むかごの栄養と効能|山芋・長芋・自然薯の違い【ミニサイズの山芋】おいしい食べ方
むかごは山芋の赤ちゃんとも言われていますが、長芋、山芋、自然薯などの植物の木の実のようなものです。長芋や山芋は地中にできますが、「むかご」はわき芽が肥大化したもので、木の上になり、栄養繁殖器官のひとつとされています。むかごには、カリウムとリンが多く含まれています。
むかご・山芋・長芋の栄養素
むかご、ヤマイモ、ナガイモの100gあたりに含まれるとされる栄養素は以下の通り。特に含有量の多いものは太字でマークしました。
むかご (ヤマイモの実) | 山芋 (ヤマイモ|自然薯) | 長芋 (ナガイモ) | |
エネルギー | 93kcal | 121kcal | 65kcal |
炭水化物 | 20.6g | 26.7g | 13.9g |
タンパク質 | 2.9g | 2.8g | 2.2g |
脂質 | 0.2g | 0.7g | 0.3g |
水分 | 75.1g | 68.8g | 82.6g |
ナトリウム | 3mg | 6mg | 3mg |
カリウム | 570mg | 550mg | 430mg |
カルシウム | 5mg | 10mg | 17mg |
マグネシウム | 19mg | 21mg | 17mg |
リン | 64mg | 31mg | 27mg |
鉄分 | 0.6mg | 0.8mg | 0.4mg |
銅 | 0.15mg | 0.21mg | 0.02mg |
亜鉛 | 0.4mg | 0.7mg | 0.3mg |
葉酸 | 20μg | 29μg | 8μg |
ビタミンC | 9mg | 15mg | 6mg |
ビタミンB1 | 0.11mg | 0.11mg | 0.1mg |
ビタミンB2 | 0.02mg | 0.04mg | 0.02mg |
ナイアシン | 0.3mg | 0.6mg | 0.4mg |
パントテン酸 | 0.6mg | 0.67mg | 0.61mg |
ビタミンB6 | 0.07mg | 0.18mg | 0.09mg |
ビタミンE | 0.4mg | 4.1mg | 0.2mg |
その他の栄養素 | アミラーゼ アルギニン | ムチレージ アミラーゼ マンニット コリン アルギニン サポニン | アミラーゼ ムチレージ |
出典:PDF|むかご→野菜類
出典:PDF|いも類
むかごの栄養素として、特筆すべきはカリウムとリンが多いことです。ヤマイモ、ナガイモよりも多く、ミネラル分を摂取するのにちょうどよい山の食材である可能性はあります。
むかごは、すりおろさずそのまま炊き込みご飯などにして食べられますが、その際、皮ごと食べるため、食物繊維は、ヤマイモやナガイモよりも多くなると考えられます。基本的に粘り気の強い山芋(自然薯)を食べるほうが栄養素は多く取れます。
むかごは少量なら生食可能
私自身の体験です。洗ったむかごは生のまま食べれます。100g程度を生で食べましたが、お腹を壊すことはなかったです。写真の中央にあるような白くなっているもの、触って柔らかくなっているものは腐敗・劣化していますので、食べないようにしましょう。
味はあまりなく、しゃりしゃりとした食感で、一瞬ナガイモのすりおろしきれなかった部分をかじっているような感じの風味がありますが、いもっぽさはあまりありません。味はあまりないです。
ヤマイモ・長芋・自然薯の違い
これら名前も味も似ているヤマイモ、ナガイモ、自然薯の違いは
- ヤマイモ(Dioscorea japonica)数年かかる|日本古来品
- ナガイモ(Dioscorea batatas)1年収穫可能|伝来栽培品
- 自然薯(ヤマイモ|Dioscorea japonicaの別名)
です。山芋(ヤマイモ)は、全ての種のヤマイモ、ナガイモ、自然薯の総称としても使われています。
- ヤマイモ|ネバネバが濃い
- ナガイモ|サラサラしている
すりおろした時の味わい、風味が若干異なり、スーパーマーケットで入手しやすいのは、ほとんどが「ナガイモ(長芋)」です。本場のヤマイモはゴツゴツしていて、粘性が非常に強いです。
皮むきしやすいのも長芋(ナガイモ)です。天然の山芋(やまいも)は黒いつぶつぶが多く、形もいびつでたくましく、ものすごい自然のパワーを感じます。(実際感じれるかどうかは分かりません。)
ごついのは山芋、細いなのは長芋って印象です。
むかごに含まれる栄養素の効能
効能というべき効能ではないですが、
- アミラーゼ:消化を助ける
- アルギニン:成長ホルモンの分泌や免疫力アップを助ける
- ムチレージ:消化吸収を助ける
とされているため、適量のむかごを炊き込みご飯として毎日の食事に取り入れるのはありです。
カリウムの1日の推奨摂取量は男性2,500mg、女性2,000mgですが、腎臓病がある場合には1,500mg以下に制限する必要があります。むかご100gに570mgのカリウムが含まれているため、腎臓が悪い方はむかごを大量に食べるのは避けたほうが良いでしょう。
逆に、カリウムを意識的に摂取しないといけない場合に摂取量をむかごで調整しやすいです。計測してみたところ
- むかご3粒で1g程度
- むかご1gにカリウム5.7mg
- むかご3粒でカリウム5.7mg
であると分かりましたので、むかごを数粒食べればその分、カリウム不足を補えることになります。あまりにも過剰摂取するのは避け、適量を食べるようにするのが賢い選択です。
むかごのラクな食べ方
まずは「むかご」を買います。これは山梨県山梨市にある綿半・万力店で買いました。雑穀米に入れるものだと思えばかなりお手頃価格です。アマランサスとかめっちゃ高いですからね。
とりあえず、炊き込みご飯にするのが一番ラクです。
- お米2合
- むかご1合(目分量)
- 塩適量
- 雑穀米適量
で炊いて食べてます。
お米2合、洗った「むかご」1合をどしゃっと入れます。お米はミルキークイーンです。
お手製の雑穀米セットをどしゃっと適当に入れます。そのまま炊きます。細かい炊飯設定しなくていいです。炊ければ何でも大丈夫です。ちいさい芋のようなものなので、ちゃんと熱が通ります。
できたものがこちら。ある程度混ぜれば(混ぜなくても良い)、むかご入り雑穀ごはんの出来上がりです。味は、雑穀米です。とくに味の邪魔はせず、変な風味もつかないので、ちょっと栄養足した気になりたい時におすすめです。なくてもいいです。あんまり変わらないです。
むかごの皮のシャリシャリ感がありますが、むしろそれがちょうどいいです。少し大きいひよこ豆とかそら豆入れるのと同じ感覚です。
ヤマイモはすりおろす手間があり、かゆくなる欠点もありますが、むかごは炊飯時に目分量を適当にどしゃっと投げ入れればいいだけなので、料理に取り入れやすいです。