ALC-0315とは【[(4-ヒドロキシブチル)アザンジイル]ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカン酸エステル)】添加物解説

2023年6月4日

ここでは、ALC-0315:[(4-ヒドロキシブチル)アザンジイル]ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカン酸エステル)単体の構造や化学式などの性質について解説しています。特例承認医薬品「コミナティ」に含まれている添加物で、筋肉注射に使われているものです。

注記
  • 本ページは、添加物に関連する行為を推奨、否定するものでもありません。
  • 公的機関や開発元とは一切の利害関係がありません。
  • 特定の立場・意見を持つ人への如何なる侵害を示唆するものではありません。
  • 化学的構造については公表されている範囲でのみまとめており、正確性を完全には保証しません。

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概要「ALC-0315:[(4-ヒドロキシブチル)アザンジイル]ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカン酸エステル)」

ALC-0315([(4-hydroxybutyl)azanediyl]bis(hexane-6,1-diyl)bis(2-hexyldecanoate))は、分子式C48H95NO5、分子量766.3g/molの高分子でPhizerのワクチンに添加物として入っているものです。簡単にいうと合成脂質(疎水性:水に溶けにくい油っぽいもの)です。

  • IUPAC:6-[6-(2-hexyldecanoyloxy)hexyl-(4-hydroxybutyl)amino]hexyl 2-hexyldecanoate
  • CAS:2036272-55-4

mRNAワクチンに含まれる脂質ナノ粒子を構成するために必要な成分の1つで、mRNAを包み込む役目があります。

ワクチンの主成分を包んでいる包装紙みたいなものです。

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出典:https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/122666778#section=Chemical-and-Physical-Properties

 

Chemical Vendors

  • MolPort
    PubChem SID: 441751977
    Purchasable Chemical: MolPort-047-776-243
  • CSNpharm
    PubChem SID: 441654280
    Purchasable Chemical: CSN28747
  • eNovation Chemicals
    PubChem SID: 441419545
    Purchasable Chemical: Y1091459
  • Ambeed
    PubChem SID: 441288411
    Purchasable Chemical: A1375212
  • Excenen Pharmatech
    PubChem SID: 441605282
    Purchasable Chemical: EX-A5120
  • BLD Pharm
    PubChem SID: 439972055
    Purchasable Chemical: BD01343822
  • BroadPharm
    PubChem SID: 441175868
    Purchasable Chemical: BP-25498

当該物質は、上記の会社等で販売されています。

どこの企業がやっているのか分かれば、どこに出資(または監視)すればいいかも分かるはず。

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ALC-0315の安全性・危険性・毒性

mRNA脂質ナノ粒子を運搬するのに役立つ添加物は多数ありますが、その中でもALC-0315は生分解性があり、体内で分解、排泄されます。

((4-hydroxybutyl)azanediyl)bis(hexane-6,1-diyl)bis(2-hexyldecanoate) (ALC-0315)79 have better in vivo delivery efficacy and pharmacokinetics than MC3. Of note, SM-102 and ALC-0315 are the ionizable delivery components in the mRNA-1273 and BNT162b COVID-19 vaccines, respectively17. Biodegradable lipids can also be made of both ester and disulfide motifs80,81,82,83,84,85. Cleavage of the disulfide bonds then drives an intraparticle nucleophilic attack on the ester linker, accelerating their degradation.

出典:https://www.nature.com/articles/s41578-021-00358-0

ALC-0315((4-ヒドロキシブチル)アザネジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)は、MC3よりも優れたinvivo送達効果と薬物動態を示します。注目すべきことに、SM-102およびALC-0315は、それぞれmRNA-1273およびBNT162bCOVID-19ワクチンのイオン化可能な送達成分です。

生分解性脂質は、エステルモチーフとジスルフィドモチーフの両方で作ることもできます。次に、ジスルフィド結合の切断により、エステルリンカーに対する粒子内求核反応が促進され、それらの分解が加速されます。

 

ALC-0315に関しては、アレルギー反応はほとんど起こらないと発表されています。どちらかというと、ALC-0159等の方がアレルギーが起こりやすいです。毒性、危険性は取り立ててありません。

 

代謝と排泄|負担をかけないほうがいい

ALC-0315は既出の通り、合成された脂質で、生分解性があり、体内では脂質の分解物、炭化水素として処理されていくものです。一般的には肝臓などを経由して代謝されるため、ワクチン接種からしばらくは、代謝が正常にMAXで働くよう、飲酒や喫煙などは控えたほうが良いです。

 

体内にとっては異物で、代謝して身体の外に出そうとするものなので、接種後しばらくは健康な生活を心がけて、副反応がなくなってから飲酒を嗜みましょう。

 

ヒドロキシンなる物質はない

近年見かけるヒドロキシンという単語について、まず、こちらの(https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00069248.pdf)COMIRNATY筋注には記載がないものであって、この名前を使用して議論しようとする者は、正確ではありません。ヒドロキシ基に由来する名称と、ヒドロキシンは別物です。これを一緒にするのは論点として間違っています。

