クッキングシートの危険性と成分分析【安全な使用方法】

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お菓子作りや料理に使われ、近年は100円ショップでも買えるようになったクッキングシートですが、一部成分と構造の関係から危険性があるのではないかと注視されているものがあります。ここではクッキングシートの危険性と成分の解説、安全な使用方法を紹介します。

クッキングシートの種類と主成分

実店舗、及び、ネットで購入できるクッキングシートは、楽天市場では15,962件、Amazonでは7,000件以上存在します。メーカーもさまざまで

  • ライオン
  • 旭化成
  • アルファミック
  • 大和物産
  • サンクラフト
  • DAISO

などから販売されています。

 

クッキングシートの素材別

クッキングシートの素材種類別に見てみると

  • シリコン樹脂(250度前後)
  • グラシン紙(180度前後)
  • グラスファイバー
  • 表面テフロンコーティング
  • テトラス

と一般的にはシリコン樹脂コーティングのものですが、プロ用、パティシエ用、高温長時間調理向けのもので選別が必要です。

 

クッキングシートの金額と性能は比例する

500円未満のクッキングシートはほぼ「シリコン樹脂加工」で250度20分程度の使用まで耐えうるもので、100円ショップでも購入できるものなどは、ほぼ全てシリコン樹脂です。

 

1000円を超えるクッキングシートは名称変わってオーブンシートともなると、素材が「グラスファイバー」と合わせてテフロン加工やテトラス含浸の素材になり、複数回の繰り返し使用も、高温での利用も可能となります。

クッキングシートの成分解説と安全性について

ここからは少し化学的な説明を加えていきます。主に、一般向けクッキングシートで使用されているものはシリコン樹脂加工されているもので、知るべきは

  • シリコン樹脂
  • グラスファイバー
  • テフロン

の3つについてかと思います。おそらく、クッキングシートの成分、クッキングシートの素材の正体を解説しているページはありませんので、こちらで解説致します。

 

シリコン樹脂とは

一般的に、シリコン樹脂というのは、ポリシロキサン(ケイ素と酸素が複数くっついているもの)に対して、メチル基CH3やフェニル基C6H5などが結合し、加水分解やさまざまな反応をさせているものです。

 

多くの人が高等学校に、化学で少し学んだベンゼン環のようなものがくっついている場合が一般的と考えられますが、メーカーから成分の詳細がはっきり公開されていない所を見ると、ベンゼン環を見せると消費者の多くが嫌がる(なんとなく危ないものなんじゃないかと勘ぐる)可能性があるためだと見て間違いないでしょう。本来隠さなくても良いものですが、口に入るものでもないので公開すべきものでもなく、たいていは隠されます。(悪意ではなく必要がないため)

 

同じシリコン製品(シリコン樹脂ではない)として

  • レジン
  • 医療用シリコンゴム
  • シリコン型

などに利用されており、基本的に人体に対して怯えるほどの危険はないものです。

 

経口摂取したとしても、特に間違ってクッキングシートの一部を食べて飲み込んだとしても、便として排泄されて終わりです。シリコンコーティングされていても、結局紙なので、人体では分解、消化、吸収できず、そのまま栄養にも何にもならずに排泄されます。

 

グラスファイバーとは

グラスファイバーは、シリコン樹脂で使用していたケイ素と酸素の他にも複数の物質を組み合わせて、薄く、熱に強く、安定なシート状のガラスのようなもので、これをガラス長繊維として加工・製造して、クッキングシートの状態にしたものが、グラスファイバーのクッキングシートです。

 

含まれているのは

  • SiO2
  • Al2O3
  • CaO
  • MgO
  • B2O3
  • Na2O+K2O

といったもので、ストランドマットやロービングクロス[出典]として製造されているものが、おそらく、グラスファイバー製のクッキングシートに近いものです。

出典:硝子繊維協会

 

クッキングシートが危険だ、とする人の話では、発がん性や環境ホルモンによる悪影響などがあるのではないかとされていますが、建築物に使用されるアスベストやグラスウールとはガラス繊維の大きさが異なります。

 

人体には害はないとされていますが、自然環境に対しては、グラスファイバーに含まれているホウ素化合物が問題になる可能性があります。

Stress symptoms appearing on lower leaves of sycamore seedlings grown in sludge-minesoil mixtures matched boron toxicity symptoms of sycamore produced in solution cultures containing 2 or 4 mg kg−1 of B and in mixtures of glass fiber insulation, a component of the sludge, with peat and vermiculite.

