深草観音への行き方【要害山経由で里山散策|甲府観光】神秘的穴場スポット
深草観音は甲府市北部にある積翠寺北東「要害山」よりもさらに奥にある神秘的穴場スポットで、容赦のない山道、危険と隣り合わせの登山、ガチ勢よりもハイキングコースを経てたどり着ける場所です。ここでは、道中の目印、注意点などを2022年6月2日訪問時点の情報と後日談を交えて報告致します。
深草観音への行き方
以下、要害山から深草観音(甲斐国観音霊場六番札所)へ向かうルートを写真付きで紹介します。
まずは要害山登山口へ
旧要害温泉の手前、要害山のこの史跡のある場所、写真で言うと右側に見える「斜め上に向かっている道」が要害山登山への入り口です。
要害山の登山道を途中まで進むと、白いガードレールパイプのようなものがあるので、その白いガードレールパイプのようなものがある方に進みます。そこから少し進むと、上の画像のような看板が出てきます。ここが引き返せなくなる地点です。覚悟を決めて進みましょう。
道の左手にはちょいちょい倒木があります。
道が人ひとり分くらいなので、足をすべらせるとヤバいです。
一応、途中にベンチがあります。想像以上に急斜面です。半端のない急斜面で、滑りますし、えぐい斜面です。既にきついと思います。
このように朽ち果てかけている階段にたどり着ければ折り返し地点です。階段の下りも、帰りの際の登りも気をつけましょう。
これを超えて進んでいきましょう。足元に金具が見えているはずです。道を舗装する、または、補強するために埋め込まれているような金具がありますので、これを追いかけて進みましょう。
急な階段は2つ目もあります。2つ目の階段はまだマシですが、足元おぼつかないです。
近年構成されたような石垣、構成物があれば道は正しいです。問題はここからです。
コンクリートの急斜面と手すり、積もった落ち葉がある道が出てきます。非常に滑りやすく、この時点で既に足がつかれている場合は超危険です。
この超急斜面、滑るコンクリの道を体感で3分ほど進むことになります。かなり体力を持っていかれます。
この急斜面コンクリの道を通過するとココにでます。
ここまで来れると、このような遊歩道看板が出てきます。
ここから目視確認できる場所に「山神宮」があります。ここから深草観音までは1時間20分ほどはかかります。ここまで来て、既にきつい方は、悪いことは言わないので、鍛え直して出直してください。危ないです。この先、1時間、同じ道を進むくらいの気持ちでいてください。とはいえ、ここまでの道が一番きついです。
中継地点「山神宮」に到達
ここまで進むと「山神宮」が出てきます。実はここまでは車でも来れます。徒歩の場合は、一回目の休憩地点です。しっかり休みましょう。
一応、ギリギリ車やバイクを停められるスペースはありますが、車両が入れるのはここまでです。
山神宮の左手にはお地蔵さんがおります。
お賽銭を入れる場所はないですが、ご挨拶しておきましょう。この先の道の安全を祈って。
この「山神宮の隣りにある建物」からは水が溢れています。漏れているのか、あえて流しているのかは分かりませんが、こういう場所には色んな生き物が集まりますので、注意と警戒が必要です。
ここから奥に進んでいくと、ぬかるみのある道があります。
この先は車両が通れないもなにも、人が通るのもヤバい箇所がありますので、しっかり踏みしめて進みましょう。そこそこ舗装された道を、川沿いをひたすら進むので、マダニ、イノシシ、シカなんかがいる領域です。
さらに進んでいくと、両面石垣で整えられた道が出てきます。まだ人の息吹がある道で、安心です。ぐんぐん進みましょう。
右手に見えているのが川、沢です。涼です。最高に森林浴ですが、マダニ浴となる可能性もあります。
石積み職人の軌跡があれば正解です。この写真は振り返ったときのもの。帰る時にもう一度出会えます。
倒木の名残があります。
遠目には小さいですが、結構容赦なくでかい倒木があります。この倒木を超えて進んで大丈夫です。
これは、少し進んで振り返った時の目印。赤いリボンを大切な目印にしてください。取って外したりはしないように。
さらに進むと、左側に石垣がある道に出ます。人の息吹があるので安心です。
この先へ進むと、工事現場で見かけるような足場が組まれています。信じて、一人ずつ、ゆっくりと渡ってください。
ここを進むと、左側にさらに石垣があり、目印もあり、ぐんぐん進みましょう。
工事現場の足場のような場所は数カ所あります。そのうちの一箇所に、この写真のような石碑があります。これも人の息吹があって安心ですね。
この石碑の後ろには石積み職人の残した、うなだれた人に見えるようなものがあります。これも目印の一つ。帰る時にもう一度出会えます。
そして、中継地点の倒木と案内看板に出会えれば正しい道を進めています。ここまでの道、そこそこきついです。どうやらガードレールがあるので、車でたどり着ける道はあるにはあるみたいですが、あんまりあてにならない感じです。
