やる気を引き出す赤字勘定・ゼロ勘定|背水の陣を暗示する
ある程度稼いで、安定してしまうと、どうしても気持ちが甘えて、情熱、やる気を喪失させてしまいます。がんばって成功している人や、そこそこ成功して安定した暮らしができた人に特に多くて、やる気が急になくなって燃え尽き症候群のようになります。これを、私は赤字勘定を作って、やる気を無理やり引き出しています。モチベーション維持の参考に。
安定することの良さ・悪さ
悪い所|やる気と情熱が薄くなる
毎月、生活できるくらいの収入が得られて、物欲をだいたい満たして、簡単に立てた人生計画の中で考えた「やりたいこと」もやり終えてしまうと、出費することがなくなってきて、生活が安定してきます。これは良いことでもありますが、その状態に満足してしまって、さらなる次のステップに進むのを阻害します。
最も良くないのが「情熱」の喪失です。まだ安定してなかった頃とか、生活が苦しかった頃、もやしで食いつないでた時とかは、将来は絶対にごはんで困らないような生き方をしてやる!とか、毎月ギリギリのこの苦しい状況から抜け出してやる!とか「情熱」と「生活」が直結していて、がんばる理由が目の前にあったはずです。
安定すると、生活の中で、身近に見えるがんばる理由がなくなります。食べ物も、着るものも、欲しい物も、寝る場所も希望してたものがあって、仕事をしていれば収入も大丈夫…。この状態が続くと、だんだん「情熱」が薄らいできて「やる気」まで減ってきてしまいます。
事業主がこの状態になるのは、非常にまずいです。フリーランスのウェブライターでも、プログラマーでも同じ。稼げてしまって、借金やローンもなくなって、欲しい物も揃っていて、リスクはほとんどなくて、…という状態になると「ふわっと情熱が薄くなる」んです。燃え尽き症候群ともいいます。
良い所|心と人間性に余裕ができる
生活が安定して、不安や不足、我慢がなくなるので、心の余裕が出てくるようになります。当然、人間性にも変化があります。それまで余裕がなくて待てなかった行列を待てるようになったり、嫌だなぁと思っていた出費が、苦痛でなくなったりします。
これはこれでとても良いことですし、人として、一人前になったんだねぇということなので、むしろ、そうなれたら一安心です。多くの人もその安定を目指してがんばっているでしょう。家族を養う余裕、キツキツから開放されて、お金の心配なく、子どもと向き合える時の余裕は経験した人なら、その差がわかるはずです。
赤字勘定・ゼロ勘定で管理する
赤字勘定の考え方
この安定の問題点は「向上するための情熱」や「やる気の喪失」です。安定ラインを守れればいいので、全力を出さなくなり、目標設定が保身から入るようになります。これが事業を衰退させます。
情報収集を怠り、余裕を理由にコストを無駄に掛け、努力すべき成長をせず、自分のレベル上げをしなくなります。これを乗り越えるのに一番良いのが「このままではやばいかもしれない」と強く思わせる「将来的経験的不安」です。
既に苦しい思いを乗り越えてきている分、感覚が研ぎ澄まされていて分かるんです。この調子で行くと、取り残されて、落ちていく…と。それでも「情熱の喪失」のせいでやらなきゃいけないことをやらないままで、時間が「保身」したままで過ぎていきます。
交換リスクで赤字を作る
既に手に入れている欲しかったものはいずれ交換すべき時が必ず来ます。
- ゲーミングPC
- バイク
- 車
- でかい冷蔵庫
- 3Dプリンター
- PS4
- 高級時計
- コーヒーメーカー
これらは必ず交換する時が来るので、それぞれに交換にかかるコストを算出して、赤字の状態を作り、いつでも瞬時に交換、買い替えできるようにしましょう。そうでないと本当の意味での「安定」ではないですよね?