Boron Toxicity to Sycamore of Minesoil Mixed with Sewage Sludge Containing Glass Fibers

https://acsess.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.2136/sssaj1984.03615995004800020033x

ホウ素を含んでいるグラスファイバーが土壌に一定量、一定条件で混ざっていると、ホウ素毒性症状と似た症状が見受けられるとのことで、クッキングシートで、かつ、グラスファイバー製のものに関しては、廃棄方法に気をつけていればさほど問題はないでしょう。

飲食店などが使用するプロ用のグラスファイバー・クッキングシートを複数回使用し、ある時、クッキングシートが丸焦げになるほどにダメになってしまった場合に、その加熱金属板にはグラスファイバーの微粒子が付いている可能性があり、これをきちんと洗い落とさないと、そこで作られた食品が毒性を持つ可能性があります。

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一般家庭でそこまでのことをすると、おそらく、もはや火事なので、一般家庭の一般利用では気にすることはないと考えられます。

 

テフロンとは

テフロンは、正式にはポリテトラフルオロエチレン (polytetrafluoroethylene)と呼ばれ、フッ化炭素樹脂です。フライパンについているとこびりつきにくいと言われているアレです。

 

熱にも、薬品にも比較的強いですが、260度以上で劣化し始め、350度を超える頃には分解が始まります。これは、天ぷら油の発火点が370度(引火点300度付近)付近であることから、実際のキッチンで気をつけるべきことは

  • テフロン加工のフライパンで天ぷらを揚げていたら、煙が立ち始めた
  • フライパン使用後にステンレスたわしでゴシゴシ洗った

という状況が一度でもあったら、そのフライパンのテフロンは剥がれてなくなっているとお考え下さい。

 

テフロン加工のフライパンでは、魚・肉・野菜を焼く程度にし、せめてポップコーンまでにしましょう。ポップコーンをフライパンで作る時、ガサガサ左右に振ると思いますが、これによりテフロン加工に傷がつく可能性は高いです。

 

テフロン加工の危険性として、テフロン加工をする途中にどうしても必要になるペルフルオロオクタン酸が残留していると発がん性を有しますが、このペルフルオロオクタン酸はほぼ残留不可能なため、人体に対して発がん性を持つほどの量が、身近にあるかどうかは心配する必要がありません。毎日テフロン加工をする工場の現場に勤めている場合は別です。

クッキングシートの使用条件

安全にクッキングシートを使用できる条件は、製品にも記載がある通り

250度未満20分未満の調理

とされており、化学的な性質からもこれを守っていれば、クッキングシートの使用に伴う健康上の問題はほとんど起こりません。

 

少し長く、強火で加熱する場合には、フライパンとクッキングシートの間に少量の水を入れてやって、蒸し焼きに近い状態にすると温度の急上昇を防げて、シートの焦げ付きも防げます。水が蒸発し切るまでは温度が一定で保たれますので、少しだけフライパンとクッキングシートの間に水を入れてやると良いかもしれません。

 

出典・参考

Review of Smoke Toxicity of Fiber-Polymer Composites Used in Aircraft

https://arc.aiaa.org/doi/abs/10.2514/1.36472?journalCode=ja

E-Glass Fiber Reinforced Composites in Dental Applications

https://link.springer.com/article/10.1007/s12633-011-9075-x

Boron Toxicity to Sycamore of Minesoil Mixed with Sewage Sludge Containing Glass Fibers

https://acsess.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.2136/sssaj1984.03615995004800020033x

 

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