ソルビトールの危険性と安全性評価【人工甘味料・食品添加物】

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ソルビトール

ソルビトールは天然の果物にも存在する糖アルコールの一種で、毒性、遺伝毒性、変異原性、発がん性などはなく、むしろ抗がん作用があることが確認されています。虫歯になりにくく、カロリーにもならず、腸管からも吸収されないため、糖尿病患者向けの食料にも含められる甘味料です。

ソルビトールの化学的性質と詳細

ソルビトール(Sorbitol|IUPAC:(2R,3S,4S,5S)-ヘキサン-1,2,3,4,5,6-ヘキソール| (2S,3R,4R,5R)-Hexane-1,2,3,4,5,6-hexol)は、化学式C6H14O6、モル質量182.17g/mol、水への溶解度2200g/L(20℃)の非常に水に溶けやすい人工甘味料です。

 

天然にも存在し、海藻類やりんご、梨、プルーンなどの果物にも比較的多く含まれています。

 

ソルビトールは虫歯になりにくく、胃腸管からも吸収されにくい甘味料で、甘さは砂糖の60~70%程度ではありますが、カロリーとならないため、糖尿病予防や糖尿病治療中の食事などでの利用や虫歯になりにくい菓子・飲料への利用が検討されています。

 

ソルビトールの危険性評価

ソルビトールは人工的にも合成できますが、天然の植物、海藻、果物にも含まれているもので、異常なほど大量に(体重50kgの人が50kg~500kg摂取するなど)摂取しない限り、毒性はありません。 

 

砂糖(ショ糖やグルコース)よりも甘さが抑えられており、かつ、天然にも存在する糖アルコールなので取り立てて危険があるわけではありません。

 

ソルビトールには生殖毒性・遺伝毒性なし

Sorbitol had no adverse effects on the reproduction of CD rats during a multigeneration feeding study and was not a reproductive toxin at doses of 3000 to 7000 mg/kg/day for 2 years. Overall these esters and their corresponding fatty acids were not mutagenic, but Sorbitan Oleate was reported to reduce DNA repair following ultraviolet radiation exposure in human lymphocytes in culture.

引用元:https://europepmc.org/article/med/12042063

ラットに対して、2年間、3000mg~7000mg/kgの濃度でソルビトールを与えた試験では、生殖毒性は確認されず、遺伝毒性もなかったと報告されています。

 

ただし、ソルビトール関連物質である「オレイン酸ソルビタン(Sorbitan Oleate)」は、人のリンパ球において、紫外線照射後のDNA修復が遅くなる事象は確認されたとのことです。これは甘味料のソルビトールとは別物なので関係ないですが、ソルビトールの化合物には異常を引き起こす可能性がある物質もあるかもしれないということです。

 

ソルビトールはケトン体を生成しない

Although sorbitol reduces the spontaneous ketogenesis of liver slices considerably, this compound has little effect on the production of ketone bodies during oxidation ofpentane-1-carboxylio acid added to liver slices (Table 1).

引用元:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1197501/pdf/biochemj00915-0015.pdf

ソルビトールは肝臓においてケトン体を生成しないと報告されています。

 

ソルビトールは生態毒性なし

ソルビトールは良分解性で、自然界においては比較的素早く分解される上に毒性もないため、環境に対してほぼ無害です。

 

ソルビトールの安全性評価

ソルビトールには発がん性がないどころか、抗癌作用があることが分かっています。

ソルビトールの抗がん作用

Sorbitol has been reported to have anticancer effects in several tumor models, however its effects on colorectal cancer remain elusive.

To investigate the growth inhibitory effects of sorbitol on colorectal cancer HCT116 cells, the cells were treated with 1.0 M of sorbitol for 1, 2 and 3 h or with various concentrations of sorbitol (0.5, 1.0 and 1.5 M) for 3 h. As demonstrated in Fig. 1A, treatment of HCT116 cells with 1.0 M concentrations of sorbitol for 1, 2 and 3 h markedly inhibited cell growth in a time-dependent manner.

引用元:https://www.spandidos-publications.com/ol/7/6/1992

ソルビトールにはいくつかの腫瘍に対して、抗がん作用があることが確認されており、結腸・直腸癌のがん細胞「HCT116細胞」に対する増殖阻害効果も確認されたとのことで、がん細胞の増殖抑制に働きかけがあることが報告されています。

 

出典・参考

Sorbitol induces apoptosis of human colorectal cancer cells via p38 MAPK signal transduction

https://www.spandidos-publications.com/ol/7/6/1992

The Metabolism and Antiketogenic Effects of Sorbitol. Sorbitol Dehydrogenase

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1197501/pdf/biochemj00915-0015.pdf

Final report on the safety assessment of sorbitan caprylate, sorbitan cocoate, sorbitan diisostearate, sorbitan dioleate, sorbitan distearate, sorbitan isostearate, sorbitan olivate, sorbitan sesquiisostearate, sorbitan sesquistearate, and sorbitan triisostearate.

https://europepmc.org/article/med/12042063

ソルビトール|SHOWA安全データシート

http://www.st.rim.or.jp/~shw/MSDS/19624350.pdf

指定添加物リスト|公益財団法人 日本食品化学研究振興財団 事務局

https://www.ffcr.or.jp/tenka/list/post-11.html

各添加物の使用基準及び保存基準|公益財団法人 日本食品化学研究振興財団 事務局

https://www.ffcr.or.jp/webupload/74a51493d997785a77ea40142cf05a79c6b52db7.pdf

食品添加物|厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/index.html

第一世代の糖アルコール

https://www.bfsci.co.jp/pdf/catalogue/02.pdf

第二世代の糖アルコール

https://www.bfsci.co.jp/pdf/catalogue/03.pdf

 

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