- ゲーミングPC(20万円→30万円上位へ)
- バイク(50万円→80万円大型へ)
- 車(120万円→200万円へ)
- でかい冷蔵庫(5万円→30万円へ)
- 3Dプリンター(30万円→120万円金属対応へ)
- PS4(PS5へ)
- 高級時計(5万円→15万円へ)
- コーヒーメーカー(4000円→2万円へ)
このように、次に交換する時にいくらのものに交換するか、事前に概算して、未来の出費として個人の家計簿に記載して赤字にします。そうすると、赤字をなくして、いつでも交換できるようにしないといけないので、貯金や仕事の引き受けにも積極的になれるはずです。
欠損リスクで考える
生命保険に入っていると、欠損による補償があるのでなんともですが、事故で片腕、片足が不自由になった場合に、同じ仕事ができるかを考えます。今の健康な体だからできている仕事も、視力を失ったり、片腕がなくなったりするとおそらく仕事にならないです。
肝臓や腎臓のことを考えるのも同じで、健康面、身体面で大幅に障害があった時にもやっていける、大切な人に迷惑をかけない、お金だけの付き合いをしていて見捨てられないか、を考えて、スキルアップや仕事の幅を広げる必要が出てきます。そうでないと、安定ではないですよね?変化に弱いんでは、脆弱なままです。
ゼロ勘定の考え方
これは多くの人がやっている貯金の習慣かと思います。多くの場合、貯金は
- ライブに行きたい(3万円)
- 新しいスマホを買いたい(11万円)
- バイクの免許を取りたい(12万円)
- 旅行に行きたい(15万円)
- 全身脱毛したい(30万円)
という目的があって、その数字に合わせて貯金しているはずです。日々の理由のない貯金では「毎月3万円貯金する」とか「毎月5万円は問答無用で貯金口座に入れる」とかしているかと思います。この貯金ができているだけで、相当偉いですが、これも一定ラインを超えたら、「ゼロ」にリセットして考えて、次の到達ラインを決めます。
- 10万円貯金したら0円だったことにする
- また10万円貯金する
- 10万円貯金できたらまた0円にリセット
- この時点で20万円貯金できている
- 欲しい10万円のバッグは更に追加で貯金して買う
- バッグに飽きる頃に30万円まで貯金できる
- また0円にリセットして貯金再開
流れとしてはこのようなイメージで、既にお金はあるのに、欲しいものはさらに貯金してから、現金、キャッシュで、一括で買う、と決めて貯金し始めると、お金がなくならない上にどんどん増えていきます。追加で貯まったお金で欲しい物を買っても、赤字にはならないけれど、20万円で一度0円だったことにしてリセットしているので、30万円から10万円使ったとしたら、0円と同じになるんです。
つまり、貯金はあるけれど、自分の中の計算では20万円のラインは、0円と同じ扱いなので、実質ないのと同じ、増やさないと「必ず赤字になる」というリスクがあると思い込ませるんです。20万円の貯金ラインを下回らないようにする、というこの0円ラインの金額をちょっとずつ上げていくのがゼロ勘定です。
暗示させて、プライドは捨てて
プライドが邪魔をする
現実的に考えてしまうと、プライドやだらけ欲が邪魔をします。自分をできるだけ「しょうもないニンゲンだ」と自分で下げていき、暗示させて、上を見なきゃ!と思わせるようにしないとダメです。そうしないと向上心を持てない時点で、私は弱いんです。おそらくどんな人でも、自信を持っていると、それが自負につながって、プライドになります。
プライドや自尊心はあっていいものですが、それのせいで成長や進撃が止まるならば、そんなプライドはいらないです。余計なものは、感情も、心理も切り捨てて、もっと上に行きましょう。
貪欲に成長に食いつけ
ある程度満たされてしまうと欲求が消えます。食欲は、満腹に食べれば満たされ、睡眠欲は18時間も寝れば満たされ、性欲だってすれば満たされます。
自身の成長や仕事に対する情熱も同じです。目標としていたところに立ててしまって、満足してしまうとそこからもっと、一歩踏み込んだ世界に進めなくなります。
安定を犠牲にしてまで、新しいことに挑戦しなくなります。これが非常に良くない。自分の手元には「実質ゼロ」しかないとか「変化があったらゼロになる」という状態を意図的に作り出して、安心していられない、と背中を押させるんです。
たいていはこれでやる気も情熱も湧き出します。常に上へ、常に前へ。