2021年8月改正薬機法施行に向けた執筆ガイドライン【薬事法・ライティング】
2021年8月より開始される改正薬機法の施行に関連して、ライティングのNG表現とおそらくOK表現について解説致します。また、各用語の解説、ライティングの際の注意点、参考例などをまとめておきましたので、参考程度にご覧ください。
ここは、個人のブログですし、このまま進めると重たい空気になりそうなので、ここから先はCV:ナナミンでお届けします。CV:ナナミンを脳内再生しながらお読みください。
カンタン用語解説
ここでは関連する用語についての基本を解説致します。
「薬機法」とは
正式名称「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(eGOV法令)」のことを指します。
「医薬品」とは
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)
施行日: 令和二年九月一日
第二条
第二条 この法律で「医薬品」とは、次に掲げる物をいう。
一 日本薬局方に収められている物
二 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等(機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下同じ。)及びこれを記録した記録媒体をいう。以下同じ。)でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)
三 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)
処方箋医薬品(医療用医薬品とほぼ同等|医師の診察や薬剤師の判断を伴う)と一般用(OTC)医薬品(薬局で手に入る)があります。病気の治療や予防を目的として使用する薬品で内服薬、外用薬、注射剤などに分類されます。
一般用医薬品には以下のようなものがあり、薬剤師が対応していればネット販売が許可されるものです。
- 第一類医薬品(胃腸薬・育毛剤等|ガスター10・ロキソニン・アレグラFX)
- 第二類医薬品(風邪薬・解熱鎮痛剤等|キャベジン・ツムラ漢方類)
- 第三類医薬品(整腸剤・ビタミン剤等|サロンシップ・イソジンうがい薬)
などに分けられ、一般用医薬品(OTC医薬品)の中では、第一類が最もリスクが高く、第三類が最もリスクは低いです。利用して変化がない場合は医師や薬剤師に相談することを明記する必要があります。
厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000031khv-att/2r98520000031kti_1.pdf
「医薬部外品」とは
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)
施行日: 令和二年九月一日
第二条
2 この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。
一 次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
ロ あせも、ただれ等の防止
ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛
二 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
三 前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物(前二号に掲げる物を除く。)のうち、厚生労働大臣が指定するもの
医薬品と化粧品の中間に位置するもので、薬剤師がいなくても販売できるものです。予防と衛生を目的とするもので、
- 歯磨き粉
- 薬用化粧品
- ビタミン剤
- あせも用剤
- パーマ・ウェーブ剤
- ひび・あかぎれ用剤
- 生理処理用品
- 育毛剤
- 日焼け止め
が、この医薬部外品に該当します。
厚生労働省:医薬部外品添加物規格集
「化粧品」とは
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)
施行日: 令和二年九月一日
第二条
3 この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。
一般用医薬品や医薬部外品よりも効果がさらに緩やかで、作用が少なく、見た目を美しく保つのを助けるものを化粧品と呼びます。
- ファンデーション
- リップ
- アイライナー
- アイシャドー
- 化粧水
- 保湿液
などが化粧品に該当します。
「医療機器」とは
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)
施行日: 令和二年九月一日
第二条
4 この法律で「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。
医師の使用する本格的なものから、一般人でも利用するものまであり
- 救急絆創膏
- 体温計
- 血圧計
- コンタクトレンズ
- 補聴器
などが含まれます。非常に数が多く、細かくカテゴライズされて適切に運用されるよう業界でも規制が行われている場合があります。
「再生医療等製品」とは
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)
施行日: 令和二年九月一日
第二条