中継地点「遊歩道・案内立て看板」に到達
かなり深草観音に近づいています。この案内看板があれば道は合っています。おつかれさまです。ここから体感で600mほど進むと到着します。
この看板の手前、倒木あります。またげば通れます。あえて倒したのか、勝手に倒れたのかは分かりません。
この案内看板より進むと石積みの塀のようなものがあります。
これも一つの目印となります。
さらに進むと、人の背丈を超えるほどの大きな岩が転がっているので、この岩に沿って、道なりに進みます。
この巨大な転がっている岩の向こうに、木の道が出てきます。
木の道を進むと石積み職員の残した息吹があります。
そのまま進むとこのように進むべき道はありますが、容赦なく山道です。赤いリボン、遠くの景色をよく見て進みましょう。
分岐地点「国民の森林・国有林看板」に到達
おおよそ、深草観音の領域に到達しています。もう少しですが、ここからも注意が必要です。特に、この先、水場と一緒になっている足場の不安定な岩場を進むことになります。
この案内看板が同じ場所にあります。必ずここで休憩しましょう。既にだいぶ消耗しているはずです。足腰ガクガクしてる場合は、しっかりストレッチをしてください。
これが進む方向です。道に沿って倒木がありますが、道を塞いではいません。
これは、ここまで来た道。帰る時にもう一度見る景色です。
要害山山頂からのルートもあります。もしかしたら、要害山山頂を経由したほうが、若干楽かもしれないと思えるほどに、ここまでのルートはきつかったかと思います。おつかれさまです。あと少しです。
この中継地点にある遺跡の文字です。なんとなくで解読するとどっち行っても山だけど、右に行くと岩あるで、って感じかと思います。
ここまでの写真にある道を進むことになります。沢、揺れる足元の岩、ぬかるんだ足場の連続で、地味に厄介な場所です。道中存在する赤いリボンを目印に進みましょう。この赤い目印は先人が残してくれた「命の目印」です。
このリボンをたどれば、人の道です。もし、落ちていたら、およそ元の場所に戻すか、赤いリボンのある場所で、休憩ついでに石積み職人をしてください。周囲に落ちている石を高く積んでおくと、次に訪れる方への目印になります。非常に助かります。この鬱蒼とした山奥で、人の息吹を感じられるのはありがたい。
目印「30mを超える巨石と祠」を確認
沢と道が一緒になっているような道を進んだあとは、巨石との出会いがあります。
「もしかして、ここが深草観音か!?」と思えるくらいの巨石が登場しますが、ここはまだ200mほど手前です。
この巨石の中腹、亀裂がある所に祠があります。こんな巨大な、化け物級の岩、祠のひとつ、ふたつあってもおかしくはなく、個人的にはこの祠のほうが神秘的に感じました。神の休む場所、と表現しても良さそうである。
巨石を少し過ぎた所にあるのが、案内看板。ここまで歩いてきた山道2km、これから約100mほど進むとお目当ての「深草観音」に到着します。
目印「境内跡地の史跡群・手水舎」を確認
深草観音0.1kmの道案内標識が見つかればほぼ到着です。
道を振り返ればこんな感じ。どの道通ってきたっけ?とならないとは思いますが、要所要所で、常に後ろも確認しましょう。写真であっちこっち撮影しておくと、いざ不安になった時に確認できます。
案内看板から少し進むと手水舎が見えてくるはずです。
ここでお手々を清めてから、この先に進むと良いでしょう。この水は…おそらく飲めないです。
手水舎の横にある文字はこんな感じ。歴史を感じるスポットの一つです。
目印「旧鳥居(山門跡)・現燈籠・ベンチ」を確認
こちらの画像中央奥にうっすらとえっっっっっっっぐい高さのはしごが見えるかと思います。これが見えれば到着です。
近くまで行くとベンチがあります。一応、ここで休憩可能です。座る場所はきれいではないです。
これが燈籠。元々ここには鳥居があったと言われていますが、今はこんな感じです。
燈籠の写真でも見えましたが、右奥にあった石碑・お地蔵様がこちら。
燈籠の右方向には深草観音についての詳細が記載されています。こちらは比較的新しいもの。瑞岩寺(https://goo.gl/maps/mmxwCragxhv1Kz8A6)に本尊が安置されているので、瑞岩寺にご挨拶をしてからこちらを訪問すると、よい気の流れかもしれません。
※命がけの挑戦「17mのはしご」を登って降りる
ここまで到達するのに、適度に休憩を挟んでも1時間半から2時間かかっているはずで、足腰が既に限界の方もいるかと思います。意識すべきなのは「ここまで来た道を戻る体力があるか」です。このはしごを登るかどうかは
- 十分に体力に余裕があり
- はしごの途中でハチに出くわしても
- トカゲに出くわしても
- ヘビに出くわしても
- クモに出くわしても
- 絶対にビビることなく
- 確実に一歩一歩踏みしめて登って
