実写版「リトル・マーメイド」の初見視聴レビュー【Disney+】

2024年11月1日

人生で初めてみたリトル・マーメイドが実写版で、世間で言われている先入観がある方々と異なる感想を持った気がするので記録として残しておきます。アリエル役のハリー・ベイリー氏もタコの魔女も含め、作中全体でとても美しく、感動できる作品でした。

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肌の色などに関して違和感は全くなかった

世間ではポリコレに屈しただとか、原作アニメのアリエルと肌の色が違うとか言われていて、差別主義者と先入観を捨てきれない視聴者による批判が多く見受けられましたが、作品としてみれば初見では何も違和感はありませんでした。

アリエル役は「ハリー・リン・ベイリー」というアメリカ合衆国ジョージア州アトランタ生まれの歌手で、初見ではキュートな女性という印象。作中でもサンゴ礁や鮮やかな海、南国の海の印象が強く、人魚たちも見た目では人種はさまざまいるように見えましたが、特に違和感は感じませんでした。

カニと魚と鳥が喋る世界観で、肌の色がなんだって?

実写版リトル・マーメイドの世界観は、記憶に残っているのはこんな感じの世界です。美しい海の底、多様性と弱肉強食、海の世界と空の世界、地上と海の対比などがはっきりしていて異世界の文化に憧れる人魚という構図がありました。

それ以前に映像がとても美しく、カニも魚も鳥も喋るし、相変わらずサメは悪者っぽい(ファインディング・ニモでもそうだった)扱いで、この中に肌の色が異なる人魚が混ざる感覚です。

その程度の些細なことは何にも気にならないです。この多様性を描いた海の中の描写で体表の色が気になるという発言は「異質」で「異常」な感覚です。視野がとても狭い、かつ、ポケモンの色違いは絶対に認められない等の気質を持ち合わせているかわいそうな方でしょうね。

魚の体表の色や模様がおかしいと難癖つけるようなもので、映画作品を見ているのに、細かい所が気になって耐えられないのは精神疾患か何かだと思いますので、精神科を1度受診されたほうが良いかと思います。

人間も人魚も外の世界を探している

この描写の中で、日本人にとっては非日常的な海外の島国の様子が描かれますが、比較的穏やかな王国?なのか、貿易国家なのか、発展途上ながらも城のある国のような土地に生きる現実で言えばどこらへんの国の文化なのかは分からない土地の人々の暮らしと王子様の冒険がありました。

王子は王子で外の世界を知ろうと努力していてとても偉い、新しいことを受け入れる心のある人。アリエルはアリエルで地上の世界、海以外の世界に興味があり、王子のことを助けてあげる心優しさと行動力がある人魚。どちらも心豊かで、他者を知って理解しようとする性質があったため、あのエンディングになり得たと思います。

タコの魔女とカニさんのナイスアシスト賞

また、タコの魔女の引き立て方もなかなかパンチが効いていたと思います。タコの魔女の魔法がなければ人間っぽい足をもらえなかったし、契約としてはまぁまぁな等価交換だと思いますし、恋する若い2人の男女の間を邪魔すればするほど燃え上がるのを分かっている年齢でしょうに、わざわざタコの魔女自身が悪者になることで、アリエルの父・人間どもを納得させる要素となって散っていきました。

敵の敵は味方、アリエルと王子の恋以上にやべぇやつがいる状況で、あえてアリエルと王子に自分をやっつけさせることで全て丸く収めるというファインプレーをしていました。見事なやられ役でした。

また、カニと鳥さんのアシストもなかなかのものでした。このお付きのカニがいなければ全てはダメだったはずです。所々で完璧なアシストが施されており、もはやMVPです。視聴者である私も途中から2人の恋を応援し、映画作品としての「悪者やっつけて吊り橋効果」作戦とか、「デートを盛り上げて導く」作戦とか絶妙にもどかしくもあり「そこは行けよ!」と王子の照れ屋さんにツッコミを入れつつ、最後まで楽しく見れました。

世界興行収入は5億ドルを超えている

世界興行収入に関しては「ラーヤを龍の王国」は1億3000万ドル、かの有名な「アナと雪の女王2」は14億5000万ドル、実写版「リトル・マーメイド」は5億ドル以上6億ドル以下と言われており、実写版のアラジンや美女と野獣に比べれば確かに遅れは取っているように思えますが、映画を作ったこともない批判しかできないタイプの3流評論家やレビュアーはこの金額を稼げるわけもなく、ただ無能な非難をしてPVを稼ぎたいだけ…という残念な状態。

コロナ禍が終わりを迎え、コロナ禍の最中にも公開されていたディズニー作品も興行収入ベースで見れば大失敗というほどでもなく、ちゃんとファンは見て楽しめていて、満足しています。好みはあるでしょうが、映画という嗜好品の域を出るものではなく、大コケしたとは言えない結果です。

ド素人の評論家や批評家は、先入観を捨てられずに古い価値観のまま、自分の希望を作品に押し付ける系のレビューしかできません。誰かが生み出したものに対して欠点やあら捜しをするのはバカでも誰でもできるカンタンな事ですし、人気の会社や有名な会社をコケ下ろすのは快感なのでそういうヤカラが声を大きくしているだけです。

サメの悪者感が強いのがちょっと悲しい

ディズニーという作品の性質やカラフルで多様性いっぱいのリアルで自然に満たされた海底の描写は、私は大満足でした。ウミユリ?なんかちょっとヒラヒラした不思議な生き物も、子どもが気持ち悪いと言い出しそうな海の生き物もきちんと登場させていて、次世代の価値観を作るのに十分な要素が揃っていたと思います。

海の底では、弱肉強食がルール。サメだけでなく、さまざまな肉食魚がおり、人魚たちも何かを食べているはずです。船の墓場みたいな所ではサメが悪者っぽく泳いでいて、アリエルたちを襲っていましたが、サメのいる場所としてはあんまし…。

映画なので悪者や自然の脅威的な感じで敵役が必要なのは分かりますが、ライオン・キングでもハイエナが悪者っぽく扱われていて、生き物に対しての間違った価値観が身についてしまいそうなのがちょっと悲しいかなと思いましたが、作品描写としては仕方がないと思います。

サメは結構ビビりです。アザラシやイルカ、シャチの方がやべぇ…という感覚だったと思います。

子どもにはアニメ版も実写版も両方見てほしい

アニメ版にはアニメ版の良さがあり、実写版には実写版の良さがあります。アニメ版はちょっと描写がどうしても画質的に古っぽいですが、履修する価値は十分あります。実写版はそれはそれでめちゃくちゃ美しい映像で、王子側の執事っぽいオジサマの最強アシスト(大切な指輪を踏んだか、蹴っ飛ばしたか)もあって最悪の事態は免れた事も含めて、一見の価値ありです。

いちばん大事なのは理解ある身近な人間。程よく見なかったことにしてくれる理解ある大人の存在。何でもかんでも堅苦しくせず、ゆるーく、許容し合いながら生きるのって大事だなと思いました。

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Posted by 管理人