ビオチンってなに?
今回はよくサプリメントに含まれているビオチンについて、その性質や化学的特徴、構造式や人体への影響があるのかないのかまとめました。学術論文での研究データをソースに情報をまとめていますので是非参考にしてサプリメント選びに生かしてください。
サプリメントのビオチンってなに?
ビタミン系のサプリメントによく含まれているビオチンはD-[(+)-cis-ヘキサヒドロ-2-オキソ-1H-チエノ-(3,4)-イミダゾール-4-吉草酸]とも言われるもので、ビタミンB7・ビタミンHと言われることもある物質なため、基本的に体に害があるものではありません。水溶性ビタミンなので、多く摂取した場合もすぐに体外に排泄されます。
ビオチンの特徴と性質
添加物のような名前なため、入っていて大丈夫なのかどうか不安に感じてしまうこともあるでしょう。しかし、欠乏症になることがほとんどない物質なのでビタミン系サプリメントには少量しか含まれていません。光、熱、酸性に対しては安定ですが、アルカリ性には弱いため、食事との組み合わせによっては吸収を悪くします。
未加熱の卵白食べ過ぎに注意
卵白に含まれているタンパク質「アビジン」は、ビオチンと結合しやすいため卵白の食べ過ぎ、とり過ぎでビオチン欠乏症を招くため、生卵の食べ過ぎには気をつけましょう。ただし、卵白を加熱している場合には「アビジン」とビオチンが反応しにくくなるので対策ができます。
ビオチンはししゃも、納豆、えのきに多く含まれる
ビオチンはサプリメントで摂取する必要はなく、納豆、えのきといったお手頃価格の食材から十分摂取できます。魚介類が好きな方はししゃもやアサリ、うなぎからでもしっかり吸収できます。ピーナッツやひまわりの種からも大量に摂取できるため、意識はしなくても全く問題はありません。
ビオチンの人体への影響
ビオチンは人の腸内細菌が生産できる物質なので、成人でも1日45μg摂取すればOKと言われています。このビオチンは栄養機能食品にしか含んではいけないと薬事法で定められており、サプリメント1錠に500μgまでしか含ませてはいけないとされています。
ビオチンは筋肉痛の原因になる乳酸代謝の促進、DNA合成のサポート、アトピー性皮膚炎の原因となるヒスチジンの排泄促進、ブドウ糖代謝、脂肪酸合成促進、アミノ酸代謝促進をしてくれます。ビオチンが不足すると髪の毛が抜けやすく、白髪が増える要因にもなるようです。
過剰摂取した場合の健康被害の報告例がないですが、それはやはり水溶性ビタミンということと、人間の体内の腸内細菌で生産されるということもあり、害が起こることはほぼないと考えて良さそうです。妊娠中に摂取しても特に健康被害は起こらないので、ビオチンというビタミンB7がサプリメントに入っていても気にする必要はありません。
Biotin.:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19319844
A Double-blind, Placebo-controlled Study Evaluating the Efficacy of an Oral Supplement in Women with Self-perceived Thinning Hair:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3509882/
Pharmacological effects of biotin.:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15992683
Biotin (Oral route):https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedhealth/PMHT0009294/
Biotin and biotinidase deficiency:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2726758/