フッ化ナトリウムってなに?安全性を学術論文から検証

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歯磨き粉に入っていたフッ素の成分としてこのフッ化ナトリウムがよく知られています。このフッ化ナトリウムは化学的に安全なのか、フッ素という不安定な物質、フッ化ナトリウムが人体に及ぼす影響を学術論文でリサーチしました。調査主は山梨大学工学部生命工学科を卒業し、生化学や生理学、生命工学、化学を専門としています。

 

フッ化ナトリウムの特徴と性質

フッ化ナトリウム(NaF:sodium fluoride)はフッ化物イオンの発生源として用いられることが多い物質で、以下の化学式に基づいてフッ化水素を発生します。モル質量は41.988173(g/mol)、水への溶解度は100g中4.0gです。

 

NaF+H2O→Na++OH+HF

 

フッ化ナトリウムの安全性については、NFPA704の青色:健康障害3が指定されており、短期間集中的に利用すると一時的な障害や後遺症を起こすことがあるというものです。特にフッ化物を摂取して身体に悪影響が出てくるのは、体重1kgあたり2mg、体重50kgあたり100mgをまるごと摂取した場合です。この量を摂取して起こるのは悪心、嘔吐、口渇、発汗などで死に至るほどの量ではありません。

 

参考:NFPA704

https://www.nfpa.org/codes-and-standards/all-codes-and-standards/list-of-codes-and-standards/detail?code=704

参考:フッ化物の安全性について

http://www.pref.nagasaki.jp/bunrui/hukushi-hoken/kenkodukuri/ha/58576.html

 

 

問題が起こる条件は過剰摂取と長期摂取

フッ化物を摂取していて起こるのは、斑状歯:歯牙フッ化物症、骨硬化症、嘔吐、口渇、発汗などです。斑状歯:歯牙フッ化物症になってしまうのは、子どもの成長期など顎の中で歯が生成されている時にフッ化物を摂取した場合です。子どもにフッ化物を摂取させない、フッ化物を触れさせなければよいため、これについては予防可能です。

 

また、骨硬化症は、長期間適量の10倍以上のフッ化物を摂取した場合に起こる症状です。バトラーエフペーストαには1450ppm(1.45mg/g)のフッ素が含まれており、90gの内容量があるこの歯磨き粉の場合はフッ化物の総量は130.5mgです。歯磨き1回でだいたい1.5g程を使用するため、1日1回の歯磨き時に口の中に入るフッ化物の量は

 

1450ppm×1.5g=2175ppm(約2.2g)

 

ということになります。フッ素入りの歯磨き粉を使用した場合も、歯磨き後には平均3回は口を水ですすぎますので、口の中で泡立った歯磨き粉はほとんど口の中から除去されます。問題はこの時にどの程度歯磨き粉が残留するかという問題でしょう。

 

3歳から6歳の子どもであっても、口の中に歯磨き粉中のフッ化物が残る割合は0.04mg程度といわれており、歯磨き後の口すすぎができる大人ならばこれよりも低い割合しか口腔内残留はないでしょう。そのため、体重50kgの大人がフッ化物摂取の軽度症状が発生すると言われている量100mgに比べると2500分の1ほどしか口の中に残留しないと判断できます。

 

フッ化物配合の歯磨き粉を1日1回、2回しか使用しない場合、きちんと口をすすいでいれば人体に悪影響が起こるほどのフッ化物を摂取することはできないでしょう。体重50kgの人がフッ化物による軽度症状を引き起こすのが100mg以上を一度に摂取した場合なので、バトラーエフペーストαをまるごと一本飲み込むくらいの事をしないとフッ化物摂取による症状はほぼないでしょう。

 

参考:フッ化物配合歯磨剤

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-007.html

 

 

微量の残留フッ化物が及ぼす影響はある?

体内に吸収されてしまうフッ化物は、胃腸から速やかに吸収され、30分から60分経過する頃には、血中濃度は最高値になります。血液中のタンパク質、アルブミンと結合すると考えられており、血漿中総フッ化物の濃度は0.08ppm程度とされています。血液中のフッ化物はそのまま体外に尿として排泄されます。

 

6歳の子どもの口に残ると言われているフッ化物の量が0.04mg(0.04ppm)だとすると、人体に害を及ぼすほどの影響はほぼ起こらないと考えて良いでしょう。ただし、排尿に関わる臓器でもある肝臓、腎臓、膀胱、前立腺などに持病がある方はむやみにフッ化物入りの歯磨き粉を使わないほうが良いでしょう。

 

口をすすいでもやむを得ず体内に入ってしまうフッ化物がどれだけ少量でも、身体に負担を増やす可能性がある場合は、利用を控えたほうが良いです。健康で持病もない方が、毎回きちんと口をすすいで歯磨きをする分には、人体に問題を起こすほどの分量を体内に長時間保持するのは難しいです。勝手に代謝されてしまうので危険というほどの事はありません。

 

 

参照:小林清吾、フッ化物ではじめるむし歯予防 pp.87-91,医歯薬出版,2002

参考:電解質及び糖質の輸送と代謝に関する基礎並びに応用研究―分子生物学との接点を求めて

https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/122/8/122_8_507/_pdf

参考:フッ素 とその化合物の健康影響(河野公一)大阪医科大学衛生学公衆衛生学教室

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh1946/49/5/49_5_852/_pdf

 

 

一応使用を控えたほうが良い人

NaF(フッ化ナトリウム)は毒性がある物質ですが、虫歯予防のための歯磨き粉に含まれている位の量のフッ化ナトリウムでは骨硬化症や吐き気などになる可能性は低いです。しかし、以下の条件に当てはまる方は使用しないほうが良いと考えられます。

 

  • 妊娠中&妊娠可能性がある方
  • 腎臓&肝臓などに持病がある方
  • 大人の歯が生えきっていない人
  • 排尿回数が少ない人
  • 食中毒&食あたり直後の人

 

妊娠している方は、赤ちゃんの事を考えてフッ化物入りの歯磨き粉は使用しないほうが良いでしょう。赤ちゃんの体重3kgに対して6mgまでのフッ化物が安全と言われる量で、これほどの量を体内に摂取することはほぼ難しいですが、赤ちゃんがまだ本当に小さい時、100gや200gしかないような時には200mgから400mgの量でフッ化物による軽度症状が起こることになります。

 

赤ちゃんの成長期にはちょっとのマイナス要素も避けたいので、妊娠中、妊娠の可能性がある時はフッ化物入りの歯磨き粉の使用は控えるのが無難です。科学的に赤ちゃんに問題が出るという研究は見当たりませんでしたが、あなたの自己責任で安全策を取るのは重要です。

 

体内のフッ化物は、代謝されて排尿されます。この過程で少なからず内蔵に負担をかけますので、フッ化物入りの歯磨き粉を使用する時点で持病がある場合は、体内の代謝に問題が生じる可能性があるため、この歯磨き粉は使用しないほうが良さそうです。私なら使用しないです。

 

NaFは歯磨きの過程でHFに変化し、胃腸から速やかに吸収されていくため、その影響は早く出てきます。胃腸や消化管が弱まっている方や、一時的に体力が弱まっている方は使用しないほうが良いでしょう。

 

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