【安全でした】還元麦芽糖(マルチトール)とは?危険性は低いが取り過ぎで下痢【学術論文】

水飴やガムなどに含まれている還元麦芽糖はマルチトールとも言われており、通常のグルコースより7倍ほど甘い甘味料としてよく使用されます。酸化の逆、還元して麦芽糖(マルトース)の構造を取らせているものですが、マルチトールは腸管から吸収されにくく血糖値上昇にはそこまで影響しません。過剰摂取すれば消化が悪いのでお腹が痛くなる可能性はあります。

 

 

還元麦芽糖(マルチトール)とは?

簡単に言えばマルトースに似た砂糖です。酵素糖化法によって作られるカルボニル基(−C(=O)−)がない糖で、褐変反応(メイラード反応)がおきないため、添加物としてもよく利用されます。このマルチトールは、一部が腸管で加水分解されて吸収されますが、マルチトースの多くは消化できずに尿に含まれて排泄されてしまうものです。

 

マルチトールは、化学式C12H24O11、モル質量344.31 g/mol、融点145度の二糖に分類されます。カロリーは200kcal/100gほどで、上白糖384kcal/100g、てんさい糖390kcal/100gに比べると約半分くらいのカロリーです。

 

 

還元麦芽糖の製造方法

還元麦芽糖を作るには、マルトース(麦芽糖)に高圧水素を添加して処理し、カルボニル基を還元させて糖アルコールの形にします。この化学反応はそんなに難しいわけではなく、マルトースに水素をちょうどよい比率で反応させてやれば、勝手に還元されるというイメージの反応です。

 

マルトースの構造の中にある酸素O、この部分が水素によって還元されて、マルチトールと呼ばれる形になります。

 

 

安全性と危険性の研究論文

マルチトールは過剰摂取しない限り健康リスク、下痢になるリスクはありません。マルチトールを100g近く摂取してやっと下痢が起きるくらいなので、よほど過剰摂取しない限りマルチトールが危険になることはないでしょう。当然MINTIAやフリスクを1箱飲んだとしても22gくらいしかMAXで摂取できないので死ぬ気でマルチトール(還元麦芽糖)を摂取しないと下痢にすらならないです。

 

 

引用ここから


目的: 我々は、二重盲検ランダムクロスオーバー試験を用いて、糖アルコールを含有する難消化性バルク甘味料に対する胃腸耐性を評価することを目的とした。 方法: 通常の消費パターンをシミュレートするために、12人の健康なボランティアが、時折(1日に1回の砂糖、最初の期間)、または定期的に(毎日9日間の2日間、2回目)、1日中マルチトールまたはスクロースを摂取した。両方の消費パターンにおいて、毎日の糖用量は、下痢および/またはグレード3(すなわち重度の)消化症状が起こるまで増加し、用量レベルは閾値用量(TD)として定義された。 結果: 最初の期間(時折の消費)では、平均TDはマルチトールで92±6g、スクロースで106±4g(P = 0.059)であった。消化器症状の平均強度はそれぞれ1.1および1.3であった(P = NS)。下痢はそれぞれ6人および1人の被験者に現れた(P = 0.035)。第2の期間(規則的な消費)では、平均TDはマルチトールで93±9g、ショ糖で113±7g(P = 0.008)であった。消化器症状の平均強度はそれぞれ1.7および1.2であった(P = NS)。しかし、下痢はそれぞれ8人および3人の被験者に現れた(P = 0.04)。 2つの期間の間のマルチトールおよびスクロースのTDは異なっていなかった。 結論: 我々の実験条件下では、スクロースと比較して:(a)時々または定期的にマルチトールを消費することは、重度の消化器症状と関連していない。 (b)両方のパターンのマルチトール消費において、下痢頻度はより高いが、非常に高用量のマルチトールについてのみ現れ、現在使用されているものよりはるかに多かった。 (c)マルチトールは、9日間の消費後に腸内細菌叢の適応に至らない。

(原文)

AIM:

We aimed to evaluate the gastro-intestinal tolerance to an indigestible bulking sweetener containing sugar alcohol using a double-blind random cross-over study.

METHOD:

In order to simulate their usual pattern of consumption, 12 healthy volunteers ingested maltitol or sucrose throughout the day, either occasionally (once a week for each sugar, first period) or regularly (every day for two 9 day periods, second period). In both patterns of consumption, daily sugar doses were increased until diarrhea and/or a grade 3 (ie severe) digestive symptom occurred, at which the dose level was defined as the threshold dose (TD).

RESULTS:

In the first period (occasional consumption), the mean TD was 92+/-6 g with maltitol and 106+/-4 g with sucrose (P=0.059). The mean intensity of digestive symptoms was 1.1 and 1.3, respectively (P=NS). Diarrhea appeared in six and one subjects respectively (P=0.035). In the second period (regular consumption), the mean TD was 93+/-9 g with maltitol and 113+/-7 g with sucrose (P=0.008). The mean intensity of digestive symptoms was 1.7 and 1.2, respectively (P=NS). However, diarrhea appeared in eight and three subjects, respectively (P=0.04). Maltitol and sucrose TDs between the two periods were not different.

CONCLUSIONS:

Under our experimental conditions, in comparison to sucrose: (a) occasional or regular consumption of maltitol is not associated with severe digestive symptoms; (b) in both patterns of maltitol consumption, diarrhea frequency is higher, but it appeared only for very high doses of maltitol, much greater than those currently used; (c) maltitol does not lead to intestinal flora adaptation after a 9 day period of consumption.


引用ここまで

 

A digestive tolerance study of maltitol after occasional and regular consumption in healthy humans

参考:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12548293?dopt=Abstract

 

 

赤ちゃんや妊婦さんは食べて大丈夫?

少量であれば還元麦芽糖(マルチトール)が入っている食品、おかしを食べても害はありません。起こりうる健康リスクはせいぜい下痢です。この還元麦芽糖に発がん性をもたせるなんて到底無理で、過剰摂取しなければ危険はないです。

 

ただし、マルチトールは腸管で消化されにくく、腸内環境を悪く変えてしまう可能性があります。腸内細菌の菌コロニーのバランスを崩す可能性があるため、むやみに還元麦芽糖を摂取しないほうが良いでしょう。下痢を起こしやすい人、胃腸の弱い人は還元麦芽糖が多い食品は避けたほうが良いです。

 

腸内環境の変化と消化不良により、免疫が正常に作動しなくなれば、アレルギーや花粉症などを引き起こすトリガーになる可能性は十分あります。くれぐれも食べ過ぎは控えて、添加物いっぱいの食品、既成品の摂取を控えて、素材から調理する食事を中心にしていれば特段、還元麦芽糖による問題はないでしょう。

 

 

出典

高純度マルチトールの製造方法

参考:https://patents.google.com/patent/JP2663134B2/ja

 

特許公報(B2)_結晶マルチトールの製造方法

参考:https://biosciencedbc.jp/dbsearch/Patent/page/ipdl2_JPP_an_1995313721.html

 

糖アルコールとは(三菱商事フードテック株式会社)

参考:http://www.mcft.co.jp/usage/01_01.html

 

マルチトールの分解におよぼすマルトースならびに食餌の影響

参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs1949/34/2/34_2_145/_article/-char/ja/

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