9 この法律で「再生医療等製品」とは、次に掲げる物(医薬部外品及び化粧品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。
一 次に掲げる医療又は獣医療に使用されることが目的とされている物のうち、人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの
イ 人又は動物の身体の構造又は機能の再建、修復又は形成
ロ 人又は動物の疾病の治療又は予防
二 人又は動物の疾病の治療に使用されることが目的とされている物のうち、人又は動物の細胞に導入され、これらの体内で発現する遺伝子を含有させたもの
一般的にはほとんど使用されませんが、遺伝子や細胞を使って行うものを指し
- 点滴静注
- がん治療
がこれに当たります。一般の健康な方が使うことはほとんどありません。
課徴金について
以下、誤解のないよう、該当箇所を引用します。
① 対象行為:医薬品、医療機器等の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する虚偽・誇大な広告(第1項)
② 課徴金額:原則、違反を行っていた期間中における対象商品の売上額 × 4.5%(注) (第1項)
③ 賦課:対象行為に対しては課徴金納付命令をしなければならない。(第1項)
・ 業務改善命令等の処分をする場合で保健衛生上の危害の発生・拡大への影響が軽微であるとき等には、課徴金納付命令をしないことができる
(第3項)・ 課徴金額が225万円(対象品目の売上げ5000万円)未満の場合は、課徴金納付命令は行わない(第4項)
(注)過去の虚偽・誇大広告違反の事例を踏まえれば、対象となる虚偽・誇大広告違反は主として医薬品・医療機器の製造販売業者により行われることが
想定される。このため、医薬品・医療機器製造販売業者の売上高営業利益率を参考に、算定率を設定した。④ 減額:以下の場合に課徴金額を減額
・ 同一事案に対して、不当景品類及び不当表示防止法の課徴金納付命令がある場合は、売上額 × 3% (※ 景表法の課徴金算定率) を控除
・ 課徴金対象行為に該当する事実を、事案発覚前に違反者が自主的に報告したときは50%の減額
⑤ 除訴期間:違反行為をやめた日から5年を経過したときは、課徴金を賦課しない。
厚生労働省|課徴金制度導入の経緯
課徴金の対象行為は次のとおりです。
- 虚偽・誇大広告等
- 承認前医薬品等の広告
- 顧客を誘引する意図がある
- 特定医薬品等の商品名が明らかである
- 一般人が認知できる状態である
また、課徴金が課されるのは
- 売上が5000万円以上ある
- 世間に与える影響が大きい
場合で、売上がほとんど出ていない場合は課徴金納付対象からは除外されますが、警告等は入ります。また目的が虚偽広告・誇大広告の抑止なので、それに反する行為が悪質な場合は、別件が動くものと予測しておいたほうが良いでしょう。
広告主の大きなリスクについて
広告主Aが、ASP経由で出稿を依頼し、提携したサイトB及びCがあるとします。このサイトBにおいて誇大広告があり、サイトCについては問題がないとします。この誇大広告が掲載され続けていた期間にも、広告主Aは売上を上げている実態があれば、5000万円以上の売上が出ている場合、広告主Aは課徴金を支払う義務を負う可能性が出てきます。サイトCでは違反はないため、この場合の課徴金を誰が支払うのか、争いに発展する可能性があります。
サイトBが違反をしていたので、サイトBの運営者に対して課徴金を一部負担させる旨の訴訟が起こされる可能性があります。また、広告主は当然課徴金納付義務が発生すると、売上の一部とは言え、納付義務が生じて、社会的な信用にも響きます。課徴金対象期間は「課徴金対象行為をやめてから最後に当該取引をした日までの」最大3年間です。過去に遡って適用されるのかどうかは、当方では確認していません。
課徴金納付対象でなくとも、行政処分、措置命令などを受ける可能性はあります。
厚生労働省|課徴金制度の導入について
https://www.mhlw.go.jp/content/000609186.pdf
該当範囲と表現事例
今回、2021年8月からの改正薬機法で、1つ、注目されているのは、以下の項目です。※なお、第六十八条については、二~二十五までの追加の記載がありますので、各位詳細を確認の上、厳正に対応してください。
引用ここから
第十章 医薬品等の広告
(誇大広告等)
第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
3 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。
(特定疾病用の医薬品及び再生医療等製品の広告の制限)
第六十七条 政令で定めるがんその他の特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品又は再生医療等製品であつて、医師又は歯科医師の指導の下に使用されるのでなければ危害を生ずるおそれが特に大きいものについては、厚生労働省令で、医薬品又は再生医療等製品を指定し、その医薬品又は再生医療等製品に関する広告につき、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告方法を制限する等、当該医薬品又は再生医療等製品の適正な使用の確保のために必要な措置を定めることができる。
2 厚生労働大臣は、前項に規定する特殊疾病を定める政令について、その制定又は改廃に関する閣議を求めるには、あらかじめ、薬事・食品衛生審議会の意見を聴かなければならない。ただし、薬事・食品衛生審議会が軽微な事項と認めるものについては、この限りでない。
