【頭の体操】音ゲーはなぜ人気なのか?子どもにやらせて大丈夫?【ゲーセン】
近年のゲームセンターに必ずといっていいほど導入されている「たいこの達人」を筆頭にした音ゲー。今この音ゲーが若者にやたら人気がありますが、教育に携わる学習塾講師目線も含めてその理由を分析しました。音ゲーはむしろ学生にも高齢者にもおすすめできるすばらしい要素が含まれていたので、この機会にチャレンジしてみてください。
結論:一昔前のテトリスと同じ
タイミングよく操作してぴったり合わせるということに関しては、テトリスも音ゲーも全く同じだ。
流れてくるものに合わせるスタイルは、哲学的な面では麻雀にも似ている。麻雀はその時の引き方に合わせて上がりを変えるのが一番無難で、音ゲーはその流れのスパンが短くて早い。
瞬発力が求められる作業だ。
テトリス同様、音ゲーにも勝ちパターンがある。大好きな曲は完璧に叩けるようになるまで繰り返し、お金をかけて練習し、YouTubeの上手い人の動画で学び、ゲーセンで実践する。この姿勢はとても素晴らしく、テトリスに比べて学ぶことが多いのも良い点だ。
頭の体操とリズム感習得におすすめ
音ゲーは画面の上、または右からとあるマークが音楽のリズムに合わせて流れてくる。指定されている場所にそのマークが流れてきてちょうど重なった時にボタンを叩けばOKなのだ。
これが1曲えんえんと繰り返される。一般的な音楽は1曲3分から4分位で、その時間、ずっと画面、譜面を見て集中し、タイミングを合わせてリズムを取ることになる。
音ゲーが好きな人は、これを1曲だけでなく、5曲も10曲も楽しむ。太鼓の達人はたいてい100円で3曲遊べるので、概算100円で10分音楽を楽しみながら集中することになる。
小休止を挟めるにしても子どもが10分も一点を見つめて集中してリズム感を鍛えている光景はちょっと微笑ましいし、その子にとっては意外とプラスになっているのだ。
好きな曲で堂々とノレる
日本人の多くは恥ずかしがり屋さんが多く、人前では特に、大好きな曲でもあまりノリノリで手拍子したり、ダンスしたりするのが苦手だ。
しかし、音ゲーの前であれば、大好きな曲のリズムに合わせて、ドラムを叩くような感覚でその音楽にノレる。踊るのが恥ずかしくても、音ゲーなら恥ずかしくなく音楽を楽しめるわけだ。
しかも、難しい譜面をクリアしていれば、ちょっとかっこいいと言う自己満足と同じく、音ゲーユーザーからの羨望の眼差しを得られる。
体を動かすのが苦手で、ひと目がちょっと気になってしまって、ダンスまではできないという方も音ゲーなら自分らしさを出せるというのが人気の理由の一つだ。
よく知られている音ゲー筐体まとめ
ここで軽く音ゲーがどんなものなのか写真付きで見せておこうと思う。私が実際に遊んだことがあるのは、太鼓の達人だけだ。
今はこんなにも多くの音ゲーが出ているので、興味があったらあなたもちょっと遊んでみると良い。たった100円かそこらで結構楽しめる。
- 太鼓の達人
- シンクロニカ
- 初音ミク Project DIVA Arcade
- グルーヴコースター
- マイマイ
- チュウニズム
- ビートマニア
- ポップンミュージック
- jubeat(ユービート)
- crossbeats REV
- MUSECA
- REFLEC BEAT
- SOUND VOLTEX BOOTH
- シアトリズム
- ノスタルジア
- ラブライブ(スクフェス)
- ダンスダンスレボリューション
- ダンスエボリューション
- Guitar Freaks V8
- Drum ManiaV8
- GITADORA
最近のゲーセンのお金事情
ここでちょっとだけゲーセンの収益について知っていることをまとめてみる。音ゲーは果たして利益になるのか、簡単に考えてみよう。
まずは1回あたり100円でプレイできることを前提に、1人あたり10分かけて遊んでいくと仮定してみよう。すると、1時間あたりの収益は600円とそこまで稼ぎにはならないように思える。
お客さんが途絶えずに、音ゲーの稼働時間が一般的な営業時間10:00から18:00まで続いたとすると8時間かどうすることになるので1日あたり4800円の売上になるわけだ。
これが1カ月30日続けば、144000円の売上につながる。ちなみに音ゲーの筐体1台だいたい60万円から100万円なので、1年間稼働させればもとが取れて728000円の売上につながる計算になる。
実際は四六時中稼働されるわけではないので、実質これの20%から60%くらいの金額が実際の売上だ。台数と稼働率が上がればもっと増える。
音ゲーを遊ぶのは小中学生、高校生、大学生がほとんどなので、ゲーセンの昼間はほとんど収益につながらない。
ただし、筐体を置いて1年から2年も経てばもとは取れるのであとは継続して稼働させていけばずっと売上が発生し続ける。
筐体一台あたり年間約70万円の収益になる場合、音ゲーの筐体が5台もあれば単純計算売上は350万円だ。
もちろん、そこから電気代と場所代、人件費を差し引いた分、本部に支払うお金を考えるとだいぶ減ってしまうけれど、ほぼずっと置きっぱなしで、監視をそこまでしなくても安全に遊んでくれる音ゲーはやはりお店にとってはおいしい。
音ゲーの魅力とメリット&デメリット
UFOキャッチャーのようにセッティングの手間がなく、接客もほとんどしなくていい。新曲の追加や新台の追加、掃除やメンテナンスだけでOKなので、スタッフの少ないゲーセンでは音ゲーが稼ぎ頭になる。しかも、音ゲーする人たちはゲーセン客の中では、マナーがやたらいい。
音が出て、他のゲームプレイや他のお店の迷惑になったり、雰囲気を壊したりしてしまうのは欠点だが、ゲーセンにとって音ゲーは欠かせないものになっている。小学生から大学生まで、まんべんなく遊べるのだから、ターゲットに制約がつかないのも魅力的だ。
お姉さんのフィギュアを手に入れるUFOキャッチャーでは、ターゲットが限られる上、お金に余裕がある高校生から大学生くらいがメインターゲットで、そうした人口は悲しいことにとても少ないのだ。
大きなぬいぐるみやキャラものでもターゲットは絞られるが、音ゲーはプレイ人口は少ないが、余計なターゲット選定が必要ない。
スマホアプリでも音ゲーを遊べる
音ゲーはなにもゲーセンにあるものだけにとどまらない。今や当たり前になっているスマホアプリの音ゲージャンルにもたくさんのゲームがリリースされている。
たいてい無料でダウンロードできて、クリアしていくと曲が追加されたり、500円から1000円で全曲遊び放題になるものもあり、ゲーセンよりスマホの音ゲーのほうが遊び放題できる。
画面の小ささが気になるが、イヤホンをつけて自分だけの時間に浸って楽しめるのはスマホの音ゲーならではの魅力だ。
なにより継続して遊ぶ場合のコストがゲーセンで遊びまくる場合に比べて大幅に低いため、最近はスマホの音ゲーのほうが人気が高く、逆にゲーセンが嘆いている状況だ。
スマホの音ゲーアプリとゲーセンの音ゲーが連携しているものもあり、最高スコアの更新なんかができるものもあって、全国の同じ音ゲーユーザーと競って楽しめるようなものもある。最近の若者の自己満足を満たすのはこういうハイスコア争いなんかだったりする。
このスマホアプリの音ゲーは残念なことに要求スペックが大きいので、iPhone6以降の端末に相当するものでないと十分に遊べないことも多い。
プレイ中に通知が来るとプレイがうまくいっていても強制的にフリーズが入るので、フルコン失敗するなどちょっと気をつけないといけない設定なんかもある。
子どもが音ゲーしたいと言ってきたらどうすればいい?
何事もまずはやらせてあげよう。UFOキャッチャーや鉄砲でバンバン売って遊ぶゲームよりは、よほどセンス磨きになるし、頭の体操になるし、音感もリズム感も身について、幼い子ならば、自分の体の動かし方や頭の使い方が新境地に達するはずです。音ゲー、やってみればわかるが、なかなか勉強になることある。
1回プレイしたとしてもせいぜい100円、専用のカードを作ったとしてもせいぜい300円から500円くらいだ。
スマホアプリの音ゲーでも良いならば、ゲーセンまでいかなくてもアプリで音楽を肌で感じさせるのは割りと意味があるのでやらせてあげよう。
もちろん、本物のピアノやギターなどに触るほうがおもしろさはある。
ただし、いきなりピアノ演奏を学べるほど、ピアノ教室は多くはなく、自分で音を奏でるというのは非常に難易度が高く、教室でも譜面に沿って演奏していくのでお上品なゲーセンと大差ない部分がある。
音ゲーを通じて音楽に興味を持って、ピアノやドラムをやってみたいと思ってくれれば、音楽関係者(当職作曲もするぞ)としては十分嬉しいものだ。
やりすぎとプレイ環境には注意しよう
ゲーセンで音ゲーを楽しむ場合、マナーを分かっている人は手袋をしてプレイしている。これは滑りを良くする目的もあるが、衛生的にも雑菌がつきにくくなり、筐体も傷つきにくくなる。
ゲーセンで遊ぶ時は、あまり手袋の有無は気にしなくていいが、本気でやるなら遊び方やマナーを守り、100円ショップの手袋で良いので、安全に遊ぼう。
スマホの音ゲーアプリで遊ぶ場合は、長時間プレイせず、明るい場所で時間を決めてプレイすること。
ブルーライトによる目の疲労とストレス、指の疲れが重なってしまうと良いことは何もない。スマホの画面をばんばん叩くことになるので、爪もしっかり切って画面を割らないように気をつけよう。
音ゲーを楽しんでね
当方、学習塾の経営者として、1人の意見としては、音ゲーはそれぞれマナーやルールを守って楽しく遊ぶ分には、なんのデメリットもない。
むしろ頭の体操になるので、限度を知りつつどんどんやらせてあげたらいい。大金を注ぎ込んで遊びまくるのは間違いだが、たまに、音ゲーで遊んで息抜きするくらいなら許してあげよう。