ナツメの栄養と美容効果・主成分・味|植物・果物の特徴

ナツメ(なつめ|学名Ziziphus jujuba|英名Chinese date)はミニサイズのりんごのようなもので、バラ類クロウメモドキ科の植物の実です。乾燥させて生薬・漢方として用いたり、ドライフルーツ、ジャム、コンポート等として食べられます。

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ナツメの栄養素

ナツメ(学名Ziziphus jujuba)には以下のような栄養が含まれています。(100g中に含まれる栄養素)

 ナツメ
エネルギー287kcal
炭水化物71.4g
タンパク質3.9g
脂質2.0g
水分21g
ナトリウム3mg
カリウム810mg
カルシウム65mg
マグネシウム39mg
リン80mg
鉄分1.5mg
0.24mg
亜鉛0.8mg
葉酸140μg
ビタミンC1mg
ビタミンB10.1mg
ビタミンB20.21mg
ナイアシン1.6mg
パントテン酸0.86mg
ビタミンB60.14mg
ビタミンE0.1mg

出典:日本食品標準成分表(資源調査分科会報告)

 

ナツメ100gあたり71.4gが炭水化物、食物繊維は12.5gで、カリウムが810mgとかなり多く、葉酸も140μgと比較的多いです。生薬としてはナツメに含まれる「サポニン」が注目されています。

 

ナツメは葉酸が多め

ナツメと他の果物の100gあたりの葉酸含有量を比較すると

  • ナツメ:140μg
  • ドライマンゴー:260μg
  • アボカド:84μg
  • いちご:90μg
  • ブロッコリー:120μg
  • ほうれん草:126μg

なので、調理せず、そのまま口に放り込んで食べられるという食べやすさもあります。葉酸をメインで考えれば、ナツメは非常に便利な葉酸補給フルーツです。

 

ナツメの美容成分

ぶっちゃけ化学的・医学的には美容成分といわれる類のものは、そこまで多くないです。ナツメの皮に含まれるポリフェノールなどの成分、葉酸、カリウムなどの成分があり、美容に働きかけるほどの量は入っていません。市販のリンゴを皮ごと食べても同じようなものです。

 

ナツメの場合は、生でそのまま、カットも皮むきも調理もせずに、洗うだけで食べられるお手軽さが魅力です。

 

なつめの食べ方と入手方法

秋が旬の果物のようで、田舎の道の駅などでかなりお手頃価格で大量に入手できます。

 

リンゴの味に似ていますが、リンゴほどシャリシャリはしておらず、皮のまま、そのまま口に入れてタネ以外の部分をかじって、後でタネを吐き出します。シロップ漬けにして煮詰めたり、乾燥させたり、お茶にしたりして摂取可能です。

食べられるナツメ

ナツメには、食べても問題ないものと、少し悪くなっていて、生食に向かないもの、洗わないとちょっと汚いものもあります。(木の実なので)

 

色は、どんぐり色、黄色、まだら模様など複数あってよいのですが、指で触って硬いものは食べて大丈夫です。

 

うずらの卵のような模様もあります。

 

ナツメをカットするとこんな感じになっており、タネを取って、皮を向いて食べるのには向いていません。そのままかじって、タネを吐き出しましょう。

悪くなっているナツメ

目視でしわしわになっているナツメはこの画像のようになっていて、生食はしないほうが良さそうです。

 

しわしわのナツメの中身はこんな感じで、あまりよい状態ではありません。水洗いして、ちゃんと水切りできていなくても、しわしわになるのが早いです。

 

ナツメには、茎がついていることがあります。写真で見ると、右側のナツメの茎があった部分は白いカビが生えています。硬さは十分硬いですが、茎の部分が白くかびていて、既に茎周りが柔らかい場合は食べないほうが良いです。

ナツメのタネは飲み込まないで

これは汚い写真じゃないです。ナツメをカットした後、タネの周りをスポンジでできる限りキレイに洗ったものです。口から出したものじゃないです。

 

ナツメのタネは先端が尖っているので怪我をしないように注意しましょう。また、包丁で切れないくらいには硬いタネなので、タネを飲み込まないほうが良いです。

症例は 70 歳女性。深夜に突然の腹痛を自覚して起床し,救急外来受診となった。身体所見では臍左側を最強点とする軽度の圧痛,反跳痛,筋性防御を認めた。CT 検査では細かな free air と小腸内に異物を疑う高吸収域を認め,また同部位より口側腸管の拡張も認めた。異物による消化管穿孔を疑い,同日緊急手術を施行した。術中所見では回腸末端より 160cm 口側の小腸に 3cm 大の鋭利な異物が穿破しており,異物による小腸穿孔および汎発性腹膜炎と診断した。異物を含み 5cm の小腸部分切除術を施行した。術後問診によって 5 日前にナツメの甘露煮を食べた際に種子を誤飲していたことが判明した。術後経過は良好で術後 8 病日に退院された。植物種子による消化管穿孔は本邦において 3 例報告されるのみで非常にまれであり,ナツメの種子によるものは本邦初報告である。

ナツメの種子により小腸穿孔をきたした 1 例

症例報告:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaem/37/7/37_1031/_pdf/-char/ja

症例は少ない(ナツメを食べる人も少ない)ですが、ナツメのタネを飲み込んで小腸に穴が開いて救急搬送、という事例があります。

 

出典にある症例報告にも記載があるように、非常にまれな事例ですが、お腹痛くなるのは嫌なので、ナツメのタネは誤飲しないように気をつけましょう。特に、幼い子供が間違ってナツメをまるごと誤飲したような場合は、早めに医師に相談し、経過を観察したほうが良い(お尻から出てくるのを待つ)のか、吐かせたほうが良いのか、判断を医師に仰いでください。

 

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Posted by Genussmittel管理者