SNS「Threads」のプライバシー・個人データの安全性
MetaのSNS「Threads」のAppプライバシー「ユーザに関連付けられたデータ」が一部で話題ですが、TwitterもInstagramもFacebookもそれほど深刻な関連付けとは言えず、iPhoneそのもの、パソコンのブラウザなどのプライバシー関連データを考慮すると「Threads」やInstagramの個人データだけ気にしても意味はありません。
結論:どれもあまり変わらない
「Threads」や「Instagram」だけ個人データの管理がヤバいのではなく、TwitterもTikTokもYouTubeもなかなかです。どれも似たりよったりなので比較して良し悪しを考えるのはまずナンセンスです。関連付けされるデータもトラッキングされるデータも両方とも意識して不安にならずに済むサービスを選びましょう。
「Threads」の個人データ関連付け
「Threads」は、運営がInstagramなので個人データの関連付けも同じです。
- 健康とフィットネス(歩数や位置情報に関連)
- 購入(アプリに課金要素があれば)
- 財務情報(アプリに課金要素があれば)
- 位置情報(Instagramにある機能に関連)
- 連絡先情報(アカウント作成に関するモノ等)
- 連絡先(Instagramの紐づけ)
- ユーザーコンテンツ(自分で投稿するもの、または、写真)
- 検索履歴(アプリ内での検索)
- 閲覧履歴(アプリ内でのTL閲覧)
- ID(Instagram連携なので当然)
- 機密情報(人種・宗教・政治・家族構成等)
- 使用状況データ(アプリの使用状況)
- その他のデータ
- 診断
が関連付けられる場合がある、と書かれており、必ず全てのデータが関連付けできるわけではありません。上記に示した通り、収集されてもしょうがないもの、実害には及ばないものもありますので、過剰に怯えても意味はありません。
App StoreでのAppのプライバシーに関する詳細情報の表示
https://developer.apple.com/jp/app-store/app-privacy-details/
各項目はそれぞれご自身で確認してください。
Threadsのプライバシーはさほど心配ない
「Threads」を使っても、クレジットカード情報は関連付けできないし、アプリ側からはアクセスできないです。あなたが日本のリージョンで、日本語で投稿していれば日本人だろうと判断されます。
興味や関心からある程度の収入も想定されます。あなた自身がSNS上で自撮りをアップしなければよく、個人の特定に及ぶような情報を発信しなければいいだけです。これは「Threads」に限らず「Twitter」も同じです。
InstagramとFacebook(または、Facebookページ)が紐づいていて、Facebookの情報がInstagramに連携されていれば、それがThreadsにも反映される可能性はありますが、自身で連絡先の共有をせず、スマホの「連絡先」情報をFacebookに連携しなければいい(普通はしない)だけです。
これはTwitterでも同じ仕組みなので、Facebookに限らず、TwitterでもYouTubeでも心配することは同じです。
どうしても心配な方は、LINE、Chatwork、Twitterを含む全てのSNSやチャットツールを使わないでください。
※無料で使えることの対価が何もないと運営側も無理なので、苦肉の先で広告配信等があるのですが、無料で何でも使わせろ、個人データも持ってくな、ではビジネスは回りませんので無理です。今さらどうしようもないのです。
「Threads」アプリは、サイズが240.7MBで、投稿する人のコンテンツによってはお酒や煙草に関するもの、投稿内容によって年齢制限は12+、日本語にも対応しています。Instagramとほぼ同じです。
「Twitter」の個人データ関連付け
2023年7月時点で「Twitter」には、「Threads」には記載がない「ユーザのトラッキングに使用されるデータ」の項目があります。
- 購入
- 位置情報
- 連絡先情報
- ユーザーコンテンツ
- 閲覧履歴
- ID
- 使用状況データ
Twitterは他者のアプリやウェブサービスとの連携で、上記の情報をトラッキングする場合があるという記載があります。「Twitter」の個人データのトラッキングに関しては「Threads」よりも気にすべき点です。
「Threads」にある「ユーザに関連付けられたデータ」は、そのアカウントに関連付けされるだけの事で、他社サービスなどにトラッキングまではされないですが、Twitterは容赦なくトラッキングがついているので、実はこちらの方が心配です。
FacebookとInstagramの場合
「Threads」の個人データ管理は、FacebookやInstagram同様になる可能性があるため、これらと同じになると考えておくのが賢明です。
これらの情報は、アカウントと関連付けて、収入、人種、国籍、興味関心、プロファイルなどをまとめて広告表示やおすすめするコンテンツに生かされるものです。iPhone、Android端末を持っているだけでこのくらいのデータはその時点で収集されており、「Threads」だけを心配する意味はありません。
YouTubeとTikTokの場合
YouTubeやTikTokも同じようなもので、Twitterで「Threads」が心配だと言っている人はYouTubeやTikTokも使いたくないはずですし、Amazonプライムビデオなどの動画配信サービスも使いたくないはずですし、当然「Twitter」アプリのトラッキングにも怯えているはずです。
トラッキングや関連付けは手遅れ
ブラウザに「Brave」を使用しても、YouTubeやTwitterを使っていればその先でトラッキングや個人データの関連付けは行われます。iPhoneやAndroid端末、中華製の端末やマイナーな格安スマホなどを使用していればそこからもトラッキング、個人データの関連付けがあります。
あなたが仕事で使う
- Chatwork
- Googleドライブ
- 訪問したウェブサイト(Thirdparty Cookie等)
- テレビ放送の視聴
- クレジットカードの使用
- LINEやWhatsAppの利用
- Gmailや会社のメール
などでもトラッキングや個人データの関連付けがされています。一部のTwitterユーザーが「Threads」にだけ怯えるのは単なる僻みといちゃもんでしかなく、同じ発言はそのままYouTubeにもGmailにも適用しないといけません。Threadsを使うかどうか決めるのは個人なので、勝手にすれば良い話ですが、個人データの関連付けを理由にすると他のアプリも使えなくなるので、恥ずかしい発言になっていないか気をつけましょう。
SNSとしては「Threads」の個人データの関連付けは普通レベルで、TwitterもYouTubeもそれほど変わりありません。
少しでも漏洩を減らす方法
まずは、ご自身でレンタルサーバーに登録し、メールサーバーを開設して、そのメールでFacebook、Instagram、Gmailを作りましょう。
各SNSやウェブサービスに登録する用のプロファイルを仮作成をして、漏れる前提の実在しないあなたをSNSに作り出してください。
スマホやネット通販ではクレジットカード決済をせず、可能な限り現金取引でログが残らないようにしてください。
SNSを使う端末は、SNS専用にし他のことには使わず、インターネットにアクセスする際にもアクセスポイントを固定し、自宅や近所ではインターネットにアクセスしないでください。
SNSは投稿は行わず、見るだけにし、コメントや写真の投稿もやめてください。EXIFや映り込みで色々漏れます。
で、ここまでしてもあなたの興味関心や人間としての属性、だいたいどこに住んでるかはバレます。完全に個人データを遮りたければテクノロジー社会に触れないでください。それくらい既に手遅れな状況ですので、SNSのアプリ程度のもので個人データを気にしてもムダです。