- 一歩一歩確実に「自力」で降りてこれる
自信と客観的確信があるかどうかで判断してください。はしごの高さは17m、はしごの下には余裕スペースはなく、落下した場合は20mから22mほど落下します。20mという高さはビルの7階に相当する高さです。
ここまで到達していれば分かると思いますが、早急な救助は期待できませんし、はしごの途中で動けなくなっても、誰も助けられません。落下すれば良くて骨折、重傷、おそらく即死です。
登りきるとこのような祭壇があります。お参りできるスペースが中にあるにはありますが、はしごから中に移動するのは良いとして、はしごに戻るために外に出るのが非常に危険なので「目視確認」して、そのままはしごを降りましょう。
こちらの祭壇非常に神秘的です。ほぼ人が来ていないはずなのにきれいで、虫や生き物・獣が住み着くこともなく、まさに文字通り神秘的穴場スポット。現世から隔離されたかのような場所です。
途中、生い茂った草の中を進みますが、トカゲ、クモの存在は確認しました。これに驚かず、冷静に降りて来られる「確信」がある方のみ挑戦してください。
無事に帰還せよ
これは帰り道に撮影した山の中の写真です。よく見れば道が見えますが、気をつけていないと迷いそうになります。
こんな石碑もあります。目印のひとつに。
道中、川沿い、やたら道が狭くなっている場所もあります。気をつけて通りましょう。特に帰り、疲れて道を踏み外さないように。
まずは命がある状態で、生きて帰宅して、登山終了です。
深草観音へ行く際の超注意事項(実体験)
要害山から深草観音までの道のりでいくつかの倒木、急斜面がありましたが、これらは杖を持参するなどの対策でおよそなんとかなります。
イノシシ、クマ、シカなどは熊よけの鈴を身につけていけば、とりあえず予防になります。
虫除けスプレーを付けていけば多くの藪蚊は防げます。
帽子、首周りにタオルを巻くなどの対策で、頭部への虫の付着は予防できます。
問題は靴装備です。道中、地面のぬかるみや沢と道が一緒になっているような場所もあり、イノシシの糞が落ちている場所もありました。これは、足元に「マダニ」がいて、靴の中にマダニが潜む可能性があることを意味します。しっかり装備を固めていっても、靴の奥に入られてしまうと、帰宅してからやられます。
帰宅後には、
- 髪の毛・頭部全体
- 耳の後ろ・耳全体
- 首周り
- 脇の下
- 背中
- お尻の割れ目
- 股関節
- 膝の後ろ
- 足の指の間
などを入念にチェックし、靴は帰宅後すぐに洗いましょう。必ず靴を洗いましょう。あいつら(マダニ)、ひっそり潜んで、足の指の間とかに噛みつきやがります。全身、当日にチェックしても、後から靴の中に残ったやつが噛んできたりすると、完全に気を抜いてる時にやられます。
ちなみに、潜伏期間(2週間)を経過しても、体調等に問題はなく、2週間経過する頃には傷口も直ってほぼ元通りです。除去する時はオロナイン軟膏やワセリンを分厚く、マダニを包むように塗りたくって放置して窒息除去を試すか、ライターの火、タバコの火であぶり除去しましょう。
どうしても取れない場合はピンセットで引っこ抜くのもありですが、頭部が患部に残っていないことを確認する必要があるため、拡大鏡、ルーペなどで除去後の個体を確認、頭部の残存の可能性がある場合には、即日、翌日、最優先で皮膚科に向かってください。
患部はオキシドールや高濃度エタノールなどで消毒し、あとは祈って様子を見るしかありません。皮膚科に行っても、例の感染症を持っている個体でなければ症状はほぼでないまま過ぎ去ります。ほんの1%のうちの、さらに限られた確率で発症するようなものなので、さほど怯える必要はないですし、医師にみてもらっても念のための切開除去と抗生物質処方で、あとは様子を見るしかないです。
2週間~1ヶ月して何も症状が出なければ、ひとまずクリアです。もちろん、ヤマビルも出やすい場所なので、帰宅後は全身チェック必須です。
訪問の理由
当方が深草観音に訪れたのには3つ理由があります。
- 前回要害山登頂した際に、奥への道がやたら気になったが帰ってきてしまった
- 夢で見た(呼ばれた)場所が深草観音のそれと一致した
- Ingressのポータル入手(ポータルキーは3つもゲットしてきた)
オカルトでもスピリチュアルでもないですが、夢で見た場所、山奥の燈籠の奥、高い場所にある祠、その他はモヤがかかっていてはっきりしなかったのですが、あちこち調べているうちに見つけたのがこちらの深草観音でした。夢に見たものそのまんま、訪問途中に撮影してきた数々の神秘的な写真、現地での不思議な体験など含め「呼ばれた」が正しい表現かと思います。
観光目的で訪れる方は、マダニに噛まれるリスク、マムシに出会うリスク、イノシシとシカとクマに出会うリスクがあることを承知の上で十分対策してご訪問ください。
安易に訪れられる観光名所ではありません。