あけびの栄養と効能・主成分・味|植物・果物の特徴

あけび(Akebia quinata)の主な栄養素はリン、葉酸、ビタミンCですが、他の果物に対して特段多く含まれているわけではありません。生食の果肉の可食部の割合は20%未満、水分がほとんどで、生の皮はえぐみと苦味が強いためアク抜き処理が必要になる果物です。

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あけびの栄養・主成分

あけび(Akebia quinata)

あけび(学名Akebia quinata|英名chocolate vine|キンポウゲ目アケビ科アケビ属)には以下のような栄養が含まれています。(100g中に含まれる栄養素)

 あけび(果肉)あけび(皮)
エネルギー82kcal34kcal
炭水化物22g8.6g
タンパク質0.5g0.3g
脂質0.1g0.3g
水分77.1g90.4g
ナトリウム2mg
カリウム95mg240mg
カルシウム11mg18mg
マグネシウム14mg9mg
リン22mg13mg
鉄分0.3mg0.1mg
0.09mg0.05mg
亜鉛0.1mg0.1mg
葉酸30μg16μg
ビタミンC65mg9mg
ビタミンB10.07mg0.03mg
ビタミンB20.03mg0.06mg
ナイアシン0.3mg0.1mg
パントテン酸0.29mg0.47mg
ビタミンB60.08mg0.09mg
ビタミンE0.2mg0.6mg

出典:日本食品標準成分表(資源調査分科会報告)

 

あけびの実全体に対して、中の果肉の割合は20%、種子の割合は7%、皮の割合は70%あり、可食部は20%未満です。100gのあけびがあっても、そのまま食べられるのは20g未満で、皮の部分はアク抜き処理をしないと食べられません。

 

あけびの生薬成分「木通(もくつう)」

ヘデラゲニン(Hederagenin 3-O-arabinoside)

アケボシド Stf(Akeboside Stf)

アケボシド Std(Akeboside Std)

(アケビアサポニン C|カウロシドC)

アケボシド Ste(Akeboside Ste)

あけびの木の茎は生薬として「木通(もくつう)」という名前でも知られ、主成分をアケボシド(Akeboside Stf/Akeboside Std/Akeboside Ste)、利尿、消炎などの効能が期待されています。

  • 五淋散|頻尿・排尿痛
  • 当帰四逆湯|手足の冷え・月経痛
  • 通導散|便秘・月経痛

というような漢方薬に使用されています。大分類は[利水滲湿薬]で、不要な水分を排泄する作用があります。

あけびの食べ方(生食)

あけび(Akebia quinata)

まずはアケビを田舎の道の駅などで購入してください。

 

あけび(Akebia quinata)

あけびの外側が紫色の場合と、茶色の場合がありますが、中の可食部の味に変わりはありません。

 

あけび(Akebia quinata)

皮の部分を少し素手で開いて、中にあるふわふわしたイモムシみたいなものが、生で食べられる部位です。

 

あけび(Akebia quinata)

このふわふわした部分を切り開くと、中には大量の黒い種が入っております。このタネとタネの間の白いところのみ、生で食べられます。

 

 

あけび(Akebia quinata)

中の白いところだけ取り出したのがこれです。イモムシに見えますが、あけびの実です。スプーンですくって食べるのも良いですが、少しでも生の皮がくっついているとえぐみと苦味で地獄になりますので、ふわふわした所だけ食べてください。

 

あけび(Akebia quinata)

あけびの実の大きさによって、可食部のふわふわの大きさも変わります。これをまるごとそのまま口の中に放り込んで、くちゅくちゅしながら果肉部分の汁だけすすって、タネはスイカのように吐き出します。

 

あけび(Akebia quinata)

輪切りにした場合のあけびの断面はこんな感じです。ほとんどタネです。

 

あけび(Akebia quinata)のタネ(Seed)

汚い画像ではありません。握力でがんばって濾してあけびジュースにした後の残りのタネを写したものです。熟したアケビのタネは既に白い芽になる予定の部分があります。食べられる状態のアケビのタネは全部こうなっています。異常ではありません。

 

あけびの実の味

あけびの実の味は、

  • 薄めたバナナ
  • クセをなくした柔らかいライチ
  • フルクトースだけのシロップ
  • 梨のような風味

という感じで、十分おいしいと言えるレベルです。あけびの実を濾して出てきたアケビの汁も、ジュースとしてはライチジュースのような印象で、カクテルに使えそうな気もしますが、収量がすごく少ないです。

 

あけびの生の皮の味

あけびの生皮もかじってみましたが、

  • 一瞬毒を疑うほどのえぐみ
  • 苦味のストレスで胃が痛くなる
  • 舌、喉にしばらくエグみが残り消えない
  • 飲み込むのを全力で脊髄が拒否する
  • 絶対食べられてなるものかというアケビの意思を感じる
  • 過去10年間で一番口をすすぐことになる
  • 脅しや拷問に使えるレベルのえぐみ
  • 空腹が一瞬で消えるほどの苦味
  • 唾液の分泌量がフィーバー状態になる

でした。

 

あけびの皮を食べる方法

食べなくていいと思います。あけびの皮を5mm程度の千切り状態にするか、ゴーヤーのように輪切りにするかして、数時間冷水につけてアク抜き、その後、しっかり苦味が抜けるまで湯がいて、アクを可能な限り減らします。

 

その後は、ゴーヤーと同じ感じの料理に使用可能です。

 

あけびの皮を捨てるのは確かにもったいなく感じますが、調理の手間とコストを考えると、庭の土に埋めてしまっても良いと思います。

 

あけびの皮を生で食べるとトラウマになります。

 

出典・参考

福田龍株式会社

https://www.fukudaryu.co.jp/sozai2/mokutsuuHP.pdf

奈良県薬剤師会

http://www.narayaku.or.jp/plant/plant31.html

KEGG|モクツウ

https://www.kegg.jp/entry/dr_ja:D06794

 

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Posted by Genussmittel管理者