(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止)
第六十八条 何人も、第十四条第一項、第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二の二十三第一項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第十四条第一項、第十九条の二第一項、第二十三条の二の五第一項、第二十三条の二の十七第一項、第二十三条の二十五第一項若しくは第二十三条の三十七第一項の承認又は第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。
引用元:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000145
引用ここまで(※誤解やミスを予防する目的で関係する部分を全て引用しています。)
OK・NG表現例
以降、今後数年、十数年のリスクを最小限にするための、また、当方の職域柄把握している内容を含めて、注意して先手を打って対策しておいたほうが良い点記載致します。今一度、当ページ規約をご確認の上、読み進めてください。
総合的に気をつけること
執筆する際に気をつけることは以下の通りです。
- 名称で誤解を招かないようにする
- 断定・言い切り表現を使わない
- 査読済み論文で検証可能な掲載がない効果は記載しない
- リスクや改善策を記載する
- 紛らわしい表現・名称は使わない
- 小さい字句での記載はNG
基本的には、これらを守りながら執筆を進め、執筆後に問題がないか確認、校正、編集を行うのが良いでしょう。
取り扱う商品の名称について
以下のような名称・表現の商品は執筆時に取り扱いを避けると無難です。
- 超絶・ウルトラ・ミラクルという名称を含む(例:「超絶元気補給剤」など)
- 特定の効果を標榜する名称を含む(例:「口臭予防クリームZ」など)
- 特定の成分を名称に含む(例:「むくみ予防カリウムン」など)
- 安全性を過剰に標榜するもの(例:「超安全防護化粧水」など)
- 英字・ローマ字のみで分かりにくいもの(例:「EXCELWHITY」など)
- 誇大・虚偽を含むもの(例:「世界一白くな~る」など)
これらの名称の商品は、その名称の時点で誇大・虚偽に当たるため、課徴金納付義務の対象となる可能性が高いです。執筆者やサイト運営者にも責任が及ぶ可能性はゼロではありませんので、取り扱いを検討しましょう。
基本的にOKな表現
以下にある表現は、過剰に効果・効能を標榜しない限りは使用しても良いとされるでしょう。ケースバイケースの場合はありますので、記載するものによって判断を変更してください。
- ~を防ぐ(※むやみに使わないこと)
- ~を予防する
- ~をしなやかにする
- ~するのを助ける
- ~な状態を保つのを助ける
- ~の保護を助ける
- ~を整える
- ~を清浄にする
- ~しやすくする
- ~を補う
- ~を保つ
- ~を柔らげる(~をやわらげる)
- ~を目立たなくする
- 皮膚の乾燥を防ぐのを助けて、小ジワを目立たなくする
- 小顔にみえるのを助けるメーキャップ効果
- 汚れが落ちて、スッキリする
- くすみの原因にもなる古い角質層による汚れを洗い流す
- くすんだ肌を明るい肌へ仕上げるのを助けるファンデーション
- メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ
- 日やけによるしみ・そばかすを防ぐ
各商品によって、使って良い商品を受けている効果効能の表現というものが存在します。承認を受けていない表現を使用するのはNGです。商品によっては「しばり表現」がありますので、その商品の効果効能以外を謳うような表現、また、しばりを分からなくするような表現はNGです。
効果があることが明確で、限定的な場合は、その効果のみを、誇大にならない範囲の適切な表現で伝えるようにしてください。
出典及び詳細:https://www.jcia.org/user/common/download/business/advertising/JCIA20200615_ADguide.pdf
メイク関連たぶんOK表現
ここではおよそ大丈夫であろうメイク・化粧品関連の表現をまとめておきます。これらはほぼ抽象的で個人の感想レベルの表現なので問題にならないはずです。
- めちゃくちゃかわいい/きれい
- 楽しくなった
- 性癖に刺さる
- ~な印象に
- リピ買いしたくなる
- 私的に使いやすい
- 毎日使っている
- 私的に理想の色
- よく分かんないけど、なんかいい
- ブルベ/イエベによく合う
- ひんやり気持ちいい
- バッグに入れて持ち歩ける
- テンション上がった
これらに共通するのは、個人の感想でしかない点です。正式にレビューする場合にはカラーコードや自身のお顔すっぴんとメイク後を動画で見せるくらいはしないといけないですが、一般的な感想であればこうした表現なら大丈夫です。ただし、後に述べるように「効果があった/絶対/確実に/治った/治したいなら」のような治療や癒やし、効果の断定を少しでも入れたらNGです。
既にNGな表現
以下のような記載は、既にNGな表現・行為として周知されていますので、使用しないこと。
- 最高・最先端・近未来
- 当社にしかできない
- 当社だからできた
- 科学の集大成によりできた
- 秘伝のレシピによって
- 海外で大人気の!
