ISS国際宇宙ステーションで行われている任務・ミッション【NASA’s SpaceX Crew-1】2020年11月15日EST
2020年11月15日に打ち上げられたNASA’s SpaceX Crew-1と、それに関連してISSで行われている任務・ミッションを簡単にまとめました。詳細はNASA公式サイトでご確認ください。Astronauts:Shannon Walker, Victor Glover, Mike Hopkins, Soichi Noguchi.
Good afternoon from Kennedy Space Center, where SpaceX #Crew1 is currently on target for liftoff.
– 1427: Launch shift on console
– 1512: Weather brief
– 1527: Suit donning
– 1605: Crew walkout
– 1732: Hatch closed
– 1852: Fueling
– 19:27:15: Liftoff
~ 2300 Monday: ISS docking pic.twitter.com/QuAURK2Oxe— Emre Kelly (@EmreKelly) November 15, 2020
国際宇宙ステーションでのミッション
NASAの公式サイトに記載されていたのは以下の通り。大まかにまとめる。
Food Physiology: A better diet for better health
※微小重力下での栄養・健康状態の改善
Genes in Space-7: A look at astronauts’ brains
※宇宙飛行士の脳神経機能への影響調査
Plant Habitat-02: Growing radishes in space
※微小重力下でのダイコンの栽培
BioAsteroid: Microscopic microgravity miners
※液体、岩石、微生物の相互作用研究
Tissue Chips: Using space to study organs
※宇宙飛行士の肺、骨髄、血液脳関門、筋肉量調査
Cardinal Heart: An experiment with heart
※宇宙飛行士の微小重力下での心臓の影響調査
SERFE: Testing a cool space suit
※探査船外活動宇宙服(xEMU)の実地テスト
簡単に一言でいうと半分人体実験
微小重力下で宇宙飛行士にどんな影響が出るかを実験するものが多く、気の長い、一応安全性は考慮された人体実験みたいなものと考えてもいいくらいの内容だ。
BioAsteroidとかダイコンの栽培とか、新しい探査船外活動宇宙服(xEMU)の実地テストなんかは技術的にはワクワクする内容だが、きっとなんとかなるものだ。問題は、人類が月や火星に行く時に、私たちの健康、生命がきちんと維持できるのか、また、維持するために何をどうすれば良いのかを前もって経験してくれているのが、今のISS、宇宙飛行士なわけだ。
CMDR諸兄の聞き慣れた単語「Orbital Flight」
Boeingの行う「Orbital Flight Test-2」が試される(既に試された?)らしい。宇宙飛行士を無事に地球に帰還させるために必要な実験らしく、あのゲーム「アストロニーア」に出てくるものと構造が非常に似ている。どちらかというと、アストロニーアがこっちの真似をしたんだろうか。
NASA, SpaceX Complete Final Major Flight Test of Crew Spacecraft
https://www.nasa.gov/press-release/nasa-spacex-complete-final-major-flight-test-of-crew-spacecraft
アルテミス計画(Artemis program)とは
NASAの記事を見ていて気になったのは「Artemis program」アルテミス計画だ。月や火星に、2024年を目安に到達するつもりでいるようで、それに向けた貴重な第一歩なわけだ。Crew1は2020年、Crew2は2021年にISSに向かうことになっている。
ちょうど2020年11月15日、日本はRCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership|東アジア地域包括的経済連携)などで盛り上がっていたようだが、アルテミス計画、アメリカ、NASAのYouTube生放送などを視聴していた数十万人は既に月と火星を商業的な視野に入れている。
課題はまだまだ多い
宇宙空間での健康維持、食料確保、水や酸素の供給など、まだ人類は宇宙空間で長期間生活しながら、宇宙空間の資源・リソースを生かすために、それを回収してくることすらできない。生きて帰って来るだけで精一杯で、大気圏より少し外の所で6ヶ月、1年と研究するので限界なのだ。
それだけでもものすごいストレスのかかることである上に、人類の第一歩を担っている目に見えない大きな一歩、着実に歩んでいっているわけだが、人類の多くは新型コロナウイルスで忙しい。今を守りつつ、先に進みつつ、人類の課題はまだまだ多いが、目的をよく見て、道を間違えないようにしたいものだ。
本気で宇宙を目指している同志よ、宇宙に行く方法はひとつじゃない。航空宇宙工学、パイロット、海軍経由以外にも、生命系、バイオテクノロジーなどの道からも宇宙に行くチャンスがある。どの道でもいいので、しっかり極めることだ。
出典・参考
Crew-1 Heads to Space Station to Conduct Microgravity Science
https://www.nasa.gov/mission_pages/station/research/news/spacex-crew-1-science-iss
COMMERCIAL CREW PROGRAM
https://www.nasa.gov/specials/ccp-press-kit/main.html
NASA, SpaceX to Launch First Commercial Crew Rotation Mission to International Space Station