みょうがの黒い部分・白い液体・緑色の正体と保存方法【食べても大丈夫なのか】安全性と注意点

みょうがを細かくカットすると黒い部分や白い液体が出てくることがあります。これらはみょうがを数日常温保存したことで成長し、販売・購入時点より変化が起きたことによるものです。単純に腐敗・劣化と判断するのは誤り(迷信)で、成長に伴うもの、本当に劣化しているもの等、区別が必要です。ここでは無難な保存方法も紹介しておきます。

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みょうがの黒い部分の正体:花になる部分の根元

結論:よほど古いものでなければ食べても問題ありませんでした。あくまで悪くなりかけ、成長しかけの状態なので、取り除けば食べれます。

 

山梨県の道の駅「どうし」、スーパーマーケット「オギノ」、JAのたべるじゃん山梨の3か所で購入したみょうがを数日~3週間常温保存しました。購入当初にはなかった内部の変色を確認できましたので、その部分を分解調査し、その後の成長を見守りました。

※状態のひどいものは、ひどくなる直前の時点で食べきっています。限界は3週間程度でした。

 

輪切りにしたもの

輪切りにしている途中にこういう黒い部分が出てくるんですよね。多くの方が検索してたどり着いている黒いやつってこれですよね?

※これ以外の黒いものに関する情報は、このページにはないです。

 

アップにするとこんな感じのもの。最初は出てこなくて、輪切りを進めていくと出てくるものですよね。これ、みょうがの根っこの方に行くにつれて、出てくる確率が高くなります。

 

見た目でいえば、確かに虫っぺぇので、なんかやだ…はよくわかりますが、動いていない、内臓を確認できない、口を確認できないことから、この黒い部分は虫ではないです。(本当に虫だったらちゃんと動いたり、内臓が確認できたりするはずです。)

 

カット・分解したもの

みょうがをいくつか分解して中身を見てみました。すると、確かに部分的に黒くなっている場所がありますが、その場所に共通点があります。根っこに近い部分のみ黒く変色しており、これを取り出して確認してみました。

 

すると出てきたのは「これから花になる」つもり(であろう)の部分です。花になるために成長をしたら、根元が少し黒くなった、というパターンのもので、これは取り除けば食べれます。食べてしまっても別にお腹を壊すほどのものではありませんでした。

 

みょうがの花

採取されてからスーパーでは常温保存されているものも多いですよね。少し成長すると花を咲かせるので、それの根元部分が黒いだけです。このみょうがの花、食べても問題ありませんでした。味はしないし、みょうが独特の香りもしないので、おいしくはないです。

 

悪くなっているパターン

この写真にあるみょうがは、悪くなっている、腐敗しかけているものです。みょうがの成長に伴うものではなく、明らかに褐変反応、メイラード反応的なものに見える部分があり、乾燥しきっているか、ドロドロ化してきているのを視認できるはずです。

 

(これも、食べれました。悪くなってきている所のみ取り除けば問題なく食べられます。)

 

全然食べれる状態のもの

比較的新鮮な状態のみょうがでも、内部に黒い部分がある事があります。これは食べても別に大丈夫です。気になる場合は、そこだけ取り除けば食べれます。しっかり固くて、密度があるものであれば、たいてい大丈夫です。

 

みょうがから出る白い液体の正体:ほぼ樹液的なもの

みょうがをカットしていたら、白い液体が出てきた事はありませんか?なめくじか…、ヒルか、プラナリアか、寄生虫か…と不安になるのは当然です。だって、この写真みたいな感じに出てくるんで…。

 

しかし、比較的新鮮な状態の常温のみょうがをカットしても、この白い液体、白い汁は出てきました。特に山間の道の駅で買ってきたものからはこういった白い液体が出るケースが多い気がします。

 

通常みょうがをカットするとこんな感じになっており、導管だか、師管だか分かりませんが、空洞があります。このみょうがは新鮮なみょうがです。これを指で押すと…

 