- 割引は今だけ!(タイムカウンターなどで焦らせるもの)
- 配合成分数のみを標榜する記載(120種類配合!などはNG)
- 低刺激・刺激ゼロ
- 赤ちゃんでも安全
- コンプレックスを煽るもの
- 医師・監修者の推奨を載せるもの
- 広告に特許取得を明記する
- 疲労回復・治癒を謳う表現
- 「浸透」という単語を使った表現
- 「細胞」という単語を使った表現
- 「実感」という単語を使った表現
- ~専用、~用という表現
- 作用範囲があいまいな表現
- ダイエット可能であると謳う表現
- デトックスを謳う全ての表現
- 医師・薬剤師を真似した服装の画像使用
- 研究者を白衣で広告に登場させるもの
- 体の構造変更を伴うような表現
- 若返りが可能であるかのような表現
- 購入者の98%がリピートした等
- 口コミサイトで評価が高かった
- 治せてよかった
- マスク荒れ対策に
- 悩み解決型コスメ
- ~を叶えてくれる
- ~不要で
- ~に効いた
- これ一本で全部OK
- もう他はいらない
この他にも、誤解を招くもの、その商品の効能として認められていない、または、それ以上のものを謳う表現はNGです。
ステマ及び体験談の禁止
基本的に、一般人、個人、インフルエンサー、有名人、タレント関係なく、体験談を記載して効果が十分にある、と記載するのはNGです。利用者の感謝の言葉やお手紙の掲載も、著名な科学者を謳った人物からの「自信ある推奨」などもNGです。
(2) 認められない表現の範囲
・効能効果又は安全性についての使用経験又は体験談の表現。
・虚偽あるいは第三者の創作による表現。
・使用感等についての過度な表現。
・体験談を自己の都合のよいように編集・抜粋した表現。
・関係者に特に依頼した体験談であるのに、一般の利用者の体験談であるかのように表示している場合。
(2) 認められない表現の具体例
・肌が明るくなったのでビックリしました。(スキンケア化粧品)
・眼の下の小ジワにうれしい変化が!
・キメが細かくなって、チョット嬉しくなるくらい効果が実感できました。
・こんなにハリがでるなんて。
E20|「使用体験談」の表現の範囲
引用元:https://www.jcia.org/user/common/download/business/advertising/JCIA20200615_ADguide.pdf
体験談の記載をどうしても入れたい場合に許容される(完全にOKというわけではない)のは
- 使用方法の解説
- 使用感のみ
- 香りや色味の表現のみ
について個人の感想の範囲で述べるものだけです。それ以上の効果や、効果に関する個人の感想を記載するのはNGで、極力避けてください。
対象となる広告媒体
平成29年9月29日、厚生労働省発表の「医薬品等適正広告基準の改正について」において
新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト及びソーシャル・ネットワーキング・サービス等のすべての媒体における広告を対象
との記載があります。雑誌、テレビ、ウェブサイト、SNS、メルマガ、オンラインサロン、個人、法人など「全ての媒体」での「広告」が対象です。
懸賞による広告の制限
平成29年9月29日、厚生労働省発表の「医薬品等適正広告基準の改正について」において
11 懸賞、賞品等による広告の制限
(1) 過剰な懸賞、賞品等射こう心を煽る方法による医薬品等又は企業の広告を行ってはならない。
(2) 懸賞、賞品として医薬品を授与する旨の広告を行ってはならない。
ただし、家庭薬を見本提供する程度であればこの限りではない。
(3) 医薬品等の容器、被包等と引換えに医薬品を授与する旨の広告を行ってはならない。
との項目があります。SNSなどで過剰に懸賞を行い、射幸心を煽って「医薬品等」を宣伝する行為はNGだ、ということです。
動画内でおそらく喋っても大丈夫な内容
以下のような表現や言動はおそらく問題はないと思います。
- 商品名の紹介
- 購入できるショップの紹介
- 使い方の実演と解説
- 重ね使いによる様子の実演
- におい・色合い・触覚の感想
- どんな時に使おうと思えるか
上記の内容は、体験談としておおよそ問題のない範囲(※美白・アンチエイジングなどは詳細な注意が必要)ですが、効果や効能があったかのような話をするのはNGです。
例えば、特定の化粧品の使い方を実演して、においなどの感想を述べた後、明るさや色の異なる照明を自身に当てて、違いを確かめてみるとか、は、やって大丈夫だと思います。また、デートの時に使おうと思う、とか、ビーチに行く時に使おうと思うとか、を感想の範囲で言うのも大丈夫かと思います。
NGなのは以下のようなタイプの動画・アニメーションです。
- それを使ったらモテた・変化した系のイメージビデオ・アニメ
- それを使ったら人生うまくいった系のイメージビデオ・アニメ
- コンプレックスを煽る系のイメージビデオ・アニメ
- 時間制限を設けて焦らせる系の動画・アニメ
- 医師・薬剤師が肩書きを利用して推奨する動画・アニメ
- その他、肩書きを利用して宣伝する動画・アニメ
- フォロワー数やリピーター数を記載して宣伝する動画・アニメ
基本的にこうした内容でのアプローチは如何なる場合もNGです。
おもしろいコンテンツにするには?