 

劇薬の記載について

出典:https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00069248.pdf

一部の盲信者が、ページに「劇薬」と記載があることを騒いでいるようですが、これは非科学的です。記載としては確かに劇薬記載はありますが、劇薬は使い方によっては医薬品となります。

 

劇薬であっても医薬品として使用されるものは多数存在します。この濃度、処方によっては人の命を守る薬にもなるものであって、劇薬=危険は一部間違っていて、一部正しいです。きちんと処方されていれば危険はありません(副作用が出る可能性はもちろんあります)。

 

出典:https://www.hyo-med.ac.jp/department/phrm/medicals/list20180413.pdf?fbclid=IwAR2CkPKhJehdVBIZFRyAl3cUNsXTpqYeMwvxWRTHLNuBYQAsU4rMlgUS5zY

 

よって、リスクについて議論するのであれば、副作用について論ずるべきです。この点を間違って解釈し、虚偽の情報として流布しながら議論するのは間違いです。科学的にも倫理的にも正しくありません。

 

ワクチン接種の有効性とリスク

ワクチン接種に伴う副反応ではなく、ワクチン接種を受けないほうがいい人、受けられない人の条件に触れておきます。

【Vaccination unproblematic from the current allergological point of view】

– Allergic asthma
– Allergic rhinoconjunctivits
– Atopc eczema
– Food allergy
– Insect venom allergy
– Allergic contact eczema
– Urticaria
– History of drug eruption
– Delayed local reactions to vaccinations

【Vaccination with increased risk awareness* or preceding allergic workup】

Anaphylaxis treated by a physician
– during a vaccination or medical procedure like coloscopy, surgical intervention under general anesthesia
– after (repeated) drug intake
– of unclear pathogenesis

【No vaccination according to summary of product characteristics and from an allergological point of view】

History of severe allergic reactions to one or several of the vaccine ingredients

出典:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7841415/

【おそらく接種に問題がない症状・持病等】

  • アレルギー性喘息
  • アレルギー性鼻結膜
  • アトプセ湿疹
  • 食物アレルギー
  • 昆虫毒アレルギー
  • アレルギー性接触湿疹
  • 蕁麻疹
  • 薬物発疹の病歴
  • ワクチン接種に対する局所反応の遅延

【慎重なワクチン接種、または、先にアレルギーの精密検査必要】

  • 医師によって治療されたアナフィラキシー
  • ワクチン接種中または結腸鏡検査などの医療処置中
  • 全身麻酔下での外科的介入
  • (反復)薬物摂取後
  • 病因が不明

【接種を推奨しない】

  • 1つまたは複数のワクチン成分に対する重度のアレルギー反応の病歴

過去、ワクチンを摂取して重度のアレルギー反応があった方は、ワクチンの接種は避けたほうがよく、かかりつけ医への相談が必須です。また、

  • アナフィラキシーショック経験者
  • 投薬治療中
  • 全身麻酔を伴う外科手術経験者

などの方は、慎重にワクチン接種をしなければいけないとの記載があります。ここで、詳細を語ることは不適切かと思われるため、ワクチン接種前の医師の判断、及び、各自の治療歴などをケースバイケースで判定して、接種するか、接種しない(できない)か検討してください。

 

出典・参考

COMIRNATY intramuscular injection

https://www.med.or.jp/dl-med/kansen/novel_corona/sokuho/comirnaty.pdf

厚生労働省|新型コロナワクチンの副反応に係る体制の概要について

【参考:添加物ALC-0315及びALC-0159の安全性について 】

○ ALC-0315及びALC-0159は添加剤としての使用前例がなく、DSPCは特定の製剤又は特定の条件下においてのみ使用が認められている添加物であるが、本剤の製剤特性を担保するために必要。

○ 製剤を用いた毒性試験のうち、ラットにおける反復筋肉内投与毒性試験では、肝臓への影響(血中GGTの増加及び肝細胞の空胞化)が認められたが、毒性学的意義は低いと考えられた。

→これらの添加剤を使用することは可能であるが、長期間の反復投与毒性が評価されていないことから、これらの添加剤は、本剤の用法・用量に限った使用とすべきであると判断された。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000738916.pdf

SARS-CoV-2 mRNA Vaccine (BNT162, PF-07302048)2.6.6 毒性試験の概要文

 

https://www.pmda.go.jp/drugs/2021/P20210212001/672212000_30300AMX00231_A100_6.pdf

Allergic reactions to the first COVID-19 vaccine: A potential role of polyethylene glycol?

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/all.14711

Lipid nanoparticles for mRNA delivery

https://www.nature.com/articles/s41578-021-00358-0

COMIRNATY筋注

https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00069248.pdf

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Posted by 管理人