桔梗屋と金精軒の「信玄餅」を食べ比べ|おいしいのはどっち【完全解剖・徹底比較】
山梨県のおみやげとして有名な「信玄餅」は、これを製造する和菓子屋さんが、桔梗屋・金精軒の2つあります。今回は、いつでも入手できるおみやげ用の通常の信玄餅を細かく分析、食べ比べしてみましたので、お買い物の際には参考にしてみて下さい。
桔梗屋と金精軒の信玄餅比較
味比べは、山梨のGoogleローカルガイドレベル10、及び、珈琲焙煎士、山梨・日本酒同好会と、ちょっぴし舌に自信がある筆者による「個人の感想」です。はっきり言って、どっちもおいしいので
結論
両方おみやげに買って、渡して、食べ比べしてもらう
のが一番贅沢な贈り物だと思います。
信玄餅の包装の状態
写真で見ても分かる通り、金精軒のほうがきれいです。桔梗屋の方はきな粉が外側にまで出てきてます。ただ、袋の外までは出てきてないです。
桔梗屋 | 金精軒 | |
外装 | おしゃれ | シンプル |
内装 | こぼれあり | こぼれ少なし |
持ち運び | ちょっとかさばる | 持ち運びやすい |
黒蜜、添付の菓子楊枝はどちらにもあって、黒蜜の味そのものはどちらも同じ、黒蜜の量もほぼ同じです。
信玄餅の価格の違い
金精軒はパックごと測定して44gです。
桔梗屋はパックごと測定して57gです。桔梗屋の方が量が多いです。
桔梗屋 | 金精軒 | |
2個入り | 税込363円 | 税込432円 |
カロリー | 170kcal | 120kcal |
重さ | 57g | 44g |
賞味期限目安 | だいたい10日 | だいたい10日 |
話題性 | 鬼滅の刃コラボ 桔梗信玄餅極 | 生信玄餅 大吟醸粕てら |
創業年 | 明治22年 | 明治37年 (台ケ原金精軒) |
SHOP | 公式ストア | 公式ストア |
ここではお土産としての贈り物の事を考えると、重さは軽いけど、量を20個、30個と入っているものを選べる金精軒の方が優れているかと思います。1個あたりは桔梗屋の方が重いですが、どこでも変えてしまうので、金精軒の信玄餅の方がレア度が高いのは間違いないです。
逆に言えば、桔梗屋はどこでも買えるので、身近で入手しやすい、山梨のおみやげに「信玄餅」あり、という印象を広げるのに一役買っています。
信玄餅へのこだわり度合い
中身を出して食べてみると、はっきりわかりますが、金精軒の信玄餅の底にはきな粉があって、さらに信玄公の「武田菱」がお餅にも刻印されている状態になっています。
これに対して桔梗屋の方は、とにかく「桔梗屋」ブランドで押している感じで、信玄公へのリスペクトよりは「とにかく餅をつめよう」とか「いっぱい食べてもらおう」という感じが出ています。
桔梗屋が1968年(昭和43年)、金精軒が1972年(昭和47年)に発売しているという話は確かにありますが、
- きな粉と黒蜜の混ざり方
- 武田菱への尊敬度
- 堅物さ加減
などから判断すると、金精軒の方がこだわってる感があります。
信玄餅の味のおいしさ
以下、桔梗屋と金精軒の信玄餅の食べ比べの結果です。
桔梗屋 | 金精軒 | |
甘さ | とろんとした甘さ | しゅっと引き締まった甘さ |
お餅 | もっちゃもっちゃする | 密度高めで程よい |
大きさ | 少し大きく柔らかい | 小さめで身がしっかり |
歯 | ちょっとくっつく | あまりくっつかない |
黒蜜ときな粉 | あまり馴染まない | よく馴染む |
以下は、食べ比べした時のメモ書きですが、そのまま残しておきます。
桔梗屋:甘さはほぼ同じ。とろんと甘い感じ。お餅がもっちゃもっちゃする感じはあるけど、食べごたえはある。ちょっと歯にくっつく。黒蜜ときな粉があまり馴染まない。
金精軒:甘さはほぼ同じ。控えめにしゅっと締まった甘味。お餅が小さめで食べやすく、あまり歯にくっつかない。黒蜜ときな粉がよく馴染む。
左:金精軒、右:桔梗屋
結論から言えば、金精軒の信玄餅の方がきな粉と黒蜜がしっかり混ざるので、お餅ときな粉と黒蜜を一緒に味わいたい方には金精軒がおすすめです。
比べるとはっきりわかりますが、桔梗屋の信玄餅はきな粉と黒蜜が混ざらないので、ペースト状の黒蜜きな粉を十分に堪能できません。
結果:金精軒
きれいごとなし、はっきり言って金精軒の信玄餅のほうがおいしいですし、きな粉と黒蜜を餅にからめて食べたいという欲求を叶えてくれるので、金精軒が良いと判断しました。
おいしさで言えば、どちらもおいしいし、起源がどうであれ、餅で和菓子です。
味は置いといて、重さは軽いのに高くて、でも、しっかりきな粉と黒蜜が混ざって、武田菱が餅にまで刻印されているというのは非常によろしい。安く、大量に食べようというのではなく、高くとも良いものを、という理念には寄り添っているかと思います。
ただ、ぶっちゃけ、知人へのおみやげには桔梗屋買いますし、2021年の年末には話題性のある桔梗信玄餅・極を買って贈りました。実際、マーケティングや広報としては全国区で名を売っている桔梗屋の信玄餅の方が、もらう側がなんか喜びます。
金精軒の信玄餅は、家族や家族に近い大切な仲間、友人、山梨にどっぷり浸かり始めている方に味わってもらいたい感じです。買えるけど、ちょっと高い、でも、あなたに贈りたいっていう気持ちを重ねて、あなたが大切なんです、という気持ちを伝えたい時はやはり高い方を贈るものです。
使い分けは大切ですね。
日常的に食べるなら、私は金精軒の「うぐいす餅」にします。あれおいしいんですよ。
信玄公に感謝を
常識的に考えて、お菓子に限らず、観光業界でも、既に亡くなって天界で休まれている人にあやかって、今の時代の経済を回す助けにするっていうのは、それだけその人が、多くの人のココロに影響を残したという事象の体現でもあるんです。
一般人には到底なし得ない、起こり得ないことなんです。なので、私たち一般人は、桔梗屋か金精軒かどちらが先かなんて低俗な競争は忘れて、どちらの会社も努力して生み出している
- 信玄プリン
- 生信玄餅
- 桔梗信玄餅・極
- 大吟醸粕てら
などを、ブランド気にせず食べて「うみゃい、うみゃい」言うてればいいのですわ。どちらがおいしいかを各個人が思い思いに言うのは自由ですが、決める必要はないのですわ。両方おいしいし、両方山梨にあるんだから。
亡くなられて、休まれても尚、人々の生活に影響を残してくれた信玄公に最大限の感謝を。