白い汁っぽい、樹液のようなものが出てきます。これは、みょうがの根元部分が大きいミョウガほど出る可能性が高く、いわゆる樹液的なものです。アサガオの茎を切っても出てくる白いやつみたいなもので、食べました(舐めました)が、問題ありませんでした。

 

不安だったら、細かく輪切りにしたものを水にさらして、洗ってから食べればいいだけです。完全に腐敗している場合はこんなきれいな色では出てきません。

 

悪くなっている白い液

こういう状態で白い液体が出てくる場合は、その液体は悪くなっているものです。虫ではなく、内部がどろどろになっているもので、これは腐敗が始まっている段階です。かなりスレスレで、こうなってたら食べないほうが良いです。

 

こういう状態のみょうがの外観は、こんな感じになっているはずです。みょうがの葉っぱの先が乾燥してフニャンフニャンになっていたら、内部が悪くなっている可能性が高いです。

 

また、みょうが本体を指でつまんでふにふにする場合も、もう諦めたほうがよいです。

 

みょうがの保存方法

基本的に、みょうがは買ってきたら、1日、2日は常温保存でも大丈夫ですが、必ず食べきって下さい。2日以上保管する必要がある場合には、

  • 単体冷凍
  • 水没冷蔵

の2つパターンの保存方法をおすすめします。

 

みょうがの長期保存(3週間程度)を検討している場合は、このようにジップロックなどに、みょうがをどしゃっと、おぶちこみになり、水をだぁーーーっと入れて完全に沈めてやり、冷蔵庫に寝かせて下さい。

 

3週間そのまま水没冷蔵したもの

取り出しました。大きさの巨大なもの、巨大で緑色のもの、小柄なものの3種類あります。びちょびちょです。このまま縦に半分に切ります。

 

緑色のみょうがの中身は、樹液なし、黒い部分なしで合格です。

 

小柄なみょうがの中身も、樹液なし、黒い部分なしで合格です。

 

巨大みょうが(8cmくらいある)の中身も、樹液なし、黒い部分なしで合格です。味も問題なく、お腹を壊すこともなく、風味も残っていました。

 

ぬめりが出てくるのは4日程度:水交換も4日間隔ぐらいか

私の試した環境では、ジップロックに水道水とみょうがをぶちこんで、4日ほどしたものからは、みょうが表面にぬめりが出てきていました。が、ぬめりが落ちるまできれいに水で洗って、もう一度水没冷蔵したら、2週間は余裕で持ちました。水の交換は適度にやった方が良いです。毎日交換する必要はないです。

 

緑色のみょうがの正体:日光にあたっただけ

既にお見せした通り、緑色になっているみょうがもあります。これは、栽培時点で日光をしっかり浴びてしまったために変色しているもので、じゃがいもなどのように毒を持つことはないです。なんなら、緑色のものも食べましたが、何も問題ありませんでした。

 

赤色を重視する場合、料亭や飲食店で色を重視したい場合には、緑色のみょうがはまかない用にした方がよいかもしれません。品質的には何も問題ありません。が、各自で自己責任で対処して下さい。食べれます。

 

みょうがとは

みょうが(Japanese Ginger)は、学名「Zingiber mioga」、ミョウガ科ミョウガ属の多年草。ふきのとうのように、地面の根っこ付近からわさわさ生えてきます。栽培環境化では寄生虫が付く可能性は低く、天然ものはあまりお店には並ばない(危ないから&少ないから)と聞いております。

 

葉っぱは笹みたいな平行脈のもので、花はさきほどお見せした通りの白色~黄色のものが1つぽつんと咲き、ハナミョウガはピンク色でヒヤシンス?みたいに咲くものもあります。

 

ミョウガにつく害虫

みょうがに付く可能性がある害虫は、

  • ヨトウムシ
  • メイチュウ
  • カンテツ(肝蛭)
  • なめくじ

等で、中でも「かんてつ(肝蛭)」はたまに人にも害をなしますが、事例はそんなに多くないです。

 

肝蛭症は、ヤギや牛を媒介するヒルのようなもので、一昔前はまれに報告があったようですが、最近の食環境ではほとんど事例はない(毎月・毎週・毎日のように患者が出るものではない)と思われます。

 

ヤギ、ウシ、肝蛭を媒介する生き物が近くにいて、または、その糞を肥料として栽培していて、みょうがにもそれがついて出荷されている場合、かつ、それを人が食べた場合に感染することになります。

 

肝蛭症になると、胆管炎となり「発熱・吐き気・右腹の激痛・下痢」といった症状を引き起こします。相当きつい症状で、なんか我慢できる程度のものではありません。こういった症状があれば、肝蛭症関係なく、即座に医師の診断を受けて下さい。

出典1:https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kaho/25627_d/fil/Fasciola.pdf

出典2:https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/nagaokakensa/1197846930180.html

 

結果:みょうがは早く食べればいいだけ

買ってきて長い期間保存してから食べる、というのはまぁまぁありうる話ですが、みょうがに関してはさっさと食べればいいだけの話です。不安、怖い、なんかやだ、という方は、食べなければいいだけです。食べなくても変わりの薬味はいっぱいありますので。

 

私の体で試したものでは、常温で1週間保管した(ちょっと黒くなった程度)ものを、生で、そばつゆと一緒に食べましたが、健康上の問題はなく、ピンピンしております。10日常温保存した辺りから不安になってきます。

 

最も厄介なのは、カットが甘い場合です。なめくじなどが混入している場合、こまかくカットしていれば途中でそれに気づけますが、カットが分厚いとなめくじなどを斬り殺せていないまま摂取することになり、存在にも気づけないまま…となります。しっかり洗って、しっかりカットして食べるようにしましょう。不安に感じたら調べるか、諦めて食べない選択を。

 

みょうがを食べて頭痛がする場合

みょうがを食べて数十分で頭痛がするという場合、万が一の可能性で考えればミョウガアレルギーがあるかもしれません。この場合、同時に

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 口の中のかゆみ
  • 腹痛
  • 下痢
  • だるさ
  • 手指の蕁麻疹

などが起きる可能性があります。みょうがに寄生虫がいて数十分で脳まで到達…という事例は考えにくいです。まずはお腹が痛くなるはずです。原因として、みょうがは悪くなく、一緒に食べた他のものへのアレルギー

  • 気圧が低い
  • 天気が悪い
  • 体調が悪い
  • 肩こりが酷い
  • 耳鳴りがしている
  • 自律神経失調系

など、頭痛の原因を他に探りつつ、「みょうが」は、ひとつの可能性として考える程度にするのが無難でしょう。

 

妊婦や小児も適量ならみょうがを食べても問題ない

みょうがを食べると馬鹿になるとか、妊婦は食べないほうがよいという迷信がありますが、悪くなっていないみょうがを適量食べる程度であれば問題はありません。不安なら食べなければいいだけです。

 

食べ物でバカになる…ということは科学的にもオカルト的にもありえません。元から…の可能性があります。(密造酒やメタノールの誤飲なんかでは起こりうるが、この場合は脳の障害、後遺症の部類である。)ミョウガの辛味成分の影響で、舌の味覚がおかしくなる=バカになる、という方言から転じた迷信の可能性はあります。

 

1日1人ミョウガ、通常サイズ半分~1個とか食べる程度であれば、特に体に害が起こる可能性はほぼありません。

 

みょうがが辛い場合

ミョウガも、ネギも辛味成分を含んでいます。ほぼそれです。そのミョウガの辛味が嫌な場合は、単純に合っていないか、向いていない味なだけですので、食べるのを避けましょう。アレルギーの場合ももちろんありますが、その場合も食べるのをやめましょう。

 

また、一度に5個、10個のミョウガを食べると当然辛いですし、食物繊維の過剰摂取などの要因で、下痢を起こしやすくなります。

 

何事も適量に。

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Posted by Genussmittel管理者