やまぼうしの栄養・成分・味|植物・果物の特徴
やまぼうし(学名:Cornus kousa)はミズキ科ミズキ属の植物で、白い4枚の花びら的なもの、多数の花が集まるぼつぼつの花序があり、これが果実になった時に赤いボツボツがある果物となるため、不思議な少し毒々しい見た目をしています。無毒、皮も食べても問題はありませんが、皮と4つのタネは吐き出すと良いです。
やまぼうしの栄養
やまぼうし(学名:Cornus kousa|英名:Kousa Dogwood)には以下のような栄養成分・化学成分が含まれています。
- delphinidin 3-O-glucoside:8.21mg/g
- delphinidin 3-O-rutinoside:8.44mg/g
- cyanidin 3-O-galactoside:0.02mg/g
- cyanidin 3-O-glucoside:0.02mg/g
といったアントシアニン類が多く含まれている研究報告はありましたが、炭水化物やタンパク質の重量についての記述は調査時点では見つかりませんでした。
出典:Anthocyanins in Cornus alternifolia, Cornus controversa, Cornus kousa and Cornus florida fruits with health benefits
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0024320505007903
東北農業試験研究協議会の発刊している資料PDFによると、ヤマボウシには
- 水分:75.4%
- カルシウム:64mg
- カリウム:86mg
- マグネシウム:10mg
- ビタミンC:11mg
というデータは発見できましたが、それ以外の詳細データはありませんでした。さほど目立った栄養があるわけではないですが、素朴な味わいとジャムへの使いやすさなどから、一定の需要はあります。
出典:https://www.pref.iwate.jp/agri/_res/projects/project_agri/_page_/002/004/814/h13shidou_23.pdf
5月から7月頃に花を咲かせる山の植物で、秋ごろにはヤマボウシの実として道の駅などに並びます。9月、10月が旬で、植物の寿命は約40年程、ジャムにして食べられることが多いです。
ヤマボウシの味
さくらんぼのように皮ごと口に入れて噛むと、少し皮の渋みがありますが、中身は素朴な甘味があり、若く熟した甘さ控えめのマンゴー、潰して柔らかくしたバナナの皮の内側の所、洋梨の少しシャリシャリした食感に似ており、マンゴーでも、バナナでもなく、食感は洋梨系。
マンゴーの味もバナナの味もしませんでしたし、似てもいませんが、唯一例えられるよく知られている味と言われれば、マンゴーとバナナが似ています、…程度のものでさほど味は似ていません。
悪くなっている「ヤマボウシ」の実
ヘタの部分が黒くなっているものに加えて、ヘタから実の方まで黒くなっている柔らかいものは悪くなっています。カビの侵食を受けている場合もあるので、悪くなっているものは食べないようにしましょう。
若干、表面がうっすら黒いだけならば食べれる場合もあります。不安だったら食べないで、他の鮮明な赤色で実の締りの良いものを食べましょう。
明らかにカビてふにゃらんとしているものは庭の土に埋めるか、処分しましょう。こうなってしまってはもうダメです。仕方ありません。本来、熟すと土に勝手に落下する果物で、人に食べられるつもりで実ってない果物です。見極めは大切です。
食べられる「ヤマボウシ」の中身
中身がしっかりつまっていて、ふにゃっとしておらず、黒いカビの侵入もなければ食べても大丈夫です。
ヘタが少し黒くなっていても中身が無事ならば、食べてもOKです。写真で中身が空洞になっているところにはタネがありました。包丁で切ったら、タネも取れちゃいました。
ヤマボウシのタネ
汚い画像ではありません。口から吐き出したものではありません。包丁で切って取り除いたタネと、同じ大きさのヤマボウシの実です。およそ4つ~5つのタネが入っており、形を例えればポップコーンの豆や、小さくなったキャラメルのような形と色です。
タネも皮も吐き出しましょう。アケビやナツメの実同様、山の果物はタネを吐き出す必要がある物が多いです。中身の果実部分を味わったら、ぺっ、と吐き出しましょう。
皮は食べても平気?
ヤマボウシの皮はカジカジして飲み込んでも特に害はないですが、トゲトゲしてる皮なので、よく噛んだとしてもちょっとイガイガすると思います。飲み込むよりは吐き出したほうが良いです。
ヤマボウシの皮には毒はないですが、ヤマボウシに似た毒を持つ植物はありますので、ふと山で見つけて、知識なくかじるのはやめましょう。