で使用する場合でも一応使えますが、別の対策を取る必要があります。

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結論

以下のような用途のみである場合は、ノートン(Norton)を入れなくてもWindows Defender、Windowsセキュリティでなんとかなります。

  • WindowsのノートPCでオフィスソフトのみを使用する
  • edgeやChromeでYouTube動画を見る
  • SNS(TwitterやFacebook)を見る
  • 簡単・簡易的に信頼できるネット通販を利用する

主に、一般的と言われるパソコンの使い方をしているだけで、業務に伴う複数社からのZIP・短縮URLのやりとりがないのであれば、ノートン(Norton)を入れておく必要は特にないです。


以下のような使い方を少しでもするのであれば、ノートン(Norton)を入れておくと少し安心でしょう。

  • 海外のウェブサイトにアクセスすることがある
  • Chromeの拡張機能を使う
  • メール添付のZIPなどを開く、または、送る
  • SNSで短縮URLに触る事がある
  • SNSで見慣れないURLを触る事がある
  • Zoom・Discordでさまざまな人と触れ合うことがある
  • SteamゲームなどPCゲームをプレイする

短縮URLをクリックする場合、その遷移先のページが最初の文字列からは予測できないので、不正なスクリプトや送り主も気づいていない問題があった場合は、セキュリティ侵害が起きてしまいます。

 

他社から送られてくるZIP、また、自分から送るZIPも確実に問題はないと断言できない場合があるため、Windows Defenderのスキャン、ノートン(Norton)のスキャン共にできる状態にあるのは、多少安心できます。

「ノートン(Norton)」の詳細・要求スペック

ノートン(Norton)を使用する場合に知っておいたほうが良い要求スペックなどはこちらです。

  • 必要HDD容量:300MB
  • メモリRAM:2GB
  • ライセンス期間:3年
  • 価格:14,480円

価格は比較的高い部類に入ります。必要なHDD容量は、近年のパソコンで十分SSDやHDDに余裕があることを考えれば問題にはならないでしょう。消費するRAMが2GBなので、低スペックなノートPCでメモリが4GBしかないような、家電量販店で売っているムダに高いノートPCの場合はNortonを入れても快適には動作しないでしょう。

買う前のチェック事項

ノートン(Norton)を購入する場合は、まず、購入する必要がある使い方をしているか確かめてください。仕事、業務、ゲーム配信など相手に迷惑をかけたくない場合、外部のソフトウェアやMODを導入する可能性がある場合には、ノートン(Norton)に限らず、セキュリティソフトを活用しておいたほうが無難です。

 

1年1台のライセンスで導入すると価格が高くなってしまうので、せめて3年のライセンスで使用した方が、コスパが良いです。

 

予算がない場合はWindows Defenderで

どうしてもお金がないのであれば、1年版を買うこともせず、Windows Defenderは活用しておき、業務上の取引先の方から受け取って侵害が起きても、自身のPCが気づかず侵害されていて、取引先のPCを侵害したとしても自己責任での扱いになること、理解して気をつけて使用しましょう。仕事用と個人用のパソコンは分けたほうが良いですが、分けられない場合は、覚悟の上で。

 

Adobeのソフトウェアや、その他のサブスク系サービスも年間結構な金額がしますが、もちろん無料で利用できる高機能なツールはAdobe以外にもあり、これのみをお金を出して使用する必要はないです。セキュリティソフト以外でも、ソフトウェアにはコストがかかるものなので、そのAdobeやオフィスソフト3種よりも安い予算が出せないならば、いろいろな作業はやらないほうが良いです。

 

それほど深刻な業務に使わない、また、平常時インターネットにはほとんど接続せず、オフィスソフトを入れる時、アップデートをする時にのみインターネットに接続するという場合はセキュリティソフトはなくて良いでしょう。

 

Windows Defenderもノートン(Norton)も完ぺきではないので侵害が起きる可能性はあります。近年は気づかれないまま情報詐取されているケースが多いので、検出機能はWindows Defenderもノートン(Norton)も疑いつつ、怪しいサイトや怪しいファイルは開かないなど、操作者が注意する必要があります。

業務利用する場合の注意

パソコンを取引先含めて業務に利用する場合は、以下の点、対策しましょう。

  • 仕事用と個人用PCは絶対に分ける
  • Windows Defenderの設定を完ぺきにしておく(どちらか)
  • ノートン(Norton)の設定を完ぺきにしておく(どちらか)
  • 仕事用PCでは送受信共にファイルスキャンをする
  • 仕事用PCで不審なサイトを訪問しない
  • 仕事用PCとセキュリティ対策のないスマホを連携しない
  • 仕事用PCはWi-Fiルーター接続する際にも注意
  • プリンタ・ウェブカメラ・ルーター全ての脆弱性を確認する

残念ながら、日本はまだITリテラシーが高くないので、Windowsのデフォルトのセキュリティしか使っておらず、セキュリティにお金もかけていないで、何か侵害を起こした場合、責任の所在は対策をしていなかった人の所にあると、判断されます。取引先のPCに侵害を起こしたら、その賠償は大変です。

 

逆に、こちら側の扱っている業務情報、個人情報の侵害が起きれば、それはそれで問題です。大切な作業データやセーブデータ、パソコンそのものを失う可能性もありますので、仕事用PCでは仕事のみ行うようにしましょう。仕事用PCでSNSを見るだけ(いっさいリンク先を開かない)であればまだ良いですが、不明な人のリンク先を開くようなことがあると非常にリスクがあります。

 

パソコンの操作者のセキュリティ意識とスキルも磨いて安全面には十分注意してください。

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Posted by Genussmittel管理者