「イーセット(ESET)」って実際どうなの?セキュリティエンジニアが解説
ウイルス対策セキュリティソフト「イーセット(ESET)」は実際ちゃんと使えるのか、役に立つのか、現場でセキュリティエンジニアとして働く当職が解説しました。ビジネス向けというよりは個人・フリーランス向けの内容です。セキュリティソフトの中では、ESETセキュリティソフトは相当安くて、機能も十分備わっています。
結論
最低限の機能で、とにかく3年、低コストにセキュリティソフトを入れておきたい方にはちょうどよいでしょう。
ただし、パソコンを以下の用途にしか使わない方にとっては必要はありません。
- WindowsでWordとExcelしか使わない
- edgeやChromeでYouTube・SNSを楽しむ
- 国内のウェブサイトしかアクセスしない
- 大手のネットショップしか利用しない
- メールチェックに使うだけ
こういった、PCの機能を使うだけの場合には基本的にイーセット(ESETセキュリティソフト)に限らず、様々な高度なセキュリティソフトと言われているものはなくても大丈夫です。特に家電量販店のZEROは、重くなるだけなので入れなくて大丈夫です。
「イーセット(ESET)」の詳細・要求スペック
イーセット(ESET)の要求スペックは次の通りです。
- 必要HDD容量:320MB
- メモリRAM:2GB
- ライセンス期間:3年
- 価格:8,250円
イーセット(ESET)もウイルスバスタークラウドやカスペルスキー、ノートンと同じで、結局消耗するメモリRAMが2GBあるので、HDD容量に余裕があっても、ノートPCなどでメモリが4GBしかない場合には、当然ESETでも動作が重くなり、他のソフトウェアの動作やブラウジングが遅くなります。
必要なHDD容量は小さめですが、メモリRAMは結局2GB消費するので、インストールを検討しているPCのメモリRAMをよく確認しましょう。3年ライセンスのセキュリティソフトとしては、最も価格が安いのと、チャットワーク関係のお知らせで入れている方も多いかもしれないので、テレワーク勢には浸透が早かった印象があります。
買う前のチェック事項
以下の用途・利用がある方はセキュリティソフトの導入を検討しましょう。
- PCでソフトウェアを開発している
- 外部のソフトウェアを入れて使用する
- まとめサイトやあだるてぃサイトを見る事がある
- 仕事で取引先からZIPファイルなど圧縮ファイルを受け取る
- 取引先に圧縮ファイルを送ることがある
- Zoomも使用してテレワークをしている
- マインクラフトのMODをいろいろ入れて試している
- PCゲームをプレイする事が多い
まず、自分自身の使い方を考慮し、スパイウェアやマルウェアが侵入する可能性がある場合は、Windows Defender以外のセキュリティソフトも頼っておきましょう。特にブラウザの拡張機能として「セーフブラウジング」があったほうが良いです。
仕事用PCであだるてぃなページを開くことはないと思いますが、インフルエンサーで数万人フォロワーがいて、DMで変なスパムリンクを送ってくるヤカラがいて、それを間違って触ってしまった…なんてことがあると、ちょっと厄介で、アカウント乗っ取りのリスクがあります。
イーセット(ESET)にもセーフブラウジング機能はあり、イーセット(ESETセキュリティソフト)以外にもセーフブラウジング機能はありますので、基本的にどれを選んでも大丈夫です。コストを抑えたい場合は、イーセット(ESET)から使い始めても特に問題はないです。
なぜセキュリティソフトを入れるのか
セキュリティソフトを入れるのには、いくつか正当な理由があります。
- QRコードの読み取りURLで感染する
- リダイレクトによる侵害を防げない
- ポップアップの誤操作をする
- 複数のZIPファイル展開で感染する
- SNSの短縮URL遷移先で情報漏えいする
- スパイウェア入りのゲームで遊んでしまう
- 入れたマイクラのMODがウイルスだった
というような事象が起こります。一般の方でも、エンジニアであっても、ボーッとして作業している時にふと入りそうになってしまうことはどうしてもあります。一瞬でも入れてしまうと防御が追いつかなかったり、気づくこともなく個人情報が詐取されていたりするケースが多いです。
サイバー犯罪者も、簡単に気づかれて、対策されるようなサイバー攻撃を仕掛け続けるほどアホではないので、操作者が気づかないうちに侵害に成功、情報をまとめてリストにして販売したり、タイミングを見て一斉に侵害を起こしたりするものです。
ネガティブキャンペーンとは
セキュリティソフトは必要ないと、著名人や有名なメディアが言ってくれると、サイバー犯罪者にとっては大いにメリットがあります。大勢の使っているPCほど、侵害も共通して起こしやすいので、サイバー犯罪者とつながっている人ほど、セキュリティソフトはいらないと、根拠もなく、責任もとらず流布します。
事実としては、セキュリティソフトを入れなくても良い使い方をしている人もいますが、そうではない人もいますので、各自で、自己責任で判断する必要があります。個人情報、顧客情報を漏洩させたとしても、セキュリティソフトはいらないと言った著名人は責任を取ってくれません。
※そもそも個人情報を扱う場合はセキュリティソフト云々の話以外の対策が必要ですが。
お金がかかるソフトウェアは必要ない、と言っているのとほとんど同じ論調なので、Adobe PremiereもDaVinciやAviutlで代用はできますし、ペイントソフトも無料のものでも有料のペイントソフトを超える使い方はできなくはない、と言っているようなもので、上位互換、便利だから使っているという部分が理解できていないだけです。
終わりに
セキュリティソフトは、買っても買わなくても、個人の自己責任です。自身が、侵害を起こした時、セキュリティソフトを入れていなくて、責任を取れるかどうか、侵害を起こすような使い方をしていないか、よく考えて検討しましょう。
ポジショントークをするYouTuberや配信者は、あなたの決定に対して責任は取ってくれませんので、覚悟の上で、ご決断ください。