正直な所、規制が激しすぎると、商品を紹介する記事や動画を作れなくなってしまうかもしれませんが、それは作る側の傲慢というか、怠慢です。今まで安易に、簡単に大衆を「騙して釣り」商品を売り込んでいたのが、そもそも間違いなので、この機会に改善しましょう。
大前提として、化粧品や医薬品、医薬部外品は、一般人が一般人に推奨・宣伝するものではありません。個人がそれぞれに自身で判断して、または、判断できるように勉強して選ぶものです。
ある程度、おもしろいコンテンツにするためには
- 紹介者自身のキャラを濃くする
- 何も喋らないで映像技術等だけで紹介する
- 自作映画のなかでこそっと登場させる
など、既に海外のインフルエンサーなんかがやっているやり方をリスペクトしつつ、オリジナリティを出しながらやるのがよいかと思います。マネをすると、今度はそっちの界隈で、パクリだと指摘を受けて炎上するでしょう。
一切の言葉による表現を諦めて、ただただその商品をかっこよく、または、かわいく撮影することだけ考えたものなんかは、イメージビデオの段階で効果が想像されるものでなければ問題ないでしょう。また、数億年生きてる大魔王のコスプレして、すんごい方言なまりで、使い方だけ紹介するのも、特段問題はないです。
また、きちんとPR表記が必要になりますが、自主制作の映画の中で、演者がその商品を使っている、という形式はおそらく大丈夫でしょう。ただし、その商品を使った効果を謳うような体験談を言わせてはダメなので、ただシーンの中で使ってただけに留めるようにしましょう。たぶん、大丈夫です。自主制作映画の後援とかスポンサーとかとして最後にクレジット入れれば問題はないかと(広告主との連携・許可は重要)思います。
出典・参考
医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179263.pdf
改正薬機法の施行に向けた対応状況について
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000757927.pdf
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令の公布について
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5248388.pdf
医薬品等の注意事項等情報の提供について
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5248392.pdf
「製造販売業者及び製造業者の法令遵守に関するガイドライン」について
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5224572.pdf
日本化粧品工業連合会|化粧品等の適正広告ガイドライン
https://www.jcia.org/user/common/download/business/advertising/JCIA20200615_ADguide.pdf
本ページ規約
当方は薬機法関連の執筆について、新規の依頼を受け付けておりません。
当ページに記載されている表現例の他、一部、及び、全部を、作業マニュアルや内部資料、公開記事として転用、悪用する事象を当方はindex/noindex/online/offline関係なく自動検知可能です。
発見次第、当方から連絡をした場合に限り、使用料を時価(言い値)で当方に支払うことに了承しているものとします。
個人・法人専属のウェブライターや商品広告の参考に活用し、世間一般、及び、大衆のためになる良質な記事を作る目的での運用であれば、マニュアル等に転用を除き、執筆の助けとする場合のみにおいて、当ページを活用することを許可しますが、当方の一存で変更する場合があります。
当ページを参考にして執筆された如何なる記事・文章に対しても、当方は一切の責任を負えませんし、負いようがありません。
一般のライターが、当ページを参考にして、執筆を進めることに関しては、特段問題はありません。作業マニュアルなどへの転用は全てNGです。
業界の健全化のために、何卒、ご協力のほど、よろしくお願いします。
※当ページにおいて、法律条文を引用しております。引用元URLは極力記載しておりますが、不足や誤植があった場合、発見次第修正致します。また、記載した出典・参考URLには大切な意味があります。ページ内に書いてあることだけが全てではありませんので、各位、責任を持って情報収集、対応の程、よろしくお願いします。
要約すると「悪用しないでね